2022-08-01から1ヶ月間の記事一覧

最強のシオヤアブ

シオヤアブ(塩屋虻)はハエ目(双翅目)ムシヒキアブ科の昆虫。「塩屋虻」という名前は、成虫のオスの腹の端に白い毛が密生し、塩を吹いているように見えることに由来します。この白い毛はメスにはなく、オスとメスの見分けは意外に簡単です。また、オスと…

アメリカフヨウの花

アメリカフヨウ(Hibiscus moscheutos)は北米原産で、アオイ科フヨウ属の宿根草、ハイビスカスの一種です。葉は緑色で心臓形をしています。夏から秋、太く丈夫な花茎から集散花序を伸ばし30 cm程の巨大な多弁花を次から次へと咲かせます。花は朝咲いて夕方…

クロサンドラの苞(ほう)と花

クロサンドラはキツネノマゴ科ヘリトリオシベ属の常緑小低木。アフリカ、インド、マダガスカル、スリランカ原産。コエビソウやパキスタキスと同様に花のつく穂が苞に覆われています。コエビソウはベロペロネと呼ばれ、苞がライトグリーンになるもの(イエロ…

クマバチ

夏の終わりの一コマに相応しいのがクマバチ(とサルビア)。ハチと愛嬌は無関係に見えるが、クマバチは愛嬌があるように見えるハチで、怖いという感じが一向にしないのである。花が大好きで、一心不乱に蜜を求める姿は微笑ましいだけでなく、滑稽さえ感じら…

ブタナ(豚菜)の花

ブタナはキク科エゾコウゾリナ属の多年草。ヨーロッパ原産で、日本では全国に分布し、要注意外来生物に指定されています。なぜか私はタンポポの花より、ブタナの花に惹かれます。豚菜の別名はタンポポモドキですが、ブタナと呼ばれる方が多いようです。タン…

エノキの実

「エノキ」と聞くと、私は高輪の「二本榎」を思い出すのですが、エノキはケヤキと同じニレ科の植物です。「榎(エノキ)」は夏に木陰を作ることから、日本で作られた国字で、地名にもよく使われてきました。 赤褐色に熟した実は、食べるとほのかに甘く、意外…

イスノキの虫えい

ハマゴウの葉にはフシダニによってハマゴウハフクレフシという虫えい(昆虫やダニの寄生によって、異常に増殖、あるいは肥大して奇形になったもの)ができ、直江津中学校の生徒たちがそれを研究したことを既に記したが、その虫えいができるので有名なのがイ…

ハマゴウの花と実

「ハマゴウ」という名前は「浜を這う」という意味で、平安時代の『延喜式』、『本草和名』では蔓荊子(はまはふ)、波万波比(はまはひ)などと呼ばれ、その後、実、葉、樹が精油分を含み、芳香があることがわかり、香や線香が作られ、浜辺の香りの植物で、…

メラレウカ・チミフォリアの花

オーストラリアのクイーンズランド州からニューサウスウェールズ州に分布しているのがメラレウカ(学名Melaleuca thymifolia)です。私が湾岸地域で見たのはこれが初めてです。葉は狭い楕円形で対生し、先端は尖ります。夏にピンク色から濃いふじ色の花を咲…

サルスベリの花の戦略

湾岸地域にはサルスベリ(百日紅、猿滑)が多く、公園だけでなく、街路樹としても植えられ、それらが今咲いている。色も赤、ピンク、白と賑やかで、最近は矮性の園芸種もあちこちで咲いている(画像はその矮性種)。 和名のサルスベリは、古い樹皮のコルク層…

パンパスグラスの花穂

暑い8月も僅かとなり、夏が暦の上では終わろうとしています。ススキより先に秋を告げてくれるのがパンパスグラスの花穂です。羽毛のようにやわらかそうで、英語名は南米の大草原(パンパス)に生えている草(グラス)という意味です。 パンパスグラスはアル…

ハナトラノオ(花虎の尾)の花

子供の頃からよく見てきたのがハナトラノオ。それも夏休みの終わり頃によく見た憶えがあり、路傍に多く見られ、私には雑草に近い花だった。 シソ科のハナトラノオの別名はカクトラノオ(角虎の尾)。アメリカの中・南部からメキシコが原産で、日本へは明治時…

マツバボタンとキバナコスモス:夏色の花

マツバボタン・ジュエルの花にはピンクと白しか色がない。夏にはどちらの色もよく似合う。特に、ピンクのマツバボタンは私を惹きつけてやまない、正に夏色。 キバナコスモスの花色もマツバボタンに似て、一途で素直。学名には黄色の意味があり、濃い黄色や橙…

二度咲きのアカメガシワの雄花とナミアワフキバチ

既に「雌雄異株のアカメガシワの雄花と雌花」(6月15日)、「アカメガシワの雌花と雄花」(6月29日)と題して二回アカメガシワの花について述べました。同じ先駆種のクサギやナンキンハゼは雌雄同株ですが、アカメガシワは雌雄異株です(雄と雌が分かれてい…

メマツヨイグサの花

「月見草」、「宵待草」と呼ばれ、何かと文学と縁の深かったのがマツヨイグサ属の花々で、8月末になって、あちこちで咲き始めている。それらはマツヨイグサ、コマツヨイグサ、メマツヨイグサ(アレチマツヨイグサ)、オオマツヨイグサなどだが、私にはそれら…

ヨウシュヤマゴボウの実

「ヨウシュヤマゴボウ(洋種山牛蒡)」とはハイカラなのか野暮なのかわからない名前だが、意外と街中に生き続けていて、湾岸地域でも珍しくない。ヤマゴボウ科ヤマゴボウ属の多年草で、別名はアメリカヤマゴボウ。「ヨウシュ(洋種)」の通り、北米原産の帰…

トレニアの花

トレニアはツルウリクサ属に分類される一年草もしくは多年草で、東南アジアからアフリカの広い地域に分布している。 トレニアの唇形をした花は初夏から晩秋までの長い間楽しむことができる。別名の「ハナウリクサ(花瓜草)」は、果実の形をマクワウリに喩え…

ホンアマリリスの花

ベラドンナリリーという別名をもつホンアマリリスはヒガンバナ科ホンアマリリス属(Amaryllis)で、ヒガンバナ科の秋に咲く栽培種です。春に咲くアマリリスはヒガンバナ科ヒッペアストルム属(Hippeastrum)です。 アマリリスというと、春に咲くものをイメー…

オオチャバネセセリとキオビツチバチ

ブッドレア(ニシキフジウツギ)に来ているのはオオチャバネセセリと思われる。素人の老人にはその同定が結構厄介なのである。セセリチョウの仲間は、地味で体が太く、ハネが短い種が多く、蛾と間違われるほどで、余りチョウらしさがないのが特徴。恐らく蝶…

トチノキ、あるいはマロニエの実

近くの公園には大きなトチノキが三本ある。今の時期はその実を見ることができる。トチノキというと、私には「栃の実」、そして栃餅が思い浮かび、山里の昔の食べ物だと思ってしまう。とはいえ、私には栃餅を食べた記憶はなく、当然ながら栃餅の作り方も知ら…

デュランタの花

デュランタの和名はハリマツリ(玻璃茉莉)、タイワンレンギョウ(台湾連翹)。デュランタは藤色や白の小花が集まって房状に垂れ下がって咲く熱帯花木。丈夫で開花期間が長く、暖地では庭木として植えることができる。樹高30~600cmに生長し、ギザギザがある…

キントラノオの花

メキシコなどの熱帯アメリカ原産のキントラノオ科キントラノオ属の非耐寒性常緑低木です。 総状花序に黄色い小さな五弁花を多数つけ、葉は楕円形で明るい緑色をしていて、花の黄色と葉の緑は見事な組み合わせになっています(画像)。花の時期は夏から秋で、…

カワラナデシコの花

ナデシコ(撫子、瞿麦、牛麦)はナデシコ科ナデシコ属のカワラナデシコの異名で、秋の七草の一つです。ナデシコの仲間のダイアンサス属は世界に約300種が分布しています。カーネーションもダイアンサス属に含まれるのですが、カーネーションを除いたものを総…

アベリアの花

スイカズラ科ツクバネウツギ属のアベリア(Abelia)は、湾岸地域の公園や道路沿いに数多く植栽されていて、私の日常風景をつくる基本的な構成要素になっています。 アベリアは中国原産のシナツクバネウツギと同じ中国を原産とするアベリアユニフローラの交配…

ガウラ(ハクチョウソウ)の花

妙高ではサギソウ(鷺草)が話題になっているが、その次にハクチョウソウとなれば、てっきり白鳥のことだと思ってしまう。だが、ハクチョウソウのハクチョウは白蝶。伸ばした茎の先端に約1.5cmのとても小さな花を咲かせるのがハクチョウソウ、あるいはガウラ…

バーベナ (美女桜)の花

何とも素朴で、飾り気のない白い花は、暫し夏の暑さを忘れさせてくれます。熱中症寸前の老人は子供のように、雪が白くないだけでなく、白い色がなくなったなら、この世界はどんな風になるか、などと考えてしまいます。「白のない世界」は「色のない世界」、…

トウワタの花

トウワタ(唐綿、アクレピアス)は、キョウチクトウ科の多年草。原産地は南アメリカ、メキシコ。寒さに弱いため、日本では一年草として栽培される。1842年(天保13年)に渡来したとされる。 トウワタの花は色鮮やかで、傷をつけると白い乳液を出す。種に白い…

忘れていたマサキの花

マサキは葉だけ注目されますが、初夏に淡緑色の花を咲かせます。でも、地味で目立ちません。開花は7月頃で、新枝にある葉の付け根から伸びた花序に、直径5ミリほどの花が多数集まって咲きます。4枚ある花弁は淡い緑色で、花の中央に広がる花盤の縁から4…

トケイソウの時計のような花

いつ見ても、トケイソウの花の造形には驚かされる。フェンスに蔓が巻きつき、丸い時計の文字盤のような花が幾つも見え、それは精巧で壮観でさえある。デカルトの時代の機械論の象徴は時計だったが、トケイソウの花は美しい花というより、私などはデカルト風…

夏のケイトウの花

8月17日にハゲイトウについて述べました。ハゲイトウはヒユ科ヒユ属ですが、ケイトウはヒユ科ケイトウ属、非耐寒性一年草です。ケイトウの花は7月から10月頃まで咲き、寒くなると枯れてしまいます。熱帯生れのケイトウは真夏の炎天下でも咲き続ける丈夫な植…