さらに、人、昆虫、鳥の眼を比べると…

 人は3原色「赤、緑、青」を見分けることができ、その識別能力はとても高いのですが、鳥類は4原色「赤、緑、青、紫外線」を見分けることができ、人を遥かに凌ぎます。紫外線まで見えると、ものの形や違いをはっきりと知ることができます。もっぱら昼間活動している私たちには紫外線が見えない、つまり、透明なのです。

 ミツバチの場合、人に比べて赤、緑、青の感度のピークが離れています。人は赤と緑が近づいていて、重なり、一方だけが興奮するということがありません。一方、ミツバチは3種類のセンサーが独立しているので、識別できる色が増えるのです。ミツバチは、人よりもっと色彩あふれる世界に住んでいるのですが、人もミツバチも3次元の色空間を持っている点では同じ。でも、鳥は4次元の色空間をもち、紫外線色をもっています。人はその色が見えないので、パレットの中でほかの色と混ぜても、色が変わったようには見えないのですが、鳥にはその混色が見えるのです。

*画像は「深川洲崎十万坪」、歌川広重、名所江戸百景

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