2022-09-01から1ヶ月間の記事一覧

アキグミの実

アキグミは東アジアからヒマラヤにかけての原野に群生する落葉低木。高さは2~3m。葉の裏は白い鱗片が密生し、風にひらめき、白く見えます。秋には直径が8㎜程の実が熟します。他のグミ類の果実が楕円形なのに対し、アキグミはほぼ球形です(画像)。グイ(…

タマスダレの花(2)

既にタマスダレについては8月初旬に記したのですが、9月に入り、その美しさが一層目立つようになっています。タマスダレの名は純白の花を「玉」(真珠などの丸い白い宝石)に、棒状の葉が集まっている様子を「簾」(すだれ)に見立てたことに由来します。 …

コリウスの葉

コリウス(Coleus)はシソ科コリウス属の植物の総称で、和名は金襴紫蘇(きんらんじそ)、錦紫蘇(にしきじそ)。現在栽培されているコリウスは園芸品種ですが、その始まりは数種の野生種です。 赤、黄色、紫など様々な色彩と模様がもつ美しい葉が主役で、和…

クサギの花と実

臭木(クサギ)シソ科の落葉小高木。私はいつもその実の瑠璃色に魅了されてきました。クサギは新しく開けた土地に、初めに芽吹いて大きくなる先駆種、つまり、パイオニア植物の一つです。そのため、新しく埋め立てられた湾岸地域にもたくさん見ることができ…

エゾヘビイチゴ(ワイルドストロベリー )の花と実

エゾヘビイチゴはバラ科オランダイチゴ属の常緑多年草で、英名は Wild Strawberry。ヨーロッパ北部と北アメリカが原産。16世紀に「オランダいちご」が普及するまで、このイチゴが栽培されていました。花は4月から10月ごろまで咲き続けます。果実はずっと小さ…

ヘチマ(糸瓜)とニガウリ (苦瓜)の花

ヘチマはウリ科ヘチマ属の1年草で「糸瓜」と書き、ニガウリはウリ科ツルレイシ属の1年草で「苦瓜」と書く。共にキュウリ(胡瓜)、スイカ(西瓜)、カボチャ(南瓜)などの仲間である。 ヘチマは西アジア地方原産。江戸初期に中国から渡来。夏から秋、黄色…

アカボシゴマダラ発見

特定外来生物のアカボシゴマダラはタテハチョウ科に属するチョウの一種。東アジアの広域分布種で、斑紋は近縁の在来種ゴマダラチョウによく似るが、和名が示す通り、後翅の外縁に鮮やかな赤い斑紋が出現することで区別できる。 もともとは奄美諸島のみで見ら…

木々の風景

改めて木々の風景を眺め直すと、ドングリが随分と多種あって、しかも大量なのが湾岸地域の秋の風景の特徴であることに気づきます。私が子供の頃(昭和40年頃まで)の田舎の風景も木々の風景が田圃の風景と並んで支配的でした。今の私が住む湾岸地域の風景は…

ウバメガシ(姥目樫)のドングリ

ドングリと言えば、多くの人がクリ(栗)を連想するでしょうが、既にマテバシイやアラカシのドングリを紹介しました。ウバメガシはアラカシと似たサイズのドングリをつけます。ウバメガシはブナ科コナラ属の常緑広葉樹。ウバメは「姥の目」のことで、ウバメ…

マンデビラの花

マンデビラは、中央アメリカから南アメリカに分布するキョウチクトウ科マンデビラ属の常緑のつる性低木です。分布域はアメリカ南西部、メキシコ、ブラジル、アルゼンチンなどで、約120種が知られています。そのほとんどの種はつる性です。 マンデビラの花期…

クズの花

湾岸地域の雑草の中で何が目立つかと問われれば、私なら迷わずクズを挙げる。だが、空き地が減るとともに、クズも減り出している。クズは秋の七草で、8月末頃から花を咲かせる。今年になって昨日初めてクズの花を見た。クズの花は高所にある場合が多く、目立…

アサガオたちのサイズ

有明アリーナの(野生の)アサガオを既にいくつか紹介したが、どれもその後ますます元気で、植栽された植物に絡みつき、毎朝多くの花をつけている。シロバナのアサガオ、マルバアメリカアサガオ、マメアサガオ、マルバルコウのどれも元気そのもの。 小さなサ…

シロスジアマリリスの白筋

アマリリスはヒガンバナ科ヒッペアストルム属の植物の総称。原種は中南米・西インド諸島に約90種があり、さらに数百種類の園芸品種があります。アマリリスは初夏にユリに似た基本的に六弁の大きい花を2 - 4個つけます。花の色は白・赤・薄紅・淡黄など。5月…

団地のクレマチス:センニンソウの花

辰巳1丁目アパートは1967年からつくられ、5階建て87棟からなるマンモス団地で、工業地帯で働く人たちの多くが暮らしてきた。団地は2027年までに高層化する予定で、今工事中なのだが、古い団地内には実に多様な植物が植えられ、近くに散在する高層マンション…

デュランタとプルンバコの花

デュランタの和名はハリマツリ(玻璃茉莉)、タイワンレンギョウ(台湾連翹)。デュランタは藤色や白の小花が集まって房状に垂れ下がって咲く熱帯花木。丈夫で開花期間が長く、暖地では庭木として植えることができる。樹高30~600cmに生長し、ギザギザがある…

スイフヨウの花

種小名 mutabilisは「変化しやすい」(英語のmutable)の意味で、中国中部原産のフヨウ(Hibiscus mutabilis)の園芸品種がスイフヨウ。開花直後は白色だが,次第に赤く変わっていく様子を酒に酔う人の顔色の変化に見立てた、粋な名前である。普通のフヨウよ…

アサガオ:マルバルコウの花

マルバルコウ(ソウ)は江戸時代末期に観賞用植物として渡来、ヒルガオ科サツマイモ属で朝顔(アサガオ)と同じ仲間です。9月4日のマメアサガオとほぼ同じ大きさで、9月5日のマルバアメリカアサガオより小さな花ですが、鮮やかなオレンジ色が遠目にも目立ち…

彼岸の花たち

日本や台湾のショウキズイセン(鍾馗水仙)は、秋になると黄色の美しい花を咲かせます。園芸用としても人気があり、鉢植えにもなります。赤い花を咲かせる彼岸花と姿が類似しているため、「黄色彼岸花」と呼ばれることもあります。ヒガンバナ(赤色)、シロ…

フヨウ属の草たち

アオイ科フヨウ属のアメリカフヨウ、モミジアオイ、タイタンビカスは1日花、5弁花、そして、花の中心に多数の雄しべがあり、その先に雌しべが出ている草です。一方、ムクゲやフヨウはアオイ科フヨウ属の落葉樹です。フヨウ属はハイビスカスと呼ばれ、原種…

オオモクゲンジの花

オオモクゲンジ(大木欒子)は中国原産で、ムクロジ科モクゲンジ属の落葉広葉高木です。別名はフクロミモクゲンジ(袋実木欒子)で、実が膨らんだ三室の袋状だからです。モクゲンジより葉が大きいことから名前がつきました。本州中部以西に自生し、夏から秋…

アラカシのドングリ

アラカシの「アラ」は、葉の縁にあるギザギザが粗いこと、枝の出方が粗いことから、そして、材が堅いことから「粗い堅し」が「アラカシ」に転じました。アラカシは雌雄同株で、4~5月に開花します。雌花の後にできるドングリは直径2cm弱で、開花した年の1…

オオベンケイソウに集まる生き物たち

ベンケイソウ科のムラサキベンケイソウ属(Hylotelephium)には、ムラサキベンケイソウ、ベンケイソウ、オオベンケイソウなどの種が属しています。薬用植物のベンケイソウ(弁慶草)の別名がコベンケイソウで、オオベンケイソウと対になっているようです。 …

ケイトウの花から

ケイトウは8世紀頃に中国や朝鮮を経由して渡来しました。『万葉集』の中で詠まれていますが、『花壇綱目』(1681)、『大和本草』(1709)に「鶏頭花(けいとうげ)」として紹介されているものが、現在のケイトウに相当するものではないかと思われます。 伊…

ヨウジロアサガオ(曜白朝顔)の花

午後歩いていると、アサガオの花が元気に開いている。最近のアサガオは午後も開いているものがあると聞いていたが、このアサガオもそうなのかと調べてみると、「曜白朝顔」だとわかった。静岡大学の米田芳秋が欧米のマルバアサガオとアフリカ系アサガオを交…

キクイモ(菊芋)の花

キクイモはキク科ヒマワリ属の多年草。そのためか、キクイモの花はヒマワリの花によく似ています。別名はアメリカイモ、ブタイモ、サンチョークなど。北アメリカ原産で、世界中に外来種として分布しています。幕末の頃に渡来し、戦時中に加工用、飼料用によ…

ヤナギバ(柳葉)ルイラソウの花

道路脇や空き地で青紫の花を咲かせているのが「ヤナギバルイラソウ」。ルイラソウの一種で、爽やかな青紫色とシンプルで地味な花の形が、私のような老人にはなぜかしっくりする。花期は長く4~11月で、今も花をよく見かける。 ヤナギバルイラソウは一日花で…

セスジスズメの幼虫

後尾に長いアンテナをつけたセスジスズメの幼虫を見つけたのはヤブガラシの蔓の中。全く偶然の遭遇で、最初は蝶か蛾かさえ、わかりませんでした。調べていくと、その正体はセスジスズメという蛾でした。 2、3回脱皮した若齢の幼虫で、5㎝を超える長さ。4…

アサガオ:シロバナのアサガオ

「シロバナノアサガオ」と聞いて、「白花の朝顔」なのか「白花野朝顔」なのか悩む人はアサガオについてかなり知っている人だろう。少なくとも「朝顔」と「野朝顔」の違いを知っていなければ、二つの区別ができない筈である。だが、「シロバナノアサガオ」、…

ポンカンの青い実

ポンカン(椪柑、凸柑)はミカン科ミカン属の柑橘類の一種。ポンカンはインド北部が原産地で、日本には1896(明治29)年に台湾総督府から鹿児島県に苗木がもたらされました。甘みが強くて酸味は控えめ。果肉はやわらかく、果汁も多く、香りのよい柑橘です。 …

昨今の湾岸風景

東京の湾岸地域には運河が多い。運河には大きな橋が架かり、周りにはビルが随分と増えた。かつては工場が多く、鉄道が走っていた。最初の画像は晴海運河を出たところで、背景は晴海大橋と豊洲である(2022)。二枚目は東雲運河を通る船で、木遣り橋から撮っ…