妙高の仏教と神道:メモ

<仏教>

 妙高市の寺院数は71。その内訳を見ると、単立1、曹洞宗1、真宗大谷派(東)45、浄土真宗本願寺派(西)22、真言宗醍醐派修験道)1、天台寺門宗1となっている。すぐに気づくように、大半が浄土真宗で、それもお東が優位を占めている。寺院の94%以上が浄土真宗ということになっている。この数値は新潟県でトップだけでなく、真宗のホームグラウンドと言われる福井、石川、富山の3県の割合(多くて8割強)を大きく離して断トツなのである。旧新井市、旧妙高村、旧妙高高原町は優に9割を超え、妙高はどの地域も真宗寡占状態で、これが少なくても江戸時代から変わっていないのである。この数字を信用するなら妙高市浄土真宗一色に染まり、人々は押し並べて信心深い門徒ということになる。

神道

 新潟県の神社数は約4700社で、2位の兵庫県に1000近い差をつけて全国で最も多い。その理由の一つが、明治の頃、新潟県は人口が日本で一番多い県だったこと。 明治21年の人口は約166万人、次いで兵庫県の151万人で、何と東京都は4位だった。明治政府は神社の統合を各都道府県に呼びかけたが、当時の新潟県は他県ほど強力に統合を推し進めなかった。これが二番目の理由で、その結果、多くの神社がそのまま残ることになった。

 新潟県内にある神社の約4分の1が「諏訪神社」に関連する神社で、県内で最も多い。 全国2万以上ある諏訪神社の総本社は長野県諏訪市諏訪大社。そこに祀られているのが「建御名方神(たけみなかたのかみ)」。その母親が糸魚川の「奴奈川姫(ぬなかわひめ)」である。出雲勢力が日本海側を北上し、内陸に入っていく道筋の一つが妙高であり、それが諏訪大社までつながっていた。

 新潟県神社庁のリストによれば、妙高市には神社が何と94もあり、その中でも最も多いのが諏訪社で、23社もある。次が八幡社で18、そして神明社の13である。妙高山麓に神明社が集まり、諏訪社は海岸、平野に広く分布している。八幡社は全国的に分布していて、それが新潟県でも見られる。

 仏教と神道の組み合わせは色々考えることができるが、妙高市真宗・諏訪社が多い平野部と、真宗神明社が多い妙高山麓部に分けられそうである。