カネノナルキ

 カネノナルキ(金のなる木)と聞いて、随分と現実的で、直接的な名前だと思ったのを憶えている。かつてはあちこちで見掛けたのだが、最近はすっかり見なくなった。ベンケイソウ科クラッスラ属の多肉植物。園芸名でカゲツ(花月)、和名でフチベニベンケイ(縁紅弁慶)だが、余り使われない。英語では葉が硬貨に似ているためdollar plantと呼ばれる。一方、日本では栽培業者が新芽が数ミリ出たときに、5円玉や50円玉の穴をその芽の上に当てて固定すると、新芽はその穴を通して成長し、まるで木にお金が生っているように見えるので、「金のなる木」と呼ばれるようになった。
 金のなる木は、乾燥や低温などの厳しい環境に適応し、世界中に分布する。小さな株によく花をつける花の咲きやすい系統と、大株にならないと咲きにくい系統があり、葉は緑一色のものから、白やピンク、紅色の斑入り品種、葉が巻いたり細くなったりする品種がある。花は正月前後に咲き、ちょうど今が見頃である。

f:id:huukyou:20190106050840j:plain

f:id:huukyou:20190106050902j:plain