オオオナモミ(大葈耳)

 「大きなオナモミ」という意味のオオオナモミはキク科オナモミ属の一年草。同属のなかで最も大きく育つ。北アメリカ原産。1929年に岡山県ではじめて見つかり、現在では各地に広く帰化している。茎は褐紫色を帯びるものが多く、高さ2mにもなる。

 農耕文化渡来とともに帰化したオナモミが広く生育していたが、その後オオオナモミが優勢となり、現在ではオナモミは姿を消しつつある。湖岸や放棄畑など、栄養豊富な場所に生育し、9月頃から目立たない花をつける。オオオナモミの果実には先端が曲がった鉤状の棘があり、最初は緑、熟すると灰褐色となり、棘も堅くなる。この棘は防御のためというよりは、動物の毛に絡みついて運んでもらうためのもの(「ひっつき虫」)。実際、その藪を通れば、どんな服にも絡みついてくる。皮膚に当たってもかなり痛い。

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