アンゲロニア
 アンゲロニアは初夏から秋まで次々と花を咲かせ、長く楽しめる。中央アメリカから南アメリカの熱帯から亜熱帯に約30種が分布し、その多くが原産地では多年草だが、日本では戸外で冬越しが難しいので、一年草として扱われる。日本の高温多湿な気候にもへっちゃらで、暑さと強い日ざしによく耐えるだけでなく、半日陰でも育つ。
 「アンゲロニア」という名前はギリシャ語の「Angelos(アンゲロス)」が由来。アンゲロニアの花は天使のように見えるところから、品種の名前も「エンジェルラベンダー」や「エンジェルフェイス」など。だが、花をよく見ると、がい骨が口をあけたような姿に見える。

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 ところで、『新約聖書』に登場する天使は、マリアに受胎告示した「ガブリエル」と黙示録で悪と戦う「ミカエル」しかいないが、「創世記」にはアブラハムが神の言葉のままに我が子イサクを生け贄として捧げようとしたときに現れる「天の使い」として既に登場している。その「御使い」が「アンゲロス」である。蛇足ながら、仏教の天使は「天部」や「童子」と呼ばれていて、菩薩や明王に使える従者。