鬼灯と柘榴

 ホオズキ(鬼灯、鬼燈、酸漿)は多年草で、淡い黄色の花を6、7月頃咲かせる。この開花時期にあわせて日本各地で「ほおずき市」が開かれる。学生の頃、通学路だった浅草寺ほおずき市は何度も見た。実は熟すとオレンジ色になる。「ほおずき」は観賞用のものと、食用にされるものの二つに分かれる。生薬に用いられるのは、観賞用のほおずき。東アジア原産の多年草で、平安時代の頃から薬用に利用され、江戸時代には薬用だけでなく子供の玩具として愛用された。一方、食用ほおずきは中南米が原産。メキシコでは、原産のトマトよりもずっと歴史が古い食べ物らしい。私が知るほおずきは観賞用の方で、中の実は捨て、風船代わりに遊んだ微かな記憶がある。

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 子供の頃近くの家に柘榴の樹があり、その実を食べたことが柘榴の樹を見る度に条件反射の如く頭を過る。特別にうまいという訳ではないが、口の中で弾けるような食感が堪らない。そして、爽やかな甘味と酸味がある。ザクロは果皮が赤く先端がとがり、熟すと裂ける。今では店頭で売られていて、多くはカリフォルニア産である。西南アジア原産で、日本へは10~11世紀頃渡来。原産地近くの「ザグロブ山」が名前の由来という説があるが、よくわからない。

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