2023-01-01から1ヶ月間の記事一覧

ヒマラヤユキノシタの花

ヒマラヤユキノシタは、早春に淡いピンクの花を咲かせます。太い赤紫の茎や、肉厚の楕円形の大きな葉にも特徴があります。ユキノシタ科ベルゲニア属はアジアに8種があり、園芸品種が多数育成されています。ヒマラヤユキノシタという名前はベルゲニア・ストラ…

ヒイラギモチの赤い実

ヒイラギモチはヒイラギとモチノキが一緒になった名前だが、クロガネモチやセイヨウヒイラギと同じモチノキ科。別名はヤバネヒイラギモチ、シナヒイラギ。流通名はチャイニーズホーリー。 セイヨウヒイラギも深緑色の艶のある葉の縁には鋭いトゲがある。淡黄…

量と数の歴史的なメモ

「量と数」の関係は「量と質」の関係に似ています。では、数は質かと問うと、何やら哲学的な雰囲気が漂ってきます。ヘーゲルは「量から質への転換は弁証法的な止揚プロセスだ」と断言して憚らなかったのですが、量や質についての議論は怪しい魅力をもち、そ…

プリペットの黒い実

プリペットは中国、ヨーロッパを原産とする常緑低木。軽やかな印象の葉が密生し、湾岸地域では公園や商業地の植え込みなどに多用され、ほぼどこでも見ることができます。生垣としても使われています。 そのプリペットにも秋から実がつき、今はすっかり黒くな…

黒い実、白い花

色を知覚するという観点からは、人間が知覚している生活世界像は外部世界を直接に反映してはいません。むしろ、それは脳が作り上げたものです。光(電磁波)自体に何かの色が備わっているのではありません。色は様々な波長の光の混合から脳が自ら作り上げた…

ノゲシの黄色い花

ノゲシの花は湾岸地域では珍しいことではなく、日当たりの良い場所では今でもよく見られます。ノゲシは日本には縄文・弥生時代に「史前帰化植物」として入ってきたようです。日当たりの良い荒地や道端などに生えていて、普通なら2月から夏にかけて黄色の花を…

形式論理学とカント

プラトンが個物を超えた超越的な本質をイデアと呼んだのに対して、アリストテレスはそのようなイデアを否定し、個物に内在する本質をエイドス(形相)と呼びました。アリストテレスによれば、現実に存在するのは個物だけで、個物はそれが「何であるか」を規…

アネモネの様々な花色

1月に入り、すっかり花が少なくなりました。そんな中で咲いているのがアネモネです。古くから神話や伝説に登場してきたアネモネは、ヨーロッパ南部から地中海東部沿岸地域が原産で、比較的雨の多い冬に生育し、初夏に地上部が枯れると球根(塊根)になって…

ウエストリンギア、あるいはローズマリー擬き

二日前に青紫色の花をつけるモーツァルトブルーについて記しました。昨日、葉の形からローズマリーかと思って近づくと、何か違うのです。その正体はウエストリンギアで、オーストラリア原産のシソ科の半耐寒性常緑低木でした。葉と花がローズマリーによく似…

センダンの実

「栴檀は双葉より芳し(せんだんはふたばよりかんばし)」は、「大成する人は小さいときから優れている」という諺。この「栴檀」は中国では「白檀(ビャクダン)」のことで、良い香りを放つ木として有名です。 有楽町線の豊洲駅から豊洲新市場に向かって歩い…

ポンカンの実

夏ミカンの実について記すと、ポンカン(椪柑、凸柑)の実にも触れたくなる。ポンカンはインド北部が原産地で、日本には1896(明治29)年に台湾総督が苗木を鹿児島に送って移植したのが最初。甘みが強く、酸味は控えめ、果汁も多く、香りもよい。 夏ミカンの…

冬の夏みかん

ビタミンCが豊富で、「冬みかん」の温州みかんの4~5倍もあり、夏の果物と思われているのが「夏みかん」。正式の名前は夏橙(なつだいだい)。秋になる果実は、酸味が強く生食には不向きと考えられ、そのままにしておいたところ、初夏に食べ頃に。それが…

ヤツデの花とアブたち

昨年の12月22日にヤツデの花にはハエが特に多く集まり、ハエ媒花の植物だと記しました(その時の画像のハエはオオクロバエと思われます)。ヤツデの花は1月に入ってもあちこちで見ることができます。陽が出ていると、ハエだけでなく、色んな虫が集まってきま…

梅の花 俳句の中の その姿

中村草田男 勇気こそ 地の塩なれや 梅真白 「あなたがたは、地の塩である。」(マタイ5:13)というイエスの言葉が入る、『来し方行方』(1947)所収の一句だが、勇気が何を意味しているかで解釈は全く変わる。塩と梅の花は共に純白。 日野草城 瘦梅の 花ふた…

ローズマリーの鮮やかな青紫色の花

既に昨年の4月に紹介したのが青紫色の花をつけるローズマリー。湾岸地域ではお馴染みのローズマリーは花が地味で、それ程目立たない。だが、濃く鮮やかな青紫色の花が目をひくローズマリーがある。モーツァルトブルーではないかと思われるが、兎に角、鮮やか…

ホトケノザの花

上から大写しにすると、一体何なのかわからないかも知れない。その正体は草の刈られた、日当たりの良い空き地にあるホトケノザ(仏の座)の花。ホトケノザの開花期は春だが、日当たりがよい場所では通年で花を咲かせる。ホトケノザはシソ科の一年草で、薄紫…

ものとその名前(7):ノースポール

カンシロギク(寒白菊、学名Leucanthemum paludosum)、またはノースポールはキク科フランスギク属の半耐寒性多年草。「寒白菊」も「ノースポール」も共に指示対象の外観を叙述的に表現した名前である。パンジーやヴィオラなどと共に、春先から初夏までの庭…

フヨウカタバミの花

フヨウカタバミは学名Oxalis purpurea、別名は「アオイカタバミ」。南アフリカ原産の多年草で、明治時代に入ったものが帰化し、本州・四国・九州の道端や荒地等に自生しています。冬から春にかけて、直径3センチほどの花を咲かせます。湾岸地域でもあちこち…

ピラカンサのユニークな赤い実

タチバナモドキ、カザンデマリ、トキワサンザシは、いずれもバラ科タチバナモドキ属に属し、総称としてピラカンサと呼ばれています。正直なところ、私にはそれらの見極めができません。三つは棘があり、葉が長楕円形であるなど、とてもよく似ています。ピラ…

アリッサムの花たち

アリッサム(Alyssum、学名Lobularia maritima)は地中海沿岸原産で、小さな4弁花がたくさん集まり、地面を覆うため、絨毯を敷き詰めたように見えます。花色には白や赤、ピンク、紫等があります。 花にはハチミツのような甘い香りが有るため、英語ではスイー…

ものとその名前(6):代名詞(=変項)

人々は名前を重宝し、名前によって分類されたものを好みます。でも、全てのものはただ偶然に存在し、その存在に何の意味もない、と気づき、主人公は嘔吐感をもちます。彼は吐き気の意味を考え、実存するものが無ではなく、何ものかであるという性質自体が彼…

ものとその名前(5):マーガレット

マーガレットの和名はモクシュンギク(木春菊)で、枝や茎に木質化する性質があり、若葉が春菊に似ていることから命名されました。マーガレットはカナリア諸島原産ですが、日本には明治時代末期に持ち込まれました。白い花が主ですが、様々な品種と交配させ…

ものとその名前(4):「ウメ」の名前

ウメは、バラ科サクラ属の落葉高木。5枚の花弁をもつ花を咲かせます。花の色は白、またはピンクから赤。開花は1月中旬頃から咲き出すもの、3月中旬頃から咲き出すものなど様々で、サクラとちがって、咲き方も散り方もゆっくりしています。そのウメが今年は既…

ものとその名前(3):アカツメクサの別名

アカツメクサ(赤詰草)あるいはムラサキツメクサ(紫詰草)はマメ科シャジクソウ属の一種で、一般に赤クローバーとも呼ばれます。開花時期は長く、冬でも開花しています。ヨーロッパ原産で、花はクローバー(シロツメクサ)にそっくりですが、色が赤紫色な…

ものとその名前(2):「バラの名前」の意味

「バラ」はバラの名前だが、最初の画像の赤いバラの名前はドルトムント。すると、「バラ」も「ドルトムント」もバラの名前であるだけでなく、系統分類のシステムの中でバラはもっと様々な名前をもっている。 ところで、『薔薇の名前』はウンベルト・エーコが…

正月の大成丸

独立行政法人海技教育機構の練習船6隻(日本丸、海王丸、大成丸、銀河丸、青雲丸)の中で最も新しいのが大成丸。今年も正月に有明西埠頭に接岸している。大成丸は内航船員の教育訓練を充実させるための初めての内航用練習船である。帆船の日本丸や海王丸と違…

ものとその名前(1)

シンビジウム、アンスリウム、グズマニア ビルの傍の花壇にあったのがシンビジウム。園芸種に共通した、造られた美しさが感じられ、それは野山で見つかる感動とは違うと思うのは私だけではない筈です。ラン科のシンビジウムは熱帯アジアを中心として、日本か…

ハキダメギク再訪

10月にハキダメギクについて記しました。正月にハキダメギクに出遭うのは全くの偶然ですが、よく晴れた午後のハキダメギクの花は妙に清々しい感じがしたのです。 キク科のハキダメギクは北アメリカ原産。大正時代に東京で見つかり、現在では関東以西の各地に…

元旦の再確認

「人間は理性的で、倫理や道徳をもつ動物」という伝統的な見方を進化論は説明できないという偏見を書き出してみると、次のようになります。 ・人間以外の生物はすべて利己的なため、進化論は人間の利他性を説明できない。 そこで、倫理や道徳の萌芽である「…