オオイヌノフグリ(大犬の陰嚢)

 オオイヌノフグリは、オオバコ科クワガタソウ属の越年草。路傍や畑の畦道などに普通に見られる雑草で、公園などにも繁茂している。和名はイヌノフグリに似て、それより大きいために付けられた。フグリとは陰嚢のことで、イヌノフグリの実の形が雄犬の陰嚢に似ていることからそう呼ばれることになった。オオイヌノフグリの実はハート型で、フグリに似てはいない。同じ属にイヌノフグリがなければ、この花のイメージからはもっと可憐な名前がついたに違いない。オオイヌノフグリは、ヨーロッパ原産の帰化植物で、1890年頃に東京に帰化したことがわかっている。私の子供時代の記憶では田畑の畦道などによく見られ、早春からコバルト色の花を咲かせていた。春の訪れを感じさせる植物の一つである。それが既に湾岸地域の野原でも咲き出した。
 オオイヌノフグリは、秋の日だまりの中芽生える。びっしりと小さなオオイヌノフグリが芽生え、やがて花の時よりも大きいほどの葉を出し、高さ数cmほどに生長するが、真冬になると大きくなるのをやめて花芽をつけはじめる。昼間の日だまりは結構暖かいが、夜の冷え込みは厳しいが、オオイヌノフグリは温度差の激しい環境を堪え忍ぶ。

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