ハナカイドウは「カイドウ」とも呼ばれて、日本中で栽培されている。リンゴと同属の落葉果樹で、原産地の中国でも古くから栽培され、その花の美しさは、中国の唐の玄宗皇帝が酔って眠る楊貴妃を花海棠に喩えたように、昔から美人の代名詞として使われてきた。中国では牡丹と並んで愛される。4月から5月の庭に新緑が目立ち始めるころに枝を埋めるようにして咲くピンク(淡紅色)の花が目に鮮やか。桜に引き続いて咲き始める。
ハナズオウ(花蘇芳)も中国原産の落葉低木で、江戸時代初期に渡来。美しい花を咲かせよく栽培される。葉はハート形でつやがあり、葉柄の両端は少し膨らむ。今頃葉に先立って開花する。花には花柄がなく、枝から直接に花がついている。花はは紅色から赤紫(白花品種もある)で長さ1cmほどの蝶形花。花蘇芳の名は、花弁の色がスオウ(蘇芳)で染めた色に似ていることからつけられた。
ハナカイドウもハナズオウもサクラの花とほぼ同じ頃に見頃を迎える。いずれも小振りの木のためか公園や歩道脇でよく見かけるようになった。