ヒマワリ

 一面の田圃、一面の麦畑、一面のトウモロコシ畑は雄大に見えるのだが、不自然な風景でもある。人が自然を自分の都合で変えてしまったもので、眼に入る限りのトウモロコシ畑は生物多様性に真っ向から反対する事例である。ワインをつくるためのブドウ畑も同様だが、ヒマワリ畑もその例で、映画「ひまわり(I Girasoli )」では一面に広がる見事なヒマワリ畑が映し出されている。
 斜面につくられた棚田を見てどう思うか。とても不自然で、自然を搾取しているなどと思う日本人はまずいないが、その日本人が一面のヒマワリ畑を見た印象はどうだろうか。自然の乱用と思う人が結構いる筈である。何とも人はちぐはぐな対応をするものだが、そんな自分勝手な自然利用を背景に、ロシアのヒマワリ畑で夫を尋ねるイタリアの妻がソフィア・ローレンの役である。
 「ひまわり」は、彼女がマルチェロ・マストロヤンニと共演した、1970年公開のイタリア、フランス、ソ連の合作映画。監督はヴィットリオ・デ・シーカ、音楽はヘンリー・マンシーニ。戦争によって引き裂かれた夫婦を悲哀たっぷりに描き、日本でもファンが多い。
 この暑い中でヒマワリは元気に咲いている。日本ではヒマワリは観賞用がほとんどだが、世界的には食用や油糧として栽培されることが多く、ロシアでは世界全体の4分の1のヒマワリ油が生産されていて、ヒマワリは国花になっている。
 私たちに馴染み深い大型のヒマワリの銘柄は「ロシアひまわり」。一方、最近目につくのが「サンフィニティ」で、一株で3か月に渡り100輪花をつける。

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ロシアひまわり

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サンフィニティ

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