2021-04-01から1ヶ月間の記事一覧

不易流行

「不易流行」は芭蕉が『奥の細道』の旅の間に体得した思想。「不易(不変の真理)を知らざれば、基立ちがたく、流行(変化)を知らざれば、風新たならず」、しかも「その本は一つなり」、すなわち「両者の根本は一つ」であると芭蕉は主張します。「不易」は…

ムラサキツユクサの花

夏の早朝、露に足を濡らしながら見たツユクサの青色はしっかり憶えている。ツユクサは野生種で、今ではムラサキツユクサはその園芸種の名前で通っている。既にムラサキツユクサが咲き出していて、ツユクサより大柄で、花も大きい。 ムラサキツユクサはツユク…

無常観と持続可能性(2)

最近の多くの門徒は門徒の自覚さえ覚束ない人が多いのですが、それでも門徒であることを代々持続してきました。「持続可能である」と形容される社会よりはずっと確かな歴史的な事実として共同体の中で門徒であることを持続してきました。そして、当然ながら…

フジの花

キングサリと同じマメ科のフジ(藤)はつる性の落葉植物。本州、四国、九州の山野で見られ、普通は他の木に絡みついて育つが、庭では「藤棚」を作り、花を密生させて鑑賞する。 開花期は4~6月で花房は30-90センチほどに垂れ下がる。フジは「古事記」にも…

キングサリの花

「金鎖」はカネグサリやキンサではなく、キングサリであり、マメ科キングサリ属のキングサリはヨーロッパ南部原産で、大きな木になると3メートルくらいあり、満開の花を下から見上げると、晴れた日は青い空に黄色が映えて見事である(画像)。和名は英名のゴ…

無常観と持続可能性

仏教の基本教義の一つが「諸行無常」で、Everything is transient、と英訳されている。これはEverything is unsustainable(何事も持続不可能)とも表現できる。すると、最近よく聞く「持続可能性、サスティナビリティ(Sustainability)」と結びつき、至極…

ハルジオンの花

ハルジオンの花が道端や空き地などにうるさい程に咲いている。ハルジオンは高さが30~100cmになる一年草または越年草で、茎は直立し、中空で、やわらかい毛が密にはえている。今のところ、湾岸地域を支配するかのように咲き誇っている。ハルジオンは大正時代…

オオツルボ(大蔓穂)の花

オオツルボはツルボ属の多年草で、湾岸地域ではこれが意外に多く、野生化してあちこ ちで花をつけている。オオツルボの渡来は明治時代、地中海沿岸が原産の多年草で、花茎が直立し、高さが20~40cmにもなる。頑丈な花茎を伸ばし、先端に50個以上の星形花を、…

プルヌス ヴァージニアナの花

一般にはチョークチェリー 'ベイリーズ セレクト'と呼ばれ、Prunus virginiana 'Baliey's Select' は学名である。バラ科の耐寒性落葉樹で、カラーリーフが売り物の落葉樹。原産地の北アメリカでは実をジャムなどにする。「ベイリーズセレクト」は、春の開花…

ベニバナツメクサ(紅花詰草)の花

この花を公園の片隅で見つけ、とても嬉しくなった。別名はストロベリーキャンドル(strawberry candle)、クリムソンクローバー(crimson clover)、そしてオランダレンゲ。ムラサキツメクサ(紫詰め草)、セッカツメクサ(雪花詰め草)、シロツメクサ(白詰め草…

門徒のための仏教の経典とは?

神道には教義がありませんが、仏教の教義は経典に述べられています。経典は内容の違いから三つに分類され、三蔵と呼ばれています。三蔵とは、(1)経:釈迦の教えをまとめたもの、(2)律:仏教徒の行動規範(戒律)、(3)論:経や律を研究し、注釈したもの…

ベニカナメモチ(レッドロビン)の花

レッドロビンはカナメモチとオオカナメモチとを掛け合わせた園芸品種で、現在ではこれらの原種よりも数多く出回り、都市部の生垣としてはもっとも一般的に見られる樹種の一つとなっています。湾岸地域でもあちこちに植えられ、新芽の鮮やかな赤を誇示してい…

心は欲である

好奇心も探求心も私たちがもつ欲求なのですが、好奇欲とも探求欲とも言いません。同じように、虚栄心も虚栄欲とは言いません。でも、自己顕示欲とは言いますが、自己顕示心とは言いません。権力欲も権力心ではありません。このような言葉遣いの違いから、「…

ストレリチア・レギナエの花

けばけばしい鳥の頭部かと見誤るような不思議な物体に見えます。でも、れっきとした植物の花です。正体は枯れ尾花ではなく、ストレリチア・レギナエ(Strelitzia reginae)。和名はフウチョウ(別名が極楽鳥)に似ていることから「極楽鳥花」。花は鮮やかな…

花の後に…

3,4月はあちこちで花が咲き乱れ、春を満喫したのだが、それらの花の洪水もそろそろ落ち着いてきた。そうなると、花の後の楽しみの一つは果実だろう。 ユスラウメ(梅桃、梅桜、桜桃、山桜桃梅)は、バラ科サクラ属の落葉低木の果樹。サクランボに似た小さな…

ホソバオオアマナ(細葉大甘菜)の花

アマナとよく似ているが、アマナはユリ科、オオアマナとホソバオオアマナはキジカクシ科に属す。アマナは食用になるが、ホソバオオアマナは毒草。オオアマナとの見分けは厄介である*。 ホソバオオアマナは草丈が20-35㎝の多年草で、地下に球形の鱗茎があり…

集団の美:チューリップとネモフィラ

国立日立海浜公園は集団の美を売り物にしているようで、ネモフィラは今が満開である。確かに、チューリップもネモフィラも数で美しさが発揮できる花で、一輪の美しさを強調する正統的なバラやキクとは好対照をなしている。 日本人は集団行動が得意だと言われ…

門徒、氏子、そして市民についての夢想

「元来我が国の宗旨は、神仏両道なりという者あれども、神道は未だ宗旨の体を成さず。たとい往古にその説あるも、既に仏法の中に籠絡せられて、数百年の間、本色をあらわすを得ず。(中略)古来日本に行われて文明の一局を働きたる宗旨は、唯一の仏法あるの…

カラタネオガタマ(唐種招霊)の花

カラタネオガタマはモクレン科の常緑樹で、別名はトウオガタマ(唐招霊)。どちらも何とも神々しい名前である。中国南部原産で江戸時代に渡来。オガタマは「招霊(オキタマ)」が転訛したもので、かつては神の「依代(神霊が寄り憑く樹木、岩など)」として…

イペーの花

湾岸地域にはイペーの木が少なくない。台場や夢の島で今花をつけている。イペーはノウゼンカズラ科の広葉樹。原産地はアルゼンチン、ブラジルなどである。ちょうど今頃が開花時期で、別名は「コガネノウゼン」、「キバナノウゼン」。英名はGolden Trumpet Tr…

親鸞の神祇不拝

「神祇」は天神地祇(てんじんちぎ)の略、天神は「あまつかみ」と呼ばれ、天上で生まれ、あるいは天上から降(くだ)った神、地祇は「くにつかみ」と呼ばれ、地上に天降った神の子孫、あるいは地上で生まれた神のことです。「神」は「天神」を、「祇」は「…

ミヤコグサ(エボシグサ)の花

ミヤコグサは2月には咲き出していたが、その花が足元に広がっている。1㎝程の小さな花だ。ミヤコグサは日本の各地から中国・台湾・ヒマラヤにも生育する多年生植物。路傍や荒れ地に生育していて、花期は長く、春と秋に数多く花を開く。近寄ってみると、つる…

アロニアの花

アロニアは北米大陸東部が原産のバラ科の落葉樹。アロニアはアントシアニンを含む果実が健康食品として注目されている。だが、それだけでなく、初夏に咲く清楚な花や紅葉も観賞価値があり、庭木としても人気がある。 アロニアは北米からヨーロッパへ、そして…

ヒカゲツツジの花

既に4月7日に「ツツジ属の花たち」で、ミツバツツジ、シャクナゲ、それに普通のツツジについて記した。そこに登場しなかったのがヒカゲツツジ(日陰躑躅)で、ツツジ科ツツジ属の常緑低木。他のツツジと同じように、今がほぼ満開である。別名が「サワテラシ…

戦国大名たちの神仏習合

武田信玄の菩提寺は臨済宗の恵林寺、上杉謙信の菩提寺は曹洞宗の林泉寺で、いずれも武将に好まれた禅宗の寺院です。鎧兜に神を勧請し、軍旗には神号を記すのが普通でしたが、上杉謙信の「毘」、武田信玄の「南無諏訪南宮法性上下大明神」がその例で、徳川家…

ヒメエニシダなど

湾岸地域ではヒメエニシダをよく見ます。新緑の中で黄色の花がとても印象的です。最初はエニシダと思っていたのですが… ヒメエニシダ(姫金雀枝)は、エニシダ(金雀枝)と似ていますが、エニシダより寒さに弱く、樹高が低いので、よく鉢植えにされる落葉低…

シキミ(樒)の花

シキミ(樒)はマツブサ科シキミ属の常緑小高木。有毒で、実の形状は中華料理で多用される八角に似ていて、誤食されやすい。仏事に用いるためよく寺院に植えられている。また、漢字では「櫁」、「梻」と書かれることもある。花だけでなく、名前も字も不気味…

ヒメウツギ、ツリガネズイセン、そしてミントブッシュの花

ヒメウツギ(姫卯木、姫空木)は初夏の花ということになっているが、既に咲き出していて、昨今の4月中旬は初夏ということか。ヒメウツギはアジサイ科ウツギ属の落葉低木。背が高くならないほふく性のウツギの仲間。綺麗な白い花が咲くので、庭木として使われ…

ゲッケイジュの花

ゲッケイジュ(月桂樹)はクスノキ科の常緑樹で、地中海沿岸が原産地。雌雄異株で春に黄白色の小さな花が咲く。英語のノーブル・ローレル(Noble Laurel)は中国語で「月桂樹」と訳され、それを音読みしてゲッケイジュの和名となった。 ゲッケイジュは明治39…

クンシランの赤い花

クンシラン(君子蘭)は、南アフリカが原産の多年草です。名前に「蘭」とついていますが、ランの仲間ではなく、ヒガンバナ科クンシラン属の総称です。分類法によってはユリ科に分けられることもあります。3~5月頃が開花期で、4月に最盛期を迎えます。ですか…