ナワシロイチゴの開かない花

 カジイチゴの葉にはカエデのような切れ込みがある。同じカエデ型の切れ込みのある葉をもつのがモミジイチゴだが、カジイチゴはモミジイチゴとは異なり、花は上を向いて咲き、画像のように花弁に縮れが目立つ。そんなことを3月に書いたが、和名は葉がカジノキに似ていることからつけられた。そのカジイチゴが既に実をつけている。その近くの足元に小さな花を見つけ、よく見ればナワシロイチゴの花ではないか。二つのイチゴの季節のズレを感じながら、子供の頃の草むらのイチゴが蘇ってくる。

 バラ科イチゴ属のナワシロイチゴは日本中に分布し、今頃花が咲き、その後1か月ほど後に甘酸っぱい実をつける。花は赤紫だが、花弁が開かないため、カジイチゴと違って目立たない。ナワシロイチゴは、苗代の頃に赤い実が熟すのが名前の由来と言われているが、今はすっかりズレてしまった。花弁が開かないという不十分な(?)花ということを子供の頃は全く知らず、そのためナワシロイチゴの花に気づいたのはこの年にして初めてである。

昨日のキキョウソウには閉鎖花があったが、ナワシロイチゴの花は閉鎖花なのか、というのが目下の疑問。キキョウソウにもスミレにも開放花があるが、ナワシロイチゴには画像の花だけ。

f:id:huukyou:20200514045725j:plain

f:id:huukyou:20200514045744j:plain

f:id:huukyou:20200514045808j:plain

f:id:huukyou:20200514045831j:plain