ネムノキ

 公園の端でふと見上げると大きなネムノキに花が咲いている。アラビアから中国、日本では北海道以外で自生する。陽樹で、荒れ地に最初に侵入する。河原や雑木林に生え、芽吹くのは遅いが、成長は他の木に比べとても速い。ネムノキは飛び抜けて耐寒性が強く高緯度まで分布する。
 和名のネム、ネブは、夜になると葉が閉じること(就眠運動)に由来する。漢字名の「合歓木」は、中国においてネムノキが夫婦円満の象徴とされていることからつけられた。一方、ネムノキ亜科のオジギソウは刺激されると葉が閉じる。茎の特定部位が刺激され、カリウムイオンを含む化学物質が放出され、カリウムイオンは液胞から水を排出させ、水は細胞外に拡散され、これによって細胞の圧が失われ葉が閉じる。
 子供の頃、暫くの間ネムノキもオジギソウのように刺激すると葉が閉じると思い込んでいた。そして、その思い込みを妙にはっきり憶えているのである。

f:id:huukyou:20180607045627j:plain

f:id:huukyou:20180607045646j:plain