悪い植物と善い植物

 ジギタリスゴマノハグサ科に属し、Digitalis(ジギタリス)はラテン語の「digitus(手袋の指)」が語源。和名の「狐の手袋」は、英名「Fox glove」の直訳。今満開の美しい花姿から広く愛されているが、実は全草にジギトキシンなどの強心作用のある毒性物質を含む危険な有毒植物。最悪の場合は心臓機能が停止して死に至るという恐ろしい猛毒をもつ。地中海沿岸を中心に中央アジアから北アフリカ、ヨーロッパに20種あまりが分布する。ヨーロッパでは不吉な植物としてのイメージがある。いけにえの儀式が行われる夏に花を咲かせることから、「魔女の指抜き」、「血の付いた男の指」などと呼ばれていた地域もある。

 スイカズラ(吸い葛)はスイカズラスイカズラ属の常緑つる性木本。別名はニンドウ(忍冬)やキンギンカ(金銀花)。名前の由来は、花に甘い蜜があり「蜜を吸うつる植物」だからスイカズラ(吸葛)だと言われている。実際に口に含むとさらっとした甘さの蜜を少しだけ味わうことができる。スイカズラの花はバラやクレマチスのような華やかさはないが、その香りは素晴らしい。ソメイヨシノの桜が終わった頃、どこからともなく甘く爽やかな香りが漂ってきたら、それがスイカズラ。花の色は、白から黄に変化していく。このことから中国では「金銀花」と呼ばれる。薬効もあり、解熱、神経痛、リウマチ、口内炎に使われてきた。

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