パンジー、ビオラ、三色すみれ

 パンジービオラは今の季節、日本中で見ることができる。月並み過ぎて、食傷気味であるが、確かに鮮やかな色と多様な形は人目を惹きつける。

 パンジービオラの違いは単に大きさの違いで、パンジーは花の大きさが5㎝以上、ビオラは3㎝以下。その上、中輪パンジーと呼ばれるパンジービオラの中間くらいの品種もあるとなると、区別は無理となる。三色は「さんしき」か「さんしょく」のいずれかと問われると、これまた両読み併記で、いずれも可となり、何ともスッキリしない。とはいえ、パンジーはスミレ科で、寒さに強く、簡単に栽培でき、正月には花が咲く。開花時期は長く、10月から 翌年の 7月頃まで。ヨーロッパまたはアジア西部原産で、日本へは江戸時代に渡来。

 「パンジー」はフランス語の「パンセ(考える)」という意味で、つぼみが下を向く形が、人が頭を垂れ物思う姿に似ているところから命名。そのパンジーで私が思い出すのは余りに月並みだが、パスカルの『パンセ』(Pensées)。さらに、『野生の思考』(La Pensée sauvage)も思い浮かぶ。著者は1962年人類学者クロード・レヴィ・ストロース。表紙には「思考(pensée)」と「パンジー(pensée)」の語呂合わせから、野生種のパンジーが描かれていた。

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