エゴノキ

 今年の春は一目散に過ぎていったが、それでもエゴノキの白い花を随分と楽しんだ。曇った空のもとでも白が栄える。エゴノキは日本全土に分布する落葉樹で、5月から6月にかけて小枝の先に短い総状花序を出し、釣り鐘状の白い花を下向きにつける。古くから親しまれてきた万葉植物の一つで、和名の由来は、果皮が有毒でえぐみがあるかららしい。今はそのエゴノキが樹木一杯に果実をつけている。
 実の皮にはエゴサポニンという有毒物質が含まれている。エゴサポニンは、水に溶けると石鹸のように泡立つ性質があり、古くは実を石鹸代わりに利用していた。だが、エゴサポニンが体内に入ると赤血球が破壊され、胃粘膜の炎症などを引き起こす恐れがあるという。たわわに実る果実を気楽につまむ訳にはいかないようである。

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