2022-04-01から1ヶ月間の記事一覧

ヒメリンゴの花

子供の頃、向かいの家の庭にヒメリンゴの木があって、その木に登って小さく青いリンゴをかじり、とても渋く苦く酸っぱかった記憶だけが残っている。それ以降、ヒメリンゴは苦手だったのだが、近くの学校のグラウンド横に何本も植えられていて、毎年綺麗な花…

モッコウバラの花

モッコウバラ(木香茨、木香薔薇)は、中国原産の常緑性のつるバラ。4月から5月にかけて、アーチやフェンスに這わせた大株のモッコウバラは、その花の数量に圧倒されます。花色は八重咲きの黄色が主で、そのほかに黄色、白の一重咲きがあります。トゲがない…

ウマノアシガタの花

ウマノアシガタは日本の広い範囲に分布するキンポウゲ科の多年草。日当たりがよくて乾燥した場所を好み、湾岸地域でも見つけることができます(画像)。晩春から初夏にかけて咲く花は輝くような黄色で美しさがあります。別名はコマノアシガタ(駒の足形)、…

「私は今ここにいる」が誤っているのはどのような場合なのか?

「私は今ここにいる」と私が発言するとき、通常の私にはそれが誤っているとは思えないし、横でそれを聞いている人も、私の発言が誤っているとは思わないのではないでしょうか。わざわざ発言するまでもなく、正気の人たちには自明の真理として受け入れられて…

ハナズオウ(花蘇芳)の花

ハナズオウは中国原産のマメ科の落葉樹で、春に画像のような見事な花が咲く。花をよく見ると、マメ科の花であることがわかる。別名は蘇芳花(スオウバナ)。高さは数メートルにもなり、早春に枝に花芽をたくさんつけ、葉が出る前に開花する。花には花柄がな…

ミヤマシキミの花

ミヤマシキミは、ミカン科ミヤマシキミ属の常緑低木で、別名はシキミア(スキミア)で、見た目の良さから庭木として人気があります。 シキミ科シキミ属のシキミに枝葉のつき方や見た目がよく似ており、山地に自生することから、ミヤマ(深山)に育つシキミと…

「今」、「現在」とは何なのか?

「現在(present)」とは言わずと知れた「今(now)」のことだと誰もが言うが、その「今」はわかったようでわからない不思議概念の一つ。「今」は今でしかなく、一瞬でしかないと思われていて、一瞬の出来事と言えば、夏なら流れ星や花火が思い浮かぶ。つま…

コデマリ、オオデマリの花

「大手毬」と「小手毬」と書くなら、「大人」と「小人」、「大鷺」と「小鷺」などを連想してしまう。そして、オオデマリは立派な樹木だが、コデマリは草木だという私の個人的な印象につながる。ところが、これが実は真っ赤な嘘で、オオデマリとコデマリは赤…

神仏の習合と分離:日本の伝統

奈良の大仏を建立した聖武天皇は神仏習合の政治を目指しました。聖武天皇は仏教に深く帰依しましたが、仏教だけを柱にしたのではなく、外来の仏教と日本古来の神道とを習合しようとしました。それは神が祀られる神社と、仏が祀られる寺とを分ける、(現在の…

エニシダとその仲間の花々

(エニシダ、ヒメエニシダ、ホオベニエニシダ、シロバナエニシダなど) 湾岸地域ではエニシダだけでなく、ヒメエニシダもよく見ます。新緑の中で黄色の花がとても印象的です。最初はどれもエニシダと思っていたのですが… ヒメエニシダ(姫金雀枝)は、エニシ…

ローズマリーの目立つ花

湾岸地域ではお馴染みのローズマリーだが、その地味な花があちこちで咲いている。花はそれ程目立たないローズマリーだが、濃く鮮やかな青紫色の花が目をひくローズマリーがある。最初はディープブルーかと思ったのだが、それよりも鮮やかなモーツァルトブル…

ブルーベリー(blueberry)の花

ブルーベリーはツツジ科スノキ属の植物で、北アメリカ原産の落葉低木果樹の総称。栽培品種の成木の樹高は1.5-3m。春に白色の釣鐘状の花を咲かせます(画像)。その後に青紫色の小果実が生ります。画像はまだ熟す前のブルーベリーの実です(昨年の画像)。 …

アメリカフウロの花

アメリカフウロ(亜米利加風露)はフウロソウ科フウロソウ属の雑草。道端のアメリカフウロの葉はヨモギにそっくりで、花はゲンノショウコ(現の証拠)に似ています。でも、花の開花時期はアメリカフウロが春から夏、ゲンノショウコは夏から秋で区別できます。…

秘仏の正体(2):法隆寺夢殿救世観音像

救世観音像が祀られる法隆寺の夢殿は、739(天平11)年の『法隆寺東院縁起』の記述によれば、僧行信によってその頃に創建されたものと見られています。夢殿が天平年間に造られて以来、救世観音像はその本尊として同じ場所に安置されてきました。 救世観音像…

ジューンベリーの花

原産地が北アメリカのジューンベリーはバラ科ザイフリボク属の低木で、和名はアメリカザイフリボク。ザイフリは「采振り」で、戦国武将が指揮する際に用いた「采配」に見立てて命名されたもので、別名はシデザクラ。 春には白い花が満開になり、初夏には赤い…

秘仏の正体(1):東大寺二月堂十一面観音像

善光寺や浅草寺の秘仏の魅力は私たちの習性と結びついています。何かを隠されると好奇心が倍加するのが人の本性であり、両寺の秘仏化はそれを見事に示しています。「仏様正体隠し功徳増し」という訳です。秘仏を中核に、寺院参詣を促し、それに観光と温泉を…

アジュガとキランソウの花たち

シソ科のキランソウ属は園芸では学名のアジュガで呼ばれます。アジュガはセイヨウキランソウからつくられた園芸品種が多く、日本に自生するジュウニヒトエやキランソウ(金瘡小草、金襴草)もそのアジュガの仲間です。アジュガの原産地はヨーロッパで、野生…

秘仏の中の秘仏

日本三大秘仏は「善光寺阿弥陀如来像」、「東大寺二月堂十一面観音菩薩像」、「浅草寺聖観音菩薩像」で、どの仏像も誰もが永遠に見ることができない「絶対秘仏」です。 1869年明治政府の社寺役が強引に廚子を開け、浅草寺の観音像はその存在が確認されました…

ツクシ、つまりスギナの胞子茎

スギナ(杉菜)は、トクサ科トクサ属のシダ植物で、春先に出る「胞子茎」はツクシ(土筆)と呼ばれます。子供の頃ツクシを採った思い出が蘇ってきます。ツクシは、スギナにくっついて出ることから「付く子」、袴の部分で継いでいるように見えることから「継…

信仰と観光:善光寺の巧みな宗教的経営

善光寺は飛鳥時代の創建とされる国内でも有数の古刹で、「善光寺参り」として庶民の侵攻と観光が見事に合致したツアーとなってきました。善光寺の歴史は仏教伝来の552年まで遡り、朝鮮の百済国国王であった聖明王から、インドより伝わったとされる仏像が献納…

キクモモの花

キクモモ(菊桃)はバラ科サクラ属の落葉小高木。キクモモはキクではなく、モモで、ハナモモの一品種です。その名前は花弁が細長くキクに似ていることに由来します。別名はゲンジグルマ(源氏車)。濃い紅色の八重咲きで、花期は3月下旬から1か月ほど。ハナ…

タムシバ(ワダズ メモリー)の花

ヤクシマシャクナゲをイギリスに紹介した和田弘一郎がワシントン大学に送った種子から選抜された品種で、従来コブシとタムシバの交雑により生まれたものとされてきましたが、植物学的に検討し直した結果、現在はタムシバの園芸品種と考えられています。タム…

アキグミの花

菓子としてのグミは随分と新しく、まだ生まれたばかり。1922年にドイツで発売され、日本では1980年代から菓子メーカーがグミをつくるようになりました。ですから、私の子供の頃の記憶には登場しません。小さな子供たちが食べているグミは私には実に不思議な…

秘仏と御開帳(5)

善光寺の本尊は絶対秘仏で、善光寺の僧侶も見ることができません。そして、今後も誰も見ることができないことになっています。善光寺では7年に1度、御開帳により前立本尊が公開されますが、これは本尊を模鋳したものです。善光寺の本尊は一光三尊の阿弥陀如…

ハナカイドウ(花海棠)の花

湾岸地域で桜の後に目立つのがハナカイドウで、その花の美しさは中国の唐の玄宗皇帝が酔って眠る楊貴妃を花海棠に喩えたように、昔から美人の代名詞として使われてきました。ハナカイドウは中国では牡丹と並んで愛される花です。4月から5月の庭に新緑が目立…

秘仏と御開帳(4)

善光寺と妙高堂の阿弥陀三尊像 寺院や神社の奥にあって、秘仏や祖師開山を安置する場所が「奥の院」で、唐招提寺の奥の院、戸隠神社の奥社、そして関山神社の妙高堂などです。その妙高堂には木曽義仲が1181年に妙高山頂に奉納したと言われる善光寺式の阿弥陀…

ミヤコグサ(エボシグサ)の花

ミヤコグサが今年もいつもの場所で咲いている。他の場所では見たことがなく、この時期の私の特別な場所になっている。1㎝程の小さな花をつけるミヤコグサは日本の各地から中国・台湾・ヒマラヤにも生育する多年生植物。路傍や荒れ地に生育していて、花期は長…

秘仏と御開帳(3):浅草寺と善光寺

東京で最も古い寺が浅草寺で、その秘仏聖観音菩薩は隅田川で漁をしていた兄弟が見つけました。兄弟の主人土師真中知(はじのまなかち)はその像を見て、出家し、628年に自宅を寺として聖観音像を祀り、それが浅草寺の始まりになりました(『浅草寺縁起』)。…

源平咲き:色素を作り出す遺伝子の突然変異

昨日のハナモモの記述で咲き分け(源平)が出てきました。一本の木に赤と白の花が咲くことで、「源平咲き」とも呼ばれています。平安時代の源平合戦のとき、源氏が白い旗を、平氏が赤い旗を用いていたことから、このように呼ばれています。この源平咲きでは…

ハナモモの花

ハナモモは中国を原産とするバラ科の落葉樹。もっぱら花を観賞することを目的とした園芸品種の総称で、実を食べる一般的なモモと区別するために、花を強調してハナモモ(花桃)と呼んできました。ハナモモはサクラの仲間で、花期はサクラ同様の3~4月。ち…