キュウリグサ(胡瓜草)

 地面に近づかないと見えないほどの花をようやく見つけ、子供に戻ったような気分で観察すれば、春の陽気の中でいっぱしの博物学者になって悦に入る。キュウリグサは春に青色の小さい5弁花をつける。日本中の道ばたや庭などに多く、茎の先にサソリ形花序をだし、直径約2mmほどの淡青紫色の花を次々に開く。アジアの温帯に広く分布し、日本にはムギ類と一緒に入ってきた史前帰化植物らしい。葉を揉むと、キュウリのような匂いがするため、キュウリグサとなった。

 キュウリグサとよく似た花にワスレナグサ(勿忘草)がある。ワスレナグサキュウリグサと同じムラサキ科の植物で、花の咲き方や形がキュウリグサによく似ている。だが、キュウリグサの花の大きさが約2mmほどなのに対し、ワスレナグサの花の大きさは約8mm。キュウリグサの花の色は薄い青色や紫色の寒色系だけだが、ワスレナグサはその他に白やピンク色の花を咲かせる。こうなると、以前記載したオオイヌノフグリとフラサバソウの違いに似たものをワスレナグサキュウリグサにも感じるのである(最後の画像にはオオイヌノフグリが写り込んでいる)。

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