2022-05-01から1ヶ月間の記事一覧

クレマチスの花

クレマチスはキンポウゲ科のつる性の植物で、北半球の温帯に多く分布しています。その種類は300種近くあり、日本にも20種ほど分布しているようです。大きな花を咲かせるのが特徴で、品種によって様々な姿を楽しめます。 カザグルマは日本固有種、テッセンは…

ブラシノキの花

ブラシノキ(ブラシの木)はフトモモ科ブラシノキ属の常緑小高木。カリステモン、ハナマキ(花槙)、キンポウジュ(金宝樹)が別名です。オーストラリアが原産のブラシの木は人気が高く、湾岸地域の公園や庭では少し前から開花し、人々の目を楽しませている…

古典的世界観と日常世界:20世紀版

私が学生の頃は「古典的世界観」は端的に誤りで、量子力学に代表される非古典的世界観こそ正しいものだと誰もが考えていたように思います。その20世紀版の考えが今でも継承されているかどうか、私には定かではないのですが、若い頃の古典的世界観について再…

ジューンベリーの赤い実

ジューンベリーの原産地は北アメリカで、バラ科ザイフリボク属の低木。和名はアメリカザイフリボク。ザイフリは「采振り」で、「采配」に見立てて命名されたもので、別名はシデザクラ。 既に記したように春に白い花が満開になり、初夏には赤い実をつけます。…

ヨウシュヤマゴボウの花

ヨウシュヤマゴボウ(洋種山牛蒡)とは何とも野暮な名前だが、意外と街中に生き続けている。ヤマゴボウ科ヤマゴボウ属の多年草で、別名はアメリカヤマゴボウ。ヨウシュ(洋種)が示すように、北米原産の帰化植物で、日本に入ってきたのは明治元年。ヤマゴボ…

バラの花たち

今私の周りにはバラの花が咲き誇っている。休日には色んなバラの花を楽しみたい。人を惹きつけるバラの花の美しさは群を抜いているが、それは人を惹きつけるだけの局所的な魅力に過ぎないのかも知れない。そんな下衆の勘繰りは捨て置き、バラの美しさを感じ…

タイサンボクの花

三日前には大風が吹き、一昨日はたくさん雨が降りました。気になっていたのがタイサンボクの花で、案の定雨の上がった昨日の午後に見ると、無残な姿になっていました。大輪の花は風雨に弱いことが改めてわかりました。 タイサンボク(泰山木、大山木)の名前…

八重のドクダミ

既にドクダミの花について述べましたが、今私の周りはドクダミの花だらけです。その中で八重の花は僅かですが、不思議な雰囲気を醸し出しています。一重と八重で花の印象が随分変わるのがドクダミで、八重の花は品種改良された金魚のようでもあり、喜劇と悲…

「時間」や「空間」は不変的(絶対的)、それとも可変的(相対的)?

「物理的な文脈」とは広義の物理系のことですが、その物理系は質量、電荷、エネルギーなどの物理量をもっています。物理量自体は物体に固有の属性、つまり、物体がもつ物理的な性質だと考えられています。 一方、空間や時間は私たちが自然現象を理解し、表現…

リクニス・コロナリアの花

シルバーリーフとなれば、シロタエギクとフランネルソウというのが今風の常識。湾岸地域でもこれら二つが目立っています。 ナデシコ科のリクニス・コロナリアはアフリカ北西部、ヨーロッパ南東部から中央アジアなどが原産地で、その外観から「フランネルソウ…

ペパーミントとスペアミント

ペパーミントとスペアミントとなれば、私などはチューインガムのフレーバーを連想するのだが、実は二つの違いがよくわからない。湾岸地域ではその二つが半ば野生化しているのをよく見かける。 ペパーミントとスペアミントは、数百種類もあると言われるミント…

ヤマボウシの花(2)

ベニバナヤマボウシは、ヤマボウシの基本は白花なのに対し、総苞がピンク色をした品種(画像)。ピンクの花びらに見える部分は総苞片(そうほうへん)で、やはり葉が変化したものです。 ヤマボウシ(山法師)という名前の由来は、白い総苞片を山法師と呼ばれた…

ヤマボウシの花(1)

ハナミズキとヤマボウシの花はお互いによく似ています。どちらも属が同じなので、似ているのは当然なのですが、ハナミズキはアメリカ原産、ヤマボウシは日本に固有の植物です。では、なぜ太平洋を挟んだアメリカと日本とに同じ属の植物があるのでしょうか? …

メキシコマンネングサの黄色の花

メキシコマンネングサ(メキシコ万年草)は、ベンケイソウ科マンネングサ属の多年草。帰化植物で、「メキシコ」という地名がありながらも、原産地は不明です。メキシコマンネングサの茎は直立して高さ10〜17cm、葉は鮮緑色で光沢があり、長さ1.3〜2cmの線状…

セッカニワゼキショウ(雪花庭石菖)の花

和名は花が白いことから雪花が前につけられ、小さいことから「コニワゼキショウ」とも呼ばれます。ニワゼキショウと同じく、北アメリカ原産とされています。ニワゼキショウより草丈が低く、花被片は白色、先が次第に細くなって尖り、筋は中央に1本だけありま…

「今、点」詩

「現在(present)」は言わずと知れた「今(now)」のこと でも、「今」はわかったようでわからない不思議概念 「今」は今しかなく、一瞬でしかない 一瞬の出来事と言えば、夏の流れ星や花火だが… 「今」も「一瞬」も文字通りの瞬間かと問われると、誰もが答…

初夏の小さな花たち

今の湾岸地域であちこちに見られるのはドクダミ、そしてカタバミ。特に、ムラサキカタバミが美しい。 キキョウソウとヒナキキョウソウの花の紫色は江戸紫。芝生の間にニワゼキショウと共に咲いている。 ヒルザキツキミソウ、ユウゲショウ(赤、白)はどれも…

イヌマキの雄花

イヌマキはマキ科マキ属の常緑高木で、中国名は罗汉松(羅漢松 ラカンマツ)。上品なコウヤマキをホンマキと呼ぶのに対して、葉や姿形が劣るためにイヌマキと呼ぶようになったというのが一般的な説(同じような名前としてイヌワシ)。コウヤマキより成長が早…

生得的、あるいは獲得的?(2)

私たちの生得的な感情に具体的な形を与えるのは他者の表情や動作(=身体表現)であり、それらによって、私たちは怒りや悲しみの表現をもつことになります。「怒り」という感情は、怒っている人間の表情や声の出し方や身ぶりを模倣することによって学習され…

生得的、あるいは獲得的?(1)

「ゾウは鼻が長い」という文は、英語やフランス語を母国語とする人には主語が二つあるような印象を与えます。「ゾウ」も「鼻」も主語となると、一つの文の中に主語が二つあることになります。でも、日本語を話す私たちには何もおかしいことはなく、真っ当な…

チロリアンランプの花

チロリアンランプ(ウキツリボク、浮釣木)は、アオイ科アブチロン属の常緑低木で、ブラジル原産。吊り下げたランタンに見立てられる赤と黄色のコントラストが鮮やかな花を咲かせ、観賞用に広く栽培されている。チロリアンランプは園芸名。 画像のホオズキの…

ヤマグワの実

明治時代、絹は貴重な輸出品で、絹を作り出す「蚕(かいこ)」のエサになる桑は貴重な存在だった。「桑」は「食葉(くは)」または「蚕葉(こは)」が語源と言われている。ヤマグワは北海道から九州まで日本全国の丘陵や山地に広く自生するクワ科の落葉樹。…

ナワシロイチゴの咲かない花?

カジイチゴの実について既に記したが、ナワシロイチゴの花が足元で咲いている。二つのイチゴの季節のズレを感じながら、子供の頃の草むらのヘビイチゴが蘇ってくる。 バラ科イチゴ属のナワシロイチゴは日本中に分布し、今頃花が咲き、その後1か月ほど後に甘…

粋を無粋に語ると…

江戸の「粋」は「いき」。呼吸の「息」は吐くもの。空気を吸い、それを吐いたとき、息になる。吐いて、最後に残ったものに付け加えるのが、江戸の「粋」。それは単純美を求める庶民の美意識。その反対語は「野暮(やぼ)」。ところが、京都の粋は「すい」。「…

ドクダミの花

ドクダミは日本や中国など東南アジアに広く分布しているドクダミ科ドクダミ属の多年草で、日本では本州以南の地域に分布し、空き地や道端、住宅周辺のやや湿った半日陰の場所に自生しています。湾岸地域でもあちこちでドクダミの花が咲いています。子供の頃…

方便としての秘仏観光

仏教の歴史の中で様々な方便が生み出されてきました。方便はとても人間的で、人の生きるという働きが見事に表現されています。中でも、仏典と仏像、そして寺院は大乗仏教の主要な方便と考えることができます。人々の信仰形態はそれらの装置によって大きく変…

エゴノキの花

一週間ほど前まで樹木一杯に咲き誇っていたのがエゴノキの花。エゴノキは全国の雑木林に多く見られ、湾岸地域の公園でもよく見かけます。名前の由来は果実を口に入れると喉や舌を刺激してえぐい(えごい)ことから。エゴノキはまず春に若葉が芽吹き、次に花…

願生寺と浄興寺の論争

願生寺(がんしょうじ)は善性が創建した下総国の磯部勝願寺(茨城県古河市)の流れを受け継ぎ、信越地方に建てられた六つの寺院(磯部六寺)の一つで、現在は新潟県妙高市除戸にある真宗大谷派の寺院で、通称は平出願生寺です。天正年間、上杉家の招きで越…

ヒペリカムの花たち

ヒペリカムはオトギリソウ科オトギリソウ属の学名で、一年草・多年草・低木のものがあり、中央アジア~地中海沿岸を中心に世界中に450種ほどが分布しています。園芸植物として栽培されているのは低木で、湾岸地域では花が咲き出しました。どれも花色は黄色で…

小児往生と幼児洗礼:信仰と自由意志

キリスト教には宗教についてまだ自覚できない幼児に洗礼を行う教派と行わない教派があります。東方の正教会、カトリック教会、聖公会、ルーテル教会などはいずれも幼児洗礼を認めていますが、バプテスト教会、アーミッシュなどはこれを認めません。 これとよ…