2023-01-01から1ヶ月間の記事一覧

冬のノイバラ(野茨)

ノイバラは落葉性のバラだが、別名の「野薔薇」より「野茨」の方が断然いい。日本の野のバラの代表で、白い花はナニワノイバラより小さいが、芳香が強く、花弁は5枚ある。「イバラ」は棘のある植物全般を示す総称。 花同様に目立つ「実」は萼筒が変化したも…

久し振りのクリスマスローズ

数年前までは湾岸地域のあちこちでクリスマスローズを見ることができました。クリスマスローズはキンポウゲ科の植物で、育てやすいせいか、湾岸地域にはあちこちに植えられ、冬の花の代表格でした。それがコロナと共に急に見られなくなり、その花姿を見たの…

オトメザクラ(乙女桜)の花

「オトメザクラ」という名前も差別の匂いがしますが、別名の「プリムラ・マラコイデス」は日本語の中では中立的で、そのため園芸ではこの名前がよく使われます。別の名前は「ケショウザクラ」。 プリムラ・マラコイデスとサクラソウはどちらもサクラソウ科サ…

オウバイモドキの花

オウバイ(黄梅)は中国名で「迎春花」と呼ばれるツル性低木で、ロウバイ(蝋梅)に似た黄色い花を咲かせます。このオウバイによく似ているのがオウバイモドキ(黄梅擬)です。オウバイは、落葉性、花期が2-4月、花の径は2-3㎝で一重、オウバイモドキは常…

ヒメキンセンカ(姫金盞花、Calendula arvensis)の花

ヒメキンセンカはヨーロッパ地中海沿岸地域原産の1年草、フユシラズ(冬知らず)、フユザキキンセンカ(冬咲き金盞花)が別名。この26日にキンセンカの花を記しましたが、その花の3分の1程度の花なのがヒメキンセンカの花。 日本で見られるキンセンカには、…

ソシンロウバイ(素心蝋梅)の黄色い花

「素心」は世俗にとらわれない純粋な心のことだが、まるで蝋細工のような花が今年も見事に咲いています。「ソシン(素心)」と「ロウバイ(蝋梅)」の二つが合成されたのがソシンロウバイ。花弁から花芯まで同じ色の花を中国では素心と呼ぶことに由来してい…

ボケの紅白の花

ボケ(木瓜)はいつも春を待ちきれずに咲き出すのですが、今年も既にあちこちで花をつけています。ボケはバラ科ボケ属の落葉低木、中国原産で、日本に自生しているクサボケとの交配種や自然交雑種もあります。 江戸時代から庭植えや盆栽として盛んに栽培され…

スカビオサの花

スカビオサ(Scabiosa)はマツムシソウ属の一つで、和名マツムシソウ(松虫草)も含まれます。日本には二年草であるマツムシソウ(Scabiosa japonica)が自生していて、秋の高原を彩る代表的な草花の一つです。昆虫のマツムシが鳴く頃に咲くのでこの名がつけら…

センニンソウの冬の花

センニンソウは昨年9月に記しましたが、世界中に数え切れないほどの種類があるクレマチスの一種で、星型の小さな白い花を咲かせます。その花を1月下旬に戸外で見つけ、随分と戸惑いました。冬のヒマワリを見つけたばかりですから、別に不思議ではないのかも…

冬のヒマワリ

「冬に咲く向日葵」、『冬に咲く向日葵 令和を生きられなかった君へ』はそれぞれ歌とノンフィクションのタイトル。確かに「冬に咲く向日葵」は人目を引くタイトルです。「冬の私はよわいから」という言い回しに似ていなくもありません。 最近は真冬にヒマワ…

菊とキク

菊も桜も日本人には国花に近い存在ですが、二つの違いは何なのかと考えたりすると、途端に厄介なことになります。そこで、まずは菊とキクについて考えてみましょう。 「野菊の如き君なりき(のぎくのごとききみなりき)」は1955年に公開された木下惠介監督・…

キンセンカの花

日本で見られるキンセンカ(金盞花、学名が「カレンデュラ」で、キンセンカの別名としても通用している)には、花径が7~10㎝と大きいトウキンセンカ(唐金盞花)と、花径2~3㎝で、ヒメキンセンカ(姫金盞花)、あるいはホンキンセンカ(本金盞花)と呼…

マーガレットの花

最初の二枚の画像は「風恋香(ふうれんか)」と呼ばれるマーガレットで、サンデーリップル(次の二枚の画像)とハナワギクの交配種。ラベンダーがもつ芳香成分を花に含み、ラベンダーとは別の甘い香りをもつ品種です。とはいえ、花はよく似ていて、私にはほ…

ワグネル、あるいはワーグナー

Z世代、あるいはジェネレーションZ(the generation Z)は1990年代半ばから2010年代初めまでに生まれた世代。一方、Z(ラテン文字)は2022年ロシアのウクライナ侵攻に参加したロシア軍の軍用車両に記された符号の一つ。二つは似ているが、関係はない。それと…

キルタンツスの花

ヒガンバナ科キルタンツス属のキルタンツスは南アフリカに45~50種が自生する球根植物で、種によって形態や性質が異なり、変化に富んでいます。大雑把に冬咲き種と夏咲き種があり、花形も細い筒形から壺形、盃状に大きく開くものがあり、下垂するものから上…

変数(variable)の本性とその表現

新しい自然研究のきっかけを数多く生み出したデカルトは「変数」にも注目しました。「変数」とは数自体が変化するのか、変化を数で表現したのか、いずれでもないのか、考え始めると、実に謎めいています。とはいえ、変数が導入されることによって、数学は自…

キンカンの熟した実

キンカン(金柑、学名はCitrus japonica)はミカン科ミカン属の常緑低木、あるいはキンカン属(学名はFortunella)の常緑低木の総称です(Citrus japonicaの学名を与えられていたが、1915年にキンカン属に変更されたが、近年の系統発生解析によって再度ミカ…

ジャノメエリカの花

ジャノメエリカ(Erica canaliculata、エリカ・カナリクラータ)は南アフリカ原産で、大正9年に渡来。ジャノメエリカは日本では一番普及している品種。和名の意味は「蛇の目エリカ」で、花の真ん中の黒い葯がよく目立つことから。また、クロシベエリカとも呼…

冬の野の花

一面の雪景色とはいかないが、大寒の中でも野に花を見ることができるのが湾岸地域。常緑樹が多いためか、冬枯れの風景は僅かとはいえ、さすがに花はめっきり減ってしまった。それでも地面に眼をやれば、タンポポやノゲシがあちこちに見られ、カラスノエンド…

キャットミント、あるいはネペタの花

つい見惚れてしまうネペタはシソ科のネペタ属(Nepeta)の植物。Nepeta の語源は古代の都市国家エトルリアの南部のNepeteという町の名前に由来し、英名は「キャットミント」。画像は2週間ほど前のもので、花はもうない。 ネペタ属にはたくさんの種類がある…

スイセンの多様な花姿

大寒に入り、スイセンの花をあちこちで見かける。やはり多いのがニホンスイセン(日本水仙)とキブサスイセン(黄房水仙)。その他にはヤエザキスイセン(八重咲き水仙)、シロバナスイセン(白花水仙)で、これらは前の二つにくらべるとずっと少ない。 ニホン…

アメリカオニアザミの棘

キク科アザミ属のアメリカオニアザミは厄介者の外来種で、「アメリカ」とあっても、原産はヨーロッパ。1960年代にアメリカから輸入された穀物に混じって日本に渡来したため、この名がついた。セイヨウオニアザミの別名もある。花は紅紫色で大きくて目立つ。…

アルストロメリアの冬の花

キュウリやトマトが年中食べられるようになり、野菜に季節がなくなって久しいが、花にもそれが言えるようで、アルストロメリアは夏に花をつけると思っていたが、1月にその花を野外で見ることができた。これは品種の改良なのか、地球温暖化なのか、その両方な…

ガーベラの花

ガーベラ(Gerbera)は明るく健康的な雰囲気の花。花茎が長く伸びて咲くのがガーベラの特徴です。幾つもの原種との交配により、多数の園芸品種が育成され、新しい品種が生まれています。多彩な花色と、一重、八重、その他の花形のバリエーションが多数あり、…

リナリアとマツバウンランから…

一昨日はキンギョソウ、昨日はリナリア(ヒメキンギョソウ)について記した。キンギョソウはゴマノハグサ科キンギョソウ属、ヒメキンギョソウはゴマノハグサ科リナリア属で、リナリア属の園芸種の和名は「リナリア(Linaria)」。リナリアの花によく似ているの…

リナリア、あるいはヒメキンギョソウの花

昨日はキンギョソウについて記したが、そのキンギョソウを小さくしたような花が咲いている。その似た花姿から、ヒメキンギョソウと呼ばれている(画像)。だが、キンギョソウがゴマノハグサ科キンギョソウ属なのに対し、ヒメキンギョソウはゴマノハグサ科リ…

信念と知識の交錯

信念(信条、belief)という言葉は日常世界ではしばしば過大に評価されているようです。政治家が「この政策の実現は私の政治的な信念です」と訴えると、何かそれだけでその政治家の評価が高まるような効果をもっています。科学者が自分の実験結果の真偽を問…

キンギョソウの淡い花色

地中海沿岸原産で、江戸時代に渡来したキンギョソウが1月なのに花をつけています。画像は半ば八重咲きのキンギョソウ(キンギョソウトゥイニー)で、エレガントな半八重の花型と優しい淡い花色が特徴的です。別名はスナップドラゴン。「ヒメキンギョソウ(…

プリムラの多彩な花たち

プリムラはヨーロッパやアジアに自生するサクラソウ属 (Primula) の原種やその変種を交配して作られた品種群です。和名はクリンザクラ(九輪桜)、多年草で、花期は冬~春です。花色は青色と紫色、赤色や桃色、黄色や白色等があり、花の少ない今の時期では際…

1月のサクラの花

「ららぽーと豊洲」の傍にある晴海橋公園のジュウガツザクラ(十月桜)については昨年記しました。ジュウガツザクラはエドヒガンとコヒガンザクラを原種として江戸末期に作られた園芸品種で、公園には5,6本の桜の木が植えられていて、今でも綺麗に咲いてい…