2023-03-01から1ヶ月間の記事一覧

シデコブシの花たち

既にコブシやハクモクレンは記した。シデコブシ(幣辛夷、四手拳)もモクレン科モクレン属の落葉小高木。別名はヒメコブシ。コブシやモクレンの仲間で、愛知、岐阜、三重の限られた地方に分布する日本の固有種。野生種のシデコブシは絶滅が危惧されるほどに…

ヒュウガミズキとトサミズキ、そして、その他のミズキ

マンサク科トサミズキ属のトサミズキ、ヒュウガミズキ、コウヤミズキ、ショウコウミズキはどれもよく似ています。これらの中で私が知っているのは湾岸地域にポピュラーなトサミズキとヒュウガミズキだけです。 ヒュウガミズキは3個の花が集まって一つの花の…

終盤のツバキの花

ソメイヨシノが咲き出し、ツバキの花が終わりに近づいているのが今の時期で、春の花があちこちに見られるようになってきました。今年のツバキはまだ花をつけていますが、それにしても湾岸地域にはカンツバキやヤブツバキが多く植えられています。サザンカも…

レッドロビンの赤い新芽

「赤いコマドリ」という意味のレッドロビンは、日本原産のカナメモチとオオカナメモチの交雑種で、アメリカで作られた園芸品種です。樹高は2~10mになり、春には小さな白い花を咲かせます。若芽の見事な赤色と枝の伸びが良いことから、レッドロビンは湾岸地…

アオキの目立たない花

アオキ(青木)はアオキ科アオキ属の常緑低木で、既に何度か紹介してきました。真っ赤な実と白い雪のコントラストは野外の冬景色に見事なアクセントを与えてくれます。「アオキ」という和名は常緑で枝も青いためですが、赤い実を反映していません。私が考え…

マルバ スボバータの花

画像の花がアオイの仲間であることは何となくわかり、そこで詳しく調べてみると、アオイ科のMalva subovataと推測できます。Malvaはゼニアオイ属を指していて、例えば、ウスベニアオイの学名はMalva sylvestrisです。ゼニアオイ属はマロウと呼ばれていて、「…

アメリカフウロの花

アメリカフウロ(亜米利加風露)はフウロソウ科フウロソウ属の野草。アメリカフウロの葉はヨモギにそっくりで、花はゲンノショウコ(現の証拠)に似ています。でも、花の開花時期はアメリカフウロが春から夏、ゲンノショウコは夏から秋で区別できます。 アメ…

ヨウコウ (陽光)ザクラ

今年は東京のソメイヨシノの開花が早かった。ヨウコウは日本原産の交雑種で、高岡正明がアマギヨシノ(天城吉野)とカンヒザクラ(寒緋桜)を交雑させて作り出した栽培品種で、品種登録は1981年です。ヨウコウはソメイヨシノよりも少し早く咲き、既に満開で…

ネモフィラの花

ムラサキ科ネモフィラ属のブルーインシグニスが一面に咲く光景で有名になったのが国営ひたち海浜公園ですが、普通はネモフィラと呼ばれています。ネモフィラは4月中旬に見頃になり、花径2cmほどのサイズで、みはらしの丘一面が青く染まり、インスタ映えする…

春の黄色の花(3)

春に先ず花が咲き、次に葉が出てくる木はたくさんあるのだが、トサミズキとヒュウガミズキ(日向水木)もそうで、どちらもよく似た黄色の花をつける。どちらも「ミズキ」とついているが、ミズキ科の樹木ではなく、マンサク科の樹木である。ヒュウガミズキの…

コブシの花

昨日ハクモクレンについて述べましたが、そのハクモクレンに似たコブシ(辛夷、拳)の花もやはり満開です。コブシはモクレン科モクレン属の落葉広葉樹で、北海道から九州まで広く自生しています。早春にレモンのような香りのある白い花を咲かせ、春の訪れを…

春の黄色の花(2)

レンギョウ(連翹)は湾岸地域の公園や道筋のあちこちに植えられていて、それが黄色い花をつけ出しています。レンギョウはモクセイ科レンギョウ属の総称で、古名は「鼬草」(いたちぐさ)。レンギョウは中国が原産で、江戸時代に渡来。主に観賞用として栽培…

春の黄色の花(1)

サンシュユ(山茱萸)はミズキ科の落葉小高木で、その花が満開である。サンシュユの漢字表記は山のグミを意味する「山茱萸」。ハルコガネバナ、アキサンゴ、ヤマグミとも呼ばれ、中国と朝鮮半島が原産地。享保年間に薬用樹として日本へ渡来。ウメやマンサク…

ニオイアラセイトウの花

ニオイアラセイトウ(匂紫羅欄花)はアブラナ科の半耐寒性一・二年草です。ニオイアラセイトウはアラセイトウ、つまりストック(Stock)と似ていて、芳香があります。春、茎頂から総状花序を伸ばし、アブラナに似た小さな4弁花をたくさんつけます。花の色は…

ツバキの花たち

サザンカやツバキの花にそろそろ飽き出すのが今の時期で、多くの人の関心は桜の花に移りつつあります。今年のツバキはまだ花をつけていますが、それにしても湾岸地域にはカンツバキやヤブツバキが多く植えられています。サザンカも多く、常緑で、冬に花をつ…

ボケの花たち

新潟市秋葉区小須戸地区では毎年3月に『日本ボケ展』が開催されています。小須戸地区は日本一のボケの産地で、日本ボケ協会の事務局も小須戸にあり、すぐ近くには「日本ボケ公園」もあります。 ボケはバラ科の落葉低木、その原産地は東アジア。まだ寒い冬の…

ユキヤナギの花が咲く

雪のような花をつけているのがユキヤナギ(雪柳)ですが、今年はその花が少ないと記しました。中国名は「噴雪花」、名前の通り満開時は株全体が雪をかぶったように花でいっぱいになるのですが、今年は花が僅かしかついていません。ユキヤナギは枝垂れた長い…

春のツタバウンラン

今年もまたいつもの場所にツタバウンラン(蔦葉海蘭)の花が咲いている。ツタバウンランはつる性の多年草で、地中海原産。観賞用に大正年間に入り、ロックガーデン等に植えられましたが、それが野生化したのです。オオバコ科のツタバウンランの「ウンラン」…

キブシ(木五倍子)の花

漢字を見ても解せず、好奇心をかき立てたのがキブシ。キブシはキブシ科キブシ属に属する落葉低木で、別名キフジ、と言われても何とも合点がいかない。和名はキブシの果実に含まれるタンニンが黒色染料の五倍子(ぶし)の代用になるところから命名(普通に読…

ハコベの花の切れ込み

春の七草のハコベはユーラシア原産で、世界中に広まった史前帰化植物です。ハコベは食用や薬用になり、柔らかい草質からニワトリや小鳥のえさとしてよく知られています。白色で切れ込みのある5枚の花弁を星型に付ける小さな花(画像)から、属名の「Stellari…

アセビの花

アセビ(馬酔木、梫木)はツツジ科アセビ属の常緑低木で、ツツジの仲間。2~4月にドウダンツツジに似た壺型の花が枝先から垂れ下がるように咲きます(画像)。日本に自生し、湾岸地域でも公園や庭に植えられています。別名はあしび、あせぼ。自生するアセビ…

オオアラセイトウの花

中国原産のオオアラセイトウ(大紫羅欄花)はアブラナ科の越年草で、牧野富太郎が命名者。別名はショカツサイ(諸葛菜)、ムラサキハナナ(紫花菜)。別名のショカツサイは、優れた軍師だった諸葛亮が先々の戦場で軍隊の食糧補給のために利用したことに由来…

ハーデンベルギア (小町藤)の花

フェンスに蔓を絡ませて小花をたくさん咲かせている姿に少々驚きました。調べてみると、マメ科ハーデンベルギア属の半耐寒性常緑のハーデンベルギア(Hardenbergia)で、ほふく性(蔓性)の低木でした。別名がコマチフジ(小町藤)、ヒトツバマメ (一葉豆)、…

スイセンの花:七変化

湾岸地域ではニホンスイセン(日本水仙)とキブサスイセン(黄房水仙)が多く、それにヤエザキスイセン(八重咲き水仙)、シロバナスイセン(白花水仙)が続きます。 ニホンスイセンの色が変わることによってキブサスイセン、シロバナスイセンができ、一重のニ…

薹(とう)が立ったフキノトウ

フキノトウは「蕗の薹」と書くが、薹(とう)はアブラナ科などの花をつける茎(花茎)のことで、若い盛りを過ぎ、薹が伸びると硬くなることを「薹が立つ」と言ってきた。フキノトウを食べるのは薹が立つ前である。フキは冬になると地上部分は枯れ、早春に地…

ウグイスカグラの花

スイカズラ科のウグイスカグラ(鶯神楽)の別名はウグイスノキ(鶯の木)。ウグイスがこの木の茂みに入り込んで隠れることや、この木の枝を渡り歩く姿を「神楽舞う」としたこと、あるいはこの木がウグイスを狩る場(かつては狩場を狩座(かぐら)と呼んだ)に…

「君死にたまふことなかれ」

1904(明治37)年、日露戦争での旅順攻撃をニュースで知った与謝野晶子が戦場の弟の生命を気づかって『明星』の9月号に発表したのが「君死にたまふことなかれ 旅順口包圍軍の中に在る弟を歎きて」でした。ロシアのウクライナ侵攻が続く中、晶子の詩への当時…

春の香り

芳香の三花となれば、春のジンチョウゲ(沈丁花)、夏のクチナシ(梔子)、秋のキンモクセイ(金木犀)。そのジンチョウゲがあちこちで咲き、香りが漂っています。ジンチョウゲの花は筒状をした萼の先端が4裂したもので、萼の色(つまり、花色)は内側が白く…

ミツマタの花たち

ミツマタ(三椏)はジンチョウゲ科のミツマタ属の落葉性の低木。中国中南部、ヒマラヤ地方が原産地で、三つ叉(また)に分かれた枝の先に花を咲かせます。ミツマタはマンサクやサクラのように新葉が芽吹く前に、枝先にまず花が開花します。うつむくように下…

紅唐子の雄しべ

Facebookの友人橋爪さんの「ボクハン」を読み、私の散策路の途中にこのツバキがあることを思い出しました。そして、画像の花を見ながら、ツバキの花についての素人の意見を聞いてほしくなりました。 ツバキは花びらだけでなく、雄しべも付け根がくっついてい…