シデコブシ(幣辛夷、四手拳)は、モクレン科モクレン属の落葉小高木。別名はヒメコブシ。コブシやモクレンの仲間で、愛知、岐阜及び三重の限られた地方に分布する日本の固有種。かつては伊勢湾を中心とした里山や丘陵地の湿地に見られたが、開発が進み、野生種の絶滅が危惧されるほどになっている。
庭木としてだけでなく、盆栽にも使われる。コブシと同じ頃に微かに香る花を咲かせる。花びらが注連縄などに使われるシデ(四手、紙垂)に似ていることからシデコブシと名付けられた。コブシよりも花びらが細長く、数が多い。そのため、英名「スターマグノリア」は「星形の花のモクレン」であるから、その方が叙述的でわかりやすい。
画像のシデコブシは晴海のトリトンスクエアーの庭に咲いているもので、それにしても見事な満開の花姿である。