2021-02-01から1ヶ月間の記事一覧

セイヨウアブラナの花

「菜の花」はアブラナ科アブラナ属で、「野菜の花」から「菜の花」になり、スーパーなどで販売されている食用の花を指しています。ビタミンCやミネラルが豊富な緑黄野菜で、私の好物の一つです。一方、河川敷に咲く菜の花はセイヨウカラシナかセイヨウアブラ…

ラナンキュラスの花

ラナンキュラスは幾重にも重なった、明るい花弁が魅力的な秋植え球根。最近は花の色や形が改良され、香りのよい品種がつくり出されている。そのラナンキュラスの花が道端の花壇に見事に咲いている。 「ラナンキュラス」と呼ばれているのは、中近東からヨーロ…

二つの仏教:メモ

仏教は釈迦が悟った内容に基づく宗教ですが、時代と共に色々な解釈が生れました。中でも、大乗仏教と上座部(小乗)仏教の違いは特筆すべき違いです。 「乗」の意味は乗り物で、「大乗」は「大きな乗り物」という意味です。では、「大乗仏教=大きな乗り物の…

サンシュユの花

サンシュユ(山茱萸)はミズキ科の落葉小高木で、春を告げるように咲き出した。サンシュユの漢字表記は山のグミを意味する「山茱萸」。ハルコガネバナ、アキサンゴ、ヤマグミとも呼ばれ、中国と朝鮮半島が原産地である。享保年間(1720年頃)に薬用樹として…

ミヤマガンショウ(深山含笑)

今年もまたミヤマガンショウが花をつけた。子供の頃だけでなく、大人になっても見たことがなかったのがミヤマガンショウ。中国原産のモクレン科オガタマノキ属の常緑高木。2~3月頃にハクモクレンに似た一重から二重の白色で芳香をもつ花が咲く。ハクモクレ…

神仏習合瞥見

神道と仏教についてどのように考えるのが適切なのか、素人の考えを述べて見ます。 まず、神道には教義がありません。これは致命傷です。仏教に最初から白旗を挙げるようなものです。儀礼的な事柄が中心で、学術的な主張がない神道とは対照的に、仏教は洗練さ…

ジンチョウゲ(沈丁花)の花

ジンチョウゲの原産地は中国南部で、室町時代にはすでに日本でも栽培されていたらしい。ジンチョウゲは雌雄異株だが、日本にある木はほとんどが雄株。開花時期は、 2月末~3月末頃。湾岸地域でも少し前から咲き始めている。 花芽は、前年の秋にはできている…

戸隠神社と関山神社

二つの神社に共通するのは、共に神仏習合の典型例であり、修験道と関係が深い点です。そこで、それらについて考えてみましょう。 修験道は山を神聖な場所と捉え、山の奥深くまで分け入り、修行することによって、神秘的な力を手に入れ、その力によって救済を…

カワズザクラ(河津桜)満開

近くに10本を越える河津桜があって、それがこの数日の陽気で、満開になっている。カワズザクラはオオシマザクラとカンヒザクラの交雑種と言われるが、シュゼンジカンザクラ(修善寺寒桜)もオオシマザクラとカンヒザクラの交雑種とのこと。また、カンザクラ…

実梅

食べる梅の代表は梅干しで、南高梅はその一つとして有名です。食べるウメ、つまり実ウメは花も実も楽しめ、育てやすく、農薬もほとんどいりません。ウメは品種が多く、中国からの渡来種のほか、日本では江戸時代にたくさんの品種の育成、改良が行われ、現在…

関山権現社の「権現(ごんげん)」とは

妙高市の関山神社は江戸時代まで「関山権現社」 と呼ばれ、三体の仏像を本尊としていました。「権現」とは、仏や菩薩が人々を救うために仮の姿(=神)になって現れることです。また、その現れた神のことも権現と呼びます。元の仏のことは本地仏(ほんじぶつ…

ナニワズ

ナニワズはジンチョウゲ科ジンチョウゲ属の落葉低木で、雌雄異株。エゾナニワズ(蝦夷難波津)、エゾナツボウズ(蝦夷夏坊主)が別名。ナニワズは福井や福島以北の本州、北海道に生育する。葉は長さ3~8㎝で、基部は楔形となってやや輪生状にかたまってつく…

サルココッカの花  

建物に近づくと、入り口の横の陰の薄暗いところからいい香りが漂ってくる。よく見れば、サルココッカの花が咲いていて、その香りなのだ。サルココッカはツゲ科サルココッカ属の常緑低木で、葉は濃い緑色で光沢がある。冬の緑も魅力だが、花は小さく、白色で…

フクジュソウの開花

晴海のトリトンスクエアで見掛けたのが春の訪れを告げるフクジュソウの花。フクジュソウはキンポウゲ科の多年草で、その眩しい黄金色の花で春を告げる。そのため、新年の季語となっていて、「福告ぐ草(フクツグソウ)」という名前が江戸時代に使われた。そ…

ツルニチニチソウ(蔓日々草)とオオイヌノフグリ(大犬の陰嚢)

妙高は大雪なのに、湾岸地域は春の兆しに満ちている。その一つのツルニチニチソウはキョウチクトウ科ビンカ属の常緑蔓性植物。容易に栽培可能で、花が美しいことから、現在では逸出したものが野生化し、帰化植物として広く定着している。属名のビンカは、ラ…

白いグラジオラス

​​​グラジオラス(英名Gladiolus)はアヤメ科グラジオラス属の総称で、日本には自生種はなく、いずれも園芸植物であると。別名はトウショウブ(唐菖蒲)、あるいはオランダショウブ(阿蘭陀菖蒲)で、原産地はアフリカ、南ヨーロッパ、西アジア。 グラジオラ…

キンカン(金柑)

キンカンはミカン科の果実の中ですが、果皮のまま食べることができ、皮を捨てて果肉を食べるミカンとは違います。キンカンは高さ3 mほどの常緑低木で、枝は棘がほとんどなく、夏に1~3個の小さな白い花をつけます。果実は球形か短卵形で、黄金色。 「金」は…

妙高の神社:要約

これまで何回か妙高市の仏教や神道につて述べてきました。色々なコメントいただきありがとうございました。これまでの話を簡単にまとめておきます。 神道への私たちのイメージは明治時代以後にできた国家神道に基づいています。それをさらに辿ると、 古代国…

早春の紫

2月も半ばとなると、梅が咲き、春の気配が漂い出す。春の兆しを演出する雑草となれば、ホトケノザ、ヤハズエンドウ、そしてムラサキツメグサといった面々で、よく似た紫色の花をつけている。豊洲市場の周りは豊洲ぐるり公園として遊歩道が整備されているが、…

カジイチゴの新芽

芽の出たカジイチゴは「芽出し木苺」と呼ばれる生け花の花材になっている。コロナ感染症や昨夜の地震と世は騒然としているが、青々として、瑞々しく春の到来を予感させる花材である(画像)。 クサイチゴは草本、つまり草(くさ)だが、カジイチゴは低木であ…

梅の花

ウメ、サクラ、ハナミズキなどは白やピンクの花をつけます。今はウメがあちこちで咲いていますが、湾岸地域ではウメが次第に減って、ハナミズキが増えたような気がします。いずれも白とピンクの花をつけますが、アメリカ原産のハナミズキと違って、ウメは中…

亀戸天神

江東区にある亀戸天神社は菅原道真を祀り、学問の神様として親しまれている。藤と梅の名所で知られ、歌川広重の『名所江戸百景』にも描かれている(「亀戸天神境内」、藤と女橋が題材)。また、亀戸には梅屋敷もあり、梅と縁が深い(「亀戸梅屋敷」はゴッホ…

オオキバナカタバミの花

オオキバナカタバミ(大黄花片喰、大黄花酢漿草)は既に紹介済みだが、2月に入り目立つようになってきた。湾岸地域ではすっかり定着し、あちこちで花をつけている。オオキバナカタバミは南アフリカ原産で、現在では世界の温帯地域に帰化し、定着している。日…

ビオラ

ビオラ(Viola)はスミレのラテン語名で、パンジーとの区別は曖昧です。花径5cm以上をパンジー、4cm以下をヴィオラとすることが多いようです。パンジーはヨーロッパの野生の「スミレ」から改良されたものです。花期は秋から春にかけてで、今頃はパンジーやビ…

妙高の仏教と神道:メモ

<仏教> 妙高市の寺院数は71。その内訳を見ると、単立1、曹洞宗1、真宗大谷派(東)45、浄土真宗本願寺派(西)22、真言宗醍醐派(修験道)1、天台寺門宗1となっている。すぐに気づくように、大半が浄土真宗で、それもお東が優位を占めている。寺院の94%以…

飛梅

ウメ(梅)はバラ科サクラ属の落葉高木で、1月の下旬から花が咲き出します。桜と違って、咲き方も散り方もゆっくりしている梅を愛したのが菅原道真。彼は宇多天皇に仕え、漢学者、政治家として活躍しました。でも、宇多天皇の譲位で、後ろ盾を失くし、無実の…

点と零

ユークリッドの『原論』(Euclid, Elements)は「点とは部分のないもの」という点の定義から始まる。その点にサイズがあれば、そのサイズの半分のサイズがあり、それは元のものの一部分だから、点には部分があることになり、点の定義に反する。だから、点に…

ヤハズエンドウ

ヤハズエンドウは本州以南の日本各地に生育する一年生草本で、3月頃に花をつける。だが、湾岸地域では既に咲き始めている。何度か繁茂を繰り返し、芝生の斜面などにこんもりと生茂っていて、誇らしげに咲いた紫の花が陽の光を浴びている。ヤハズエンドウの和…

「花より枝」のサンゴミズキ

ミズキは低山や原野に自生する落葉樹。春先に枝を切ると水が滴り落ちることからミズキ(水木)と呼ばれ、その一種がハナミズキ。サンゴジュ(珊瑚樹)は日本と東南アジア原産で、レンプクソウ科の耐寒性常緑高木。秋に真っ赤な光沢のある果実をつける(画像…

植物の性態の一端

動物のように動けない植物でも子供をつくるには他の花から花粉をもらう必要がある。花は基本的には雄しべと雌しべのある両性花だが、下手をすると自分の花粉が自分の雌しべについてしまう。つまり、近親交配がおこる(植物の場合は「自家受粉」)。では、他…