日常世界の不思議

 「予兆、吉兆、凶兆、正夢、逆夢」といった一連の言葉は未来や未知のものへの不安、期待を表していて、今でも立派に現役の語彙として使われています。「流れ星」、「笹の花」などはその具体的な指示対象であり、凶兆のシンボルとなってきました。これら言葉は習慣や言い伝えとして使われ、日常世界で常識として認められてきた知恵ですが、科学的な知識に基づく予測とは一線を画しています。そのため、星占いと天体の運行計算は似て非なるものです。にもかかわらず、それらが混在し、時には互いに協働して使われています。そして、それこそが私たちの日常世界の不思議な特徴なのです。

 真偽だけでなく、善悪や美醜まで共存しているのが私たちの日常世界なのです。

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ネジバナとハチ