ヒルガオ科

 生活世界の「朝、昼、夕、夜」という区別が植物の分類に使われ、命名されたのが、「朝顔」、「昼顔」、「夕顔」、「夜顔」です。成程と思わせるような見事な命名ですが、悲しいことにその分け方は科学的とは言えません。そこには常識と知識の微妙なずれがあります。
 ユウガオとヨルガオは、夕方から翌朝まで夜の間に花を咲かせるため、それぞれの名前がつきました。どちらも暗闇の中で白く大ぶりの花を咲かせます。四つの花は、いずれも夏に咲きます。そして、咲く時間帯によってそれぞれ命名されました。ここまで似ていると同じ種類の花かと思うのですが、ユウガオだけ種類が違うのです。ユウガオは「ウリ科」、他の三つは「ヒルガオ科」です。
 ヒルガオ科もウリ科も蔓を持ちますが、ろうと状のつながった花びらを持つのがヒルガオ科の花で、ウリ科の花びらは分かれています。ユウガオの実は加工して食べられる品種があり、「かんぴょう」がそれです。
 「グンバイヒルガオ(軍配昼顔)」は熱帯から亜熱帯に生育する海浜植物で、ヒルガオ科サツマイモ属。淡い紫色の花が一斉に開花すると何十、何百の花を咲かせます。千葉県の砂浜にはハマヒルガオの群生を観賞できる場所がたくさんあります。ヒルガオと花はほぼ同じですが、違いは葉っぱで、細長いヒルガオの葉に対し、ハマヒルガオは丸い葉をもっています。また、ヒルガオにはやや小型の近縁種コヒルガオがあります。
 画像はアサガオヒルガオ、そして豊洲新市場の周りにある「豊洲ぐるり公園」のヒルガオの群生です。細長い葉が縦横に延び、芝生に紛れ込んで、見事に花を咲かせています。

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アサガオ

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ヒルガオ

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