2021-05-01から1ヶ月間の記事一覧

ネジバナの花

らせん状に花が咲くので「ネジバナ」とは何とも直接的な命名だが、ラン科の小型の多年草、別名がモジズリ(綟摺)で、興味深い特徴をもっている。花序がらせん的で、右巻きと左巻きの両方があり、中には花序がねじれない個体や、途中でねじれ方が変わる個体…

ナツツバキの花

あちこちのナツツバキ(夏椿)が花をつけ出した。今は寺院の庭だけでなく、公園にもよく植えられていて、湾岸地域でもよく見かける。幹がサルスベリに似ていて、そのサルスベリと並んで人気が高い。ナツツバキはツバキ科ナツツバキ属の落葉高木。別名はシャ…

不要不急の理由

「不要不急」の外出を控えることが求められる昨今です。「不要」の反対は「必要」、「不急」の反対は「緊急」という一般的な理解を踏襲するなら、「不要で、かつ不急」の反対は「必要、あるいは緊急」となります。「不要不急」が「不要、あるいは不急」であ…

フェイジョアの花

フェイジョアはフトモモ科の常緑低木。果物として栽培されるだけでなく、庭木や生垣用としても人気がある。ウルグアイ、パラグアイ、ブラジル南部原産。果物としては主にニュージーランドで栽培されていて、別名はパイナップルグアバ。 花弁は外側の白と内側…

シロバナマンテマの花

私には苦手の地面に顔を近づけないとわからないサイズの花で、最初はマンテマかと思ったのだが、マンテマの同属のシロバナマンテマだとわかる。同じような花で、色違いなのではないかと思われるほど似ている。マンテマの一番大きな特徴は花の色で、赤い花を…

人の欲 

「ブッダの仏教は人間の何に貢献するのか」という問いは、人間の傲慢な態度の典型だと批判されても仕方ないのかも知れない。絶対的な神にとっては人間など被造物の一つに過ぎず、その神が人間に貢献するなどということは偶然的で、あり得ないように思われる…

エゴノキの花

エゴノキはエゴノキ科の落葉小高木。全国の雑木林に多く見られるだけでなく、公園でもよく見かける。名前の由来は果実を口に入れると喉や舌を刺激してえぐい(えごい)ことから。エゴノキはまず春に若葉が芽吹き、次に花が咲くので、新緑の瑞々しさと花の可…

テイカカズラの花

私が住む湾岸地域にはテイカカズラ(定家葛)が多く、今あちこちで花をつけている。大抵はグランドカバーとして使われていて、和洋の庭のいずれにも適している。テイカカズラはキョウチクトウ科テイカカズラ属の有毒植物で、その別名はマサキノカズラ(真拆…

ビワ(枇杷)の実(と種)

昨年初冬の季語になっているビワ(枇杷)の花芽(画像)について「果物のビワの実が思い出され、その食べ頃は初夏。今の時期に花をつけ始めるビワはへそ曲がりで天邪鬼だと思いたくなるが、サザンカやツバキ、そしてボケも同じ頃に花をつけ始めることを考え…

モミジの実(それとも種)

モミジは4月頃に花が咲く。花は地味だが、房になってたれる小さな姿は美しい。その花が終わるとすぐ種ができはじめる。新緑が鮮やかすぎるので、つい見落しがちだが、今頃びっしり枝の先にぶら下がる。ブーメランのような形の羽の中に赤い実(種)を付けてい…

コエビソウの花

コエビソウ(小海老草)はメキシコ原産のキツネノマゴ科の常緑低木。フロリダやエクアドルなどに帰化している。日本では雑草のキツネノマゴ、そして、アカンサスもキツネノマゴ科である。花のつく穂が苞(ほう)に覆われていて、その形が小海老の尻尾に似て…

天心の六角堂(改訂版)

西洋は「理性的に誇示」し、日本は「内省し、謙遜」します。茶は経済学と同じで、「生の術」であり、具体化された道教です。こんな主張が『茶の本』の核心。 岡倉天心はお雇い外国人フェノロサと出会い、フェノロサの美術調査に随行します。千年の眠りから覚…

クワの実:ヤマグワとマグワ

私は「山の栗」と「屋敷の栗」が違うことを子供の頃から知っていたが、「山の桑」と「里の桑」の違いは知らなかった。だが、それが大した違いではなく、一方を知っていれば他方も似たようなものだということを知ったのは大人になってから。ブナ科クリ属のク…

新潟県の名山:山格とは?

「名山や格の高い山は」という問いが出されると、山は高ければいいというものではないなどと言う輩も多く、公平に山を評価しようという人にとって、山の高さの評価は意外に定まっていない。山を愛する人たちはどんな基準で山を評価しているかとなれば、それ…

クロガネモチの雌花とアオハナムグリ

昨年の12月22日にクロガネモチの雌雄異株について書いた。赤い実をつけるクロガネモチが雌の木で、その雌の木ばかりが植えられているとすれば、赤い実をつけることができるのかという疑問が出てくると述べた。雄のクロガネモチは赤い実をつけず、植えられて…

ヒルザキツキミソウ、ユウゲショウの花

いわゆる雑草が生い茂る季節になり、あちこちにうるさい程に道端の花たちが見られます。中でもヒルザキツキミソウとユウゲショウが多いのが湾岸地域。いずれもアカバナ科マツヨイグサ属で、とりわけユウゲショウは旺盛に生い茂っています。 ユウゲショウのほ…

トキワツユクサとムラサキツユクサ属の花たち

トキワツユクサ(常磐露草)はツユクサ科ムラサキツユクサ属の多年草。別名がノハカタカラクサ(野博多唐草)で、南アメリカ原産。日本には昭和初期に観賞用として持ち込まれ、野生化している。トキワツユクサはツユクサやムラサキツユクサの仲間だが、名前…

ビョウヤナギとキンシバイの花

今年の梅雨入りは例年になく早いようだが、梅雨時の花というと、まず思い浮かぶのはアジサイで、その花が色づき始めている。だが、ビヨウヤナギとキンシバイも忘れることのできない梅雨時の花である。花だけを遠くから見ると、よく似ているとつい錯覚してしま…

タイサンボク(泰山木、大山木)の花

タイサンボクの名前は花、葉、樹形などが大きくて立派なことを賞賛しようと、中国山東省にある名山泰山に喩えたものと言われる。また、花の形を大きな盃に見立てて「大盃木」、それから次第に訛って「泰山木」になったという説や、大きな樹形が大山のように…

キョウガノコ、シモツケソウ、そしてシモツケ

キョウガノコはシモツケソウと似ていて、違いは茎にトゲがないことくらいと言われている。名前は京染の鹿子絞りに似ていることからだが、シモツケソウは下野国(栃木県)が由来の名前で、そこから二つの植物の違いが窺える。 キョウガノコは高さ30~80cmの多年…

ジューンベリーの実(2)

昨日ジューンベリーの実について書いた。6月には実を収穫でき、それが名前の由来だった。書いた後で見た別の木の実はより熟していて、真っ赤から黒ずみ始めていた。色づき始めた昨日の実より、熟成が進んでいて、採って口に入れたい衝動に駆られた。最初は真…

ジューンベリーの実

原産地が北アメリカのジューンベリーはバラ科ザイフリボク属の低木で、和名はアメリカザイフリボク。ザイフリは「采振り」で、戦国武将が指揮する際に用いた「采配」に見立てて命名されたもので、別名はシデザクラ。 春には白い花が満開になり、初夏には赤い…

ヘビイチゴの花と実

今の食用イチゴはどれもとてもおいしいが、昔と変わらないのがヘビイチゴやナワシロイチゴのような野生のイチゴ。湾岸地域のどこにも目にすることができるのが野生のヘビイチゴ。その別名は毒イチゴだが、毒はない。 日本全土に分布し、花の柄は4~7㎝で、茎…

心の働きによって自然数論はどのように変わるか(改訂版)

現実の世界で私たちの心がどのように振舞うかを知ることは今の私には無理難題というもので、単純この上ないモデルを使って思考実験でもしてみるしか手はありません。私が思うに、今のところ心の振舞いを物語として描く仕方で断片的にでも成功していると思わ…

ニワゼキショウ属の花たち

5月9日にアヤメ科ニワゼキショウ属のニワゼキショウを紹介した。芝生や草地などに群生し、今を盛りと咲いている。直径5₋6mm程度の小さな花で、近眼の私にはしゃがんで地面に顔を近づけなければならないし、近づきすぎると老眼でぼやけてしまうと書いたが、も…

ヒナキキョウソウ(雛桔梗草)とキキョウソウ(桔梗草)の花

昨年キキョウソウとヒナキキョウソウを見つけ、今年も楽しみにしていました。ヒナキキョウソウはあちこちですぐに見つかったのですが、キキョウソウが見つからず、ようやく昨日見つけることができました。どちらも小さな花ですが、なかなかの花姿です。 ヒナ…

ドクダミの花

ドクダミは日本や中国など東南アジアに広く分布しているドクダミ科ドクダミ属の多年草で、日本では本州以南の地域に分布し、空き地や道端、住宅周辺のやや湿った半日陰の場所に自生しています。私も子供の頃からよく知っている雑草で、ドクダミの花は子供の…

ブタナの花

ブタナ(豚菜)は、キク科の多年草。ヨーロッパ原産で、日本では外来種である。タンポポモドキ(false dandelion)という別名もある。「豚菜」はフランスで「豚のサラダ」を意味する「salade de pore」を直訳したもので、豚が好んで食べる花なので「豚のサラ…

プリベットの花

プリペットとも呼ばれるプリベット(privet)は中国やヨーロッパを原産とする常緑低木。軽やかな印象の葉が密生するため、公園や商業地の植え込みなどに多用される。湾岸地域でもあちこちで見かける。欧米では生垣として使用されることの最も多い樹種の一つ…

バイカウツギ (梅花空木)の花

アジサイ科のバイカウツギの別名はサツマウツギで、名前の由来はウメに似た花を咲かせることから。本州、四国及び九州の山地に自生するウツギの近縁種。開花はアジサイと同じ5~6月頃で、枝先から伸びた花序に直径3センチ弱の白い花が5~10輪単位でフ…