エニシダ二種

 エニシダは原産地が地中海沿岸の低木。開花期は春で、今咲いている。明治期に導入され、湘南地方など海岸沿いの温暖な砂地の庭木や公園用樹として植えられてきた。エニシダの種は成熟すると殻が激しく爆発することで遠くへ飛んでいくことで知られている。時には15mほども飛ぶ。全草にアルカロイドを含み、有毒。

 エニシダは黄色い花を咲かせ、葉は3つの小葉からなるが、花の咲く枝では頂小葉のみになるので、単葉に見える。落葉低木といっても少し趣は異なる。春には新しい葉がでるものの、初夏には葉が少なくなり、種子が稔る9月頃には点々と葉が残る程度になってしまう。
 ホオベニ(頬紅)エニシダの花は赤い顔の人形に黄色い帽子をかぶせたような形。エニシダの変種でヨーロッパ南西部が原産地。花全体に赤味のある種類もあり、細い枝葉にびっしりと沢山の黄色い花を咲かせるとても可愛らしい植物である。

 エニシダは英名では「Broom (ほうき)」とも呼ばれるが、魔女がまたがって空を飛ぶほうきはこのエニシダで作られており、実際に昔はエニシダの枝を束ね、ほうきとして使っていた。

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