東京湾のクロマツの冬芽

 マツと海岸は風景の絶妙の組み合わせの一つで、「松原」の名所はあちこちにあります。その松林の代表がクロマツで、マツ科マツ属の常緑高木です。クロマツの名は樹皮が黒っぽいことから命名されました。また、葉が太く長いので「雄松」とも呼ばれます。画像はクロマツの冬芽で、灰褐色の鱗片で覆われています。クロマツの花期は4、5月頃で、長いシュートの頂部に数個の雌花、短いシュートの下部に多数の雄花がつきます。雌花は結実すると松ぼっくりになります。樹皮が赤っぽいアカマツクロマツよりも葉が細く短く「雌松」と呼ばれます。また、クロマツより松ぼっくりが小さめです。

 海岸に多く、潮風に強いため、防砂林として使われてきました。マツ枯れ病での死滅が多く、あちこちで問題となっています。今の東京湾クロマツは残念ながら砂浜にはありません。そもそも砂浜がないからです。でも、運河の周りの公園や緑道で見ることができます(画像)。

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歌川広重駿河三保の松原」六十余州名所図会