2022-08-01から1ヶ月間の記事一覧

ハッサクの青い果実

1日を朔日(さくじつ)と呼んだことから、旧暦の8月1日(新暦の8月27日)は「八月朔日」、略して「八朔」。「八朔」の頃には食べることができるということから、八朔と呼ばれるようになったと伝えられているようです(画像のハッサクはまだ青い)。 ハッサク…

シオカラトンボという名前

トンボ科シオカラトンボ属のシオカラトンボ(塩辛蜻蛉、Orthetrum albistylum speciosum)の雄は老熟するにつれて体全体が黒色となり、胸部から腹部前方が灰白色の粉で覆われるようになる(ヒガシローランドゴリラの成人オスの背中の白い毛や白髪を思い出す…

ツキヌキニンドウの花

スイカズラ属のツキヌキニンドウは、初夏から秋まで長期間開花する、半常緑から常緑性のつる植物です。生育が旺盛なため、ぐんぐんと枝を伸ばします。花の外側は紅オレンジ色で、内側は咲き始めが白く、だんだんとオレンジ色がかる黄色に変化します。やがて…

ハゲイトウの葉

ヒユ科のハゲイトウは熱帯アジア原産で、秋を彩る葉の強烈な色合いが魅力の一年草です。葉色は秋の深まりとともに一段と色が冴えてきます。ダイナミックな草姿が目立ち、秋の風景を生み出す好適な材料の一つです。花を観賞するケイトウの仲間で、葉が美しい…

ダウクス・カロタ「ダーラ」の花

ダウクス・カロタは野菜のニンジンと同じ種類の植物。根が肥大せずに花を観賞するものをノラニンジン、ダウクスなどと呼んでいます。ダウクス・カロタ「ダーラ」は通常のノラニンジン(野良人参、画像)が白花なのに対し、黒紫の花が咲く品種です。咲き始め…

トウジンビエ(パープルマジェスティ)

トウジンビエ(パープルマジェスティ、唐人稗)は黒キビで、熱帯アフリカ原産。画像はイネ科チカラシバ属の一年生穀類「トウジンビエ」の園芸品種で、本来は多年草ですが、乾燥したアフリカ生まれなので、湿気のある日本では一年草として扱われます。カラフ…

ツユクサの花の青色

ラピスラズリが原料の顔料がウルトラマリン。青色のものがウルトラマリンブルー、あるいはフェルメール・ブルー。高価なウルトラマリンは19世紀に人工顔料として合成されるようになる。それが「紺青」で、日本ではベルリン藍がなまってベロ藍と呼ばれた。広…

ルリフタモジ(瑠璃二文字)の花

ヒガンバナ科のルリフタモジはツルバギア属の栽培種。ルリフタモジの由来は花色が「瑠璃」の色を思わせ、葉が「ニラ(二文字はニラの異名)」に似ている所からきています。でも、和名のルリフタモジはあまり使われず、ツルバギア・ビオラケア、あるいはツルバ…

スペアミントとペパーミントの花

シソ科のスペアミントの香りは、「l(エル)-カルボン」という成分が主体になっていて、ハーブ特有の香りが料理に合うことから、欧米では料理に使うミントと言えば、スペアミントです。スペアミント(spearmint)のスペア(spear)とは「槍(やり)」で、先…

アガスターシェ(ブラックアダー)、あるいはアニスヒソップの花

シソ科のアガスターシェ(ブラックアダー)は非常に濃い紫色の萼をもつ園芸品種。花は淡い青色の小花が落ちても、濃い紫色の萼が残る。開花時期は初夏から秋(6月~10月)、個々の花は濃い紫色の萼から淡い青色の唇形を出し、花序は小花が穂状に集まる。草姿は…

夏のセミの記憶から

「オスは腹を激しく振りながら大声で鳴く。鳴き声は「シャシャシャ…」、「センセンセン…」」というのがクマゼミで、子供の頃からこのような説明を何度も聞いてきた。そのクマゼミの鳴き声が妙に目立つのが今年の湾岸地域で、ミンミンゼミやアブラゼミと並ん…

フヨウの花

ムクゲもフヨウもアオイ科フヨウ属の落葉低木です。でも、ムクゲに比べると、フヨウは女性的で、繊細だというのが私の個人的で、主観的な感想。ムクゲの方が花も木もきっぱりした印象なのですが、フヨウには大雑把で、独特の優しさがあります。私がフヨウに…

お盆に仏教を考える

お盆の記憶は故郷の欠かせない記憶の一つ。お盆は子供にとって不思議な数日間で、この世とあの世がつながるとは何なのか、そんなことを考えたくなるのも、不思議な数日間の記憶をもつ人たちには不思議なことではない筈です。 『盂蘭盆経(うらぼんきょう)』…

タケニグサの花

タケニグサ(竹似草)はケシ科の多年草で、湾岸地域ではよく見られた植物である。伐採地や崩壊地の「先駆種」となり、都市の空地などにも見られる。そのため、埋め立てられ、空き地が多かった湾岸地域にも多かった。その名前の由来は、茎が中空で竹に似てい…

ヒャクニチソウ(ジニア)

私たちは輪廻転生という仏教思想を習い、そこから解脱することが仏教の修行だと教えられたのだが、お盆には祖先が帰ってくると信じて疑わない。お盆と輪廻転生を突き詰めて考えないことが日本的な生き方で、それに親しんだ私のお盆の思い出の一つが仏花。そ…

キマダラカメムシの幼虫と成虫

キマダラカメムシの幼虫にはボタンのような部分があります。若齢幼虫は淡褐色に黒と朱の横縞模様が背面全体に並び、老熟幼虫は粉を吹いたような暗い灰色に、規則的なオレンジ色の星が並びます(画像は老熟幼虫)。木の幹に幼虫を見つけたときは昆虫老人の無…

聖母マリアの四つの教義

プロテスタント教会はカトリック教会や正教会のようにマリアを特別視しないのが普通です。マリアはパウロやヨハネらと同じ普通の人間で、特別な意味をもたず、人間イエスの母親であるとだけ理解されているからです。ところが、カトリック教会では母としての…

感染と感染増加

5~11歳の子供へのワクチン接種が「推奨」から「努力義務」に変わり、「努力義務」は努力だけでは不十分で、とはいえ、義務以下であることを主張したいようなのですが、厚労省のホームページを読んでもその説明はよくわからず、霞が関文学頑張れと応援したく…

ヘクソカズラ(屁糞葛)の花

猛暑にもまるで平気なのがヘクソカズラで、湾岸地域のフェンスのあちこちで花を咲かせている。ヘクソカズラはアカネ科ヘクソカズラ属の雑草。花に悪臭はないが、葉や果実を揉む、傷つけると悪臭がする。そのため、屁糞葛(ヘクソカズラ)の名がある。植える…

ペニセタムの花穂

ペニセツムはイネ科の多年草で、園芸品種が多く出回っていて、たくさんの種類があります。草色も明るいグリーンから深いグリーン、銅葉まで実に多様です。風に揺れる姿が美しく、花が少なくなる夏から秋に私たちを楽しませてくれます。 フワフワとした毛に包…

マツバボタンの花

毎日暑いと、涼しげな花を見たくなるだけでなく、暑さにも負けない花も見たくなる。雨や風だけでなく、夏の暑さにも負けない花がマツバボタン(松葉牡丹)で、スベリヒユ科の植物。開花時期は7月から10月中旬で、長い間咲き続けてくれる。「松葉」牡丹の葉は…

ツユクサの花

ツユクサはツユクサ科ツユクサ属の一年生植物。ツユクサは夏の花の一つで、その花の青さは子供の頃の早朝の露の下りたあぜ道を思い出させてくれる。子供の頃の私は緑の草の中のツユクサの青色が夏の朝の色としてとても好きだった。 朝咲いた花が昼しぼむこと…

ラクウショウの実

ラクウショウ(落羽松)は北米東部原産で、スギ科ヌマスギ属の落葉する針葉樹です。沼や湿地等のジメジメした木陰を好み、気根(呼吸根)が発達し、高さ50㎝程の独特の気根を地上に出します。これは膝根ともよばれ、根の上側が成長して空気中に出てくるもの…

ナツズイセン(夏水仙)の花

中国と北海道以外の日本に分布し、日本では人里近くの山野、草地、道端などに自生する。スイセンの仲間ではなく、ヒガンバナの仲間だが、秋から翌年の春にかけてスイセンに似た葉を出し、夏に花を咲かせるため、この名前がついた。 早春に球根から帯状の葉を…

ハツユキソウの花

名前と違って、ハツユキソウは暑さに強い。ハツユキソウは北アメリカに分布する一年草。葉に白色が混じり、美しい草姿に人気がある。開花期の7月~10月になると、暑さの中で雪が降ったように、頂部の葉に白い斑が入り、とても涼しげな姿になる。ハツユキソウ…

アリウムの花

ニラの仲間のアリウム・セネスケンス(Allium senescens、ヒガンバナ科ネギ(アリウム)属) が今咲いています(画像)。ジャーマンガーリックとも呼ばれる野生のアリウムです。アリウムは属の中に約887種がありますが、一般に園芸で親しまれている種は幾つ…

野生のニラの花

タイトルは「野生のニラの花」ですが、正確には「野生化したニラの花」です。子供の頃、家の裏の畑の端に一群のニラが半ば野生化した状態で生育していて、夏にはそれがニラと溶き玉子の味噌汁になっていたのを思い出します。子供の頃はニラの味噌汁は大嫌い…

コロナ以前の夢:綺麗なごみと国立公園、そして観光

コロナ感染症蔓延以前の状況について以前書いたものを読み直してみました。今から見ると、夢の世界の話のように聞こえます。「人の夢」がもつ本性をうまく表していて、夢の特徴がよくわかると思えてなりません。夢にはすばらしさと危うさ、脆さが同居し、そ…

モミジアオイの花

モミジアオイは明治初期に渡来した北アメリカ原産アオイ科フヨウ属の宿根草。7月から9月頃までの夏の季節にフヨウによく似た大輪の赤い花を咲かせます。花がハイビスカスやタチアオイに似ているため、よく間違われますが、モミジアオイは花弁の根っこが細く…

タカサゴユリか、それともシンテッポウユリか?

台湾原産の葉の細いタカサゴユリと、鹿児島県や沖縄県に自生する葉の広いテッポウユリの交雑種がシンテッポウユリ。タカサゴユリだけでなく、シンテッポウユリも同様に急速に広がっています。そのため、共に生態系被害防止外来種リストに載っています。 日本…