梅と梅干

 ウメの原産地は中国。奈良時代に遣隋使か遣唐使が中国から持ち帰ったらしい。『万葉集』の頃は白梅、平安時代になると紅梅がもてはやされた。『万葉集』では梅について百首以上が詠まれていて、植物の中では「萩」に次いで多い。そのためか、梅から連想されるのは菅原道真尾形光琳歌川広重といった名前である。そして、広重の「亀戸梅屋鋪」から連想されるのがフィンセント・ファン・ゴッホの「日本趣味 : 梅の花」。
 私の子供の頃の記憶の中ではウメの幹は随分とゴツゴツしていて、梅の花より実の方にずっと関心があった。梅の実は梅干しになるからだった。梅干しの伝統は江戸時代に各藩が非常食として梅干を作ることを奨励したためで、弁当には必ず梅干しが入っていた。

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