マツヨイグサの仲間たち

 月見草、宵待草と呼ばれて文学と縁の深かったのがマツヨイグサ属の花々で、9月下旬になってもあちこちで咲いている。それらはマツヨイグサコマツヨイグサ、メマツヨイグサ(アレチマツヨイグサ)、オオマツヨイグサヒルザキツキミソウユウゲショウなどである。富士に似合う月見草(太宰治富嶽百景』)ではない植物学的なツキミソウはすっかり姿を消した。戦後の環境変化によって絶滅したらしい。ツキミソウはメキシコ原産で江戸時代に渡来した。花期は6 - 9月で、花は夕方に咲き始め、白色である。私が今見ることができるのはヒルザキツキミソウユウゲショウだけである。ヒルザキツキミソウは北米原産の帰化植物で、今ではすっかり野生化して、昼間に咲いている。マツヨイグサ属は、北米から南米が原産の植物。多くは草原や荒れ地に生育し、一日花を咲かせる一・二年草か多年草

 夜に咲き、月の中で花を見る環境はすっかり変わり、花と月を愛でる習慣も変わってきた。マツヨイグサ属の花たちはその変化の中で生き続けている。

f:id:huukyou:20200926051744j:plain

マツヨイグサ

f:id:huukyou:20200926051809j:plain

マツヨイグサ

f:id:huukyou:20200926051834j:plain

コマツヨイグサ

f:id:huukyou:20200926051906j:plain

ヒルザキツキミソウ

f:id:huukyou:20200926051938j:plain

アカバナユウゲショウ