2023-03-01から1ヶ月間の記事一覧

何とも人間的な二つの花桃

桃は実も花も味わうのが欲張りな人の常で、紅白の八重咲で人目を奪う「源平枝垂」はその代表格の一つ。紅白の花と枝垂れ性(枝が垂れ下がること)のあることから、この名前がつけられました。太い幹や枝に突然変異が生じると、枝ごと、幹ごとに赤と白の咲き…

キクモモの花

ウメ、モモ、サクラが咲いて、春を感じる中で、バラ科サクラ属の落葉小高木キクモモ(菊桃)も満開である。キクモモはハナモモの一品種で、名前は花弁が細長くキクに似ていることに由来(「キクイモ」に似ている)。別名はゲンジグルマ(源氏車)。濃い紅色…

原種系チューリップのクルシアナ

チューリップはスイセンと違って、毎年新しく球根を植えないと良い花が咲きませんが、「原種系チューリップ」は放りっぱなしでも花が咲きます。クルシアナはアフガニスタンからイラン、イラク、パキスタンそれにヒマラヤ西部が原産です。広く観賞用植物とし…

何とも人間的なチューリップ

今年もまたこれまで見たことのないチューリップの花が登場していて、私の好奇心をそれなりに満たしてくれるのだが、新しいチューリップの出現は自然現象というより社会現象である。画像の三つの園芸種を見れば、それらがnatural kindではなく、artifactであ…

満開のアカバナトキワマンサク

トキワマンサク(常盤満作)は日本、中国、インドに分布。日本の自生は少なく、静岡県湖西市、伊勢神宮、熊本県荒尾市が知られているだけですが、刈り込みに強く、庭木や生垣として広く栽培されています。そのため、湾岸地域でもあちこちで見ることができま…

アリウム・トリケトラム(Allium triquetrum)の花

アリウム・トリケトラムは地中海沿岸地方に分布するヒガンバナ科ネギ属の多年草で、和名はミツカドネギ(三角葱)。その名前の通り、ネギやニラの仲間で、釣り鐘形の小さな白い花を咲かせる多年草です。花茎の断面が三角形であることからその名がつきました…

プルモナリアの花

プルモナリアはムラサキ科プルモナリア属の多年草で、原産地はヨーロッパからアジアです。14種類ほどの原種があり、現在は多くの園芸品種がつくられています。開花時期は3~5月で、葉の付け根に集散花序をつけ、1~3㎝程度の小さな花を咲かせます。属名は白…

フリージア(Freesia refracta)の花

アヤメ科フリージア属のフリージアの原産地は地中海沿岸。チューリップやサフランなどと同じ球根植物で、秋に球根を植えると春から夏にかけて色鮮やかな花を咲かせます。その特徴は多様な花色と甘い香りを放つことです。寒さにやや弱く春くらいの気温が最も…

エンドウの花

エンドウは世界中で栽培され、重要な食用になっています。英語ではグリーンピース。エンドウ(豌豆、Pisum sativum)はマメ科エンドウ属の一・二年草です。エンドウマメとも呼ばれ、別名はノラマメ、サヤエンドウ、ヨサクマメ(年に四作もとれるから「四作豆…

二つのサギゴケ

ムラサキサギゴケ(紫鷺苔)は、ハエドクソウ科の多年草。別名がサギゴケ(鷺苔)。花が紫色で、形がサギ(鷺)に似ていることから、命名されました。 シロバナサギゴケはムラサキサギゴケの白花品種です。花色が紫ではないので、白いサギゴケという訳です。…

ハマダイコンの花

既に中国原産のオオアラセイトウ(大紫羅欄花)について記しました。オオアラセイトウはアブラナ科の越年草で、別名はショカツサイ(諸葛菜)、ムラサキハナナ(紫花菜)、そしてハナダイコンです。 さて、その「ハナダイコン」と一字違いの「ハマダイコン」…

ヨシノツツジ(吉野躑躅)の花

「ヒカゲツツジの花色」でヒカゲツツジはシャクナゲだと述べました。ヨシノツツジもこれに似ています。ツツジ科ツツジ属の園芸品種ヨシノツツジはシャクナゲとツツジ(ヤマツツジやアカヤシオ)の交配種で、その別名は「西洋シャクナゲ吉野」。園芸種として…

ヒカゲツツジの花色

「ヒカゲツツジ(日陰躑躅)」の別名は「サワテラシ(沢照らし)」でいずれも意味深の名前に見えます。ツツジ科ツツジ属の常緑低木である「ヒカゲツツジ」は日陰に多く生えることから、「サワテラシ」は河岸の岩場に生えることからつけられました。5月頃まで…

ツルニチニチソウとその仲間たち

ツルニチニチソウ(蔓日々草)はキョウチクトウ科の常緑蔓性の植物。今は湾岸地域のどこでもその花を見ることができる。その花は春の兆しを感じさせてくれる。最近は半ば野生化したツルニチニチソウが多く、オオキバナカタバミの黄色の花と並んで春の風景を…

コブシが咲き、モクレンが咲く

近くの公園の周りにはコブシとモクレンが植えられていて、既にコブシの花は散り、モクレンの花も散り始め、春が動いています。それでも、二つの花を見比べることは十分にでき、色違いの兄弟の様な姿を十分に楽しむことができます。すぐ近くではオオシマザク…

カリンの花

カリンは千年以上前に日本に渡来し、その実は香りがよく、喉の薬として知られてきました。「カリンポリフェノール」という成分を含んでいて、喉の炎症を沈めて、風邪や喘息の咳を止め、痰を取ります。 カリンはバラ科の落葉高木で、私の周りには意外に多く植…

土筆と杉菜

「スギナの胞子茎がツクシ」というのが二つの関係。スギナ(杉菜)はトクサ科トクサ属のシダ植物で、春先に出る「胞子茎」がツクシ(土筆)。子供の頃、ツクシを採って、食べたことを思い出す。ツクシは、スギナにくっついて出てくることから「付く子」、袴…

口紅水仙の花

クチベニスイセンは副花冠の縁に紅色、濃い黄色が入るスイセンのことで、3月から4月にかけて花を咲かせ、水仙特有の芳しい香りを放ちます。クチベニスイセンはスイセンの園芸品種で人気があります。 スイセンは1万以上の品種が登録されていて、口紅水仙、ラ…

リュウキュウツツジの花たち

ヒラドツツジ、シロリュウキュウがリュウキュウツツジの別名で、ツツジ科の半落葉低木。大輪の白い花を咲かせるツツジの代表種で、花付きがよいため江戸時代から栽培され、広く庭木として使われてきた。かつては中国から渡来したとされていたが、現在ではキ…

ハルジオンの花

ハルジオンの花が道端や空き地などに咲き始めた。ハルジオンは高さが30~100cmになる一年草または越年草で、茎は直立し、中空で、やわらかい毛が密にはえている。ハルジオンは大正時代に渡来し、日本各地に帰化している。ハルジオンによく似た花をつけるのが…

オウバイモドキの花 

冬枯れの風景の中でも、蔓のように枝を垂れ、緑色の葉をつけたままなのがオウバイモドキです。オウバイモドキはオウバイの近縁種で、別名はウンナンオウバイ(雲南黄梅)。名前に「梅」とついていても、梅の仲間ではなく、ジャスミンの近縁種です。そのオウ…

ハナニラの色変化

ハナニラ(花韮)はアルゼンチン原産で、明治時代に観賞用として導入されました。それが逸出し、帰化し、湾岸地域でもあちこちで野草として見ることができます(画像も道端で花をつけたハナニラです)。名前の通り、ハナニラの葉にはニラやネギのような匂い…

赤の他人の空似

先ずは「他人の猿似」が用いられ、音が近い「空似」が次第に好まれるようになり、江戸後期から「他人の空似」が使われるようになりました。「猿似」は「猿がみなよく似ている」ように見えることからでした。似ている理由がないのに、単に似ていることを強調…

キランソウとその園芸種

金瘡小草(きらんそう)、金襴草(きらんそう)は、いずれもフリガナがないととても読めません。別名が「地獄の釜の蓋(じごくのかまのふた)」、「弘法草(こうぼうそう)」で、これらも一筋縄ではいかない名前です。「金襴草」の名の由来は草むらに咲き広…

椿と桜のツーショット

椿と桜の花が共に咲いている風景は何とも印象的です(画像)。二つの花の期間はずれていても、重なる時期があり、それが今頃なのです。画像は湾岸道路横の歩道で見つけた椿の紅唐子と大島桜のツーショットです。 『古今和歌集』の第一巻にある在原業平の「世…

ベロニカ「マダムマルシア」の花

淡い紫のベロニカ「マダムマルシア(メルシエ)」(Veronica petraea 'Madame Mercier')はゴマノハグサ科クワガタソウ属で、その花が今咲いています。このベロニカはコーカサス地方原産ですが、学名は「岩石の間を好む」という意味で、岩山を覆うように咲く…

カジイチゴの花

イチゴはどれもバラ科に属し、カジイチゴはキイチゴ属である。カジイチゴは関東以西の海岸などに生育する落葉低木で、農家の庭先などに植栽されていることが多い。今では湾岸地域でも見ることができる。高さ2mほどになり、棘はなく、カエデのような切れ込み…

オックスフォードブルーの青

ベロニカ(Veronica peduncularisの改良品種)はオックスフォードブルー(あるいはジョージアブルー)と呼ばれ、花芯が白い、青色の美しい花を咲かせる園芸品種。ベロニカはヨーロッパ原産の青い小花が咲く這性の宿根草で、多くの種類があり、その中でもオッ…

リキュウバイの花

リキュウバイ(利休梅)はバラ科の植物。別名はウメザキウツギ、バイカシモツケ、ウツギモドキ、マルバヤナギザクラと様々あります。今では庭木、公園木としてよく栽培されていて、湾岸地域でも見ることができます。花期は4月前後で、画像のような白い花を咲…

モクレンの花変化

モクレン(木蓮、木蘭)はモクレン科モクレン属を代表する落葉低木。花が紫色であることから、シモクレン(紫木蓮)とも呼ばれます。外側が紫色で、内側が白色の花を春に咲かせるモクレンは、平安時代に中国から渡来しました。当初は漢方で「辛夷」(しんい…