2021-01-01から1ヶ月間の記事一覧

東京湾のクロマツの冬芽

マツと海岸は風景の絶妙の組み合わせの一つで、「松原」の名所はあちこちにあります。その松林の代表がクロマツで、マツ科マツ属の常緑高木です。クロマツの名は樹皮が黒っぽいことから命名されました。また、葉が太く長いので「雄松」とも呼ばれます。画像…

ヒメユズリハの黒い実

ヒメユズリハ(姫譲葉)は、ユズリハ科ユズリハ属の常緑樹。同属のユズリハによく似ていて、区別が厄介である。春に若葉が出ると、古い葉が落ちることから、「譲葉」と呼ばれた。ユズリハは枝の出方が大ぶりで、どこか荒っぽい印象を受けるが、ヒメユズリハ…

名前を忘れる

「憶えていない名前(もの)は思い出せないし、忘れた名前(もの)は憶えておらず、それゆえ、忘れた名前(もの)は思い出せない。」これは当たり前の推論で、そこに登場する言明も正しいことから、つまらない自明の主張だと誰もが判断する。だが、名前(も…

江戸前の火力発電所

寒波によって大雪だけでなく、電力需給が逼迫している。そのためか、そして寒波のためか、煙突からの煙が妙に大きく、火力発電所の存在感を強めている。 東京電力の火力発電所は東京湾内に15箇所(3,777 万kW)あり、その 76%が東京湾の埋立地に集中してい…

小学校の校歌

以前新井小学校の校歌の作詞者、作曲者について書いた(巽聖歌作詞、信時潔作曲、巽は「たきび」の作詞、信時は「海ゆかば」の作曲で有名である)が、私が知るだけでも「この人が」という人が作詞や作曲をしている。その一人が堀口大學で、文化勲章受章の詩…

オオキバナカタバミの花

オオキバナカタバミ(大黄花片喰、大黄花酢漿草)は、カタバミ科カタバミ属の多年草。原産は南アフリカで、現在では世界各地に帰化植物として定着している。日本では1890年代に観賞用に輸入されたが、野外に逸出し、現在では関東から九州まで分布している。…

「一茶と良寛の違い」への私的な解答

江戸時代の三大俳人は松尾芭蕉、与謝蕪村、それに小林一茶。 芭蕉より100年近く遅れて蕪村、その蕪村より50年遅れの一茶。また、良寛と一茶は同世代人。芭蕉が生涯に残した俳句は約1,000句、蕪村は約3,000句、一茶はなんと約20,000句を残している。それに対…

ジャカランダの実

ジャカランダの花は「青い桜」とも言われ、花が散るとあたり一面を青紫の絨毯で埋め尽くし、それもまた桜の花そっくりで、近くでは熱海のジャカランダが有名。青紫の神秘的な花をつけた姿はホウオウボク(鳳凰木)、カエンボク(火炎木)と並んで「世界三大…

タブノキの冬芽

冬でも緑があり、落葉の心配もないからなのか、湾岸地域の木々は常緑樹が目につきます。よく見かけるタブノキもクスノキ科のタブノキ属の常緑高木。本州から沖縄にかけての照葉樹林の代表種の一つ。画像のような枝先につく冬芽は卵形の頂芽で、「混芽」と呼…

カルーナ・ガーデンガールズ

ツツジ科ギョリュウモドキ属 (カルーナ属)のカルーナは、シベリア、ヨーロッパ、北アフリカに分布する常緑性の低木。美しい花を咲かせることから、観賞用として世界で広く栽培され、ヨーロッパではグランドカバーに利用され、1000種以上に及ぶ園芸品種があ…

相馬御風の文学碑から

糸魚川歴史民俗資料館(相馬御風記念館)傍に御風の文学碑があり、そこには『還元録』の一節が刻まれています。「私は今その心の故郷へと帰って行くのである そして全く従順なる心を以て そこの生活の味はひを味はひ それによって失われつつあった私の心の統…

春よ来い

童謡「春よ来い」の作詞は相馬御風。早稲田大学の校歌「都の西北」の作詞でも知られる御風は糸魚川市が故郷。雪国越後の春を待つ気持ちが長女の文子(あやこ)や梅の蕾によって表されています。 春よ来い 早く来い あるきはじめた みいちゃんが 赤い鼻緒(は…

ソシンロウバイ(素心蝋梅)

「素心」は世俗にとらわれない純粋な心。まるで蝋細工のような花が今年も見事に咲いている。「ソシン(素心)」と「ロウバイ(蝋梅)」の二つが合成されたのがソシンロウバイ。花弁、花芯まで同じ色の花を、中国では素心と呼ぶことに由来している。蝋梅の由…

えちご妙高にかかわる俳人たちを想う(6)

<俳句から和歌へ> 越後の人にはおなじみの「新潟日報」の題字は会津八一の筆によるもの。彼の雅号は「秋艸道人」あるいは「秋艸堂主人」。「艸」は「草」で、「秋艸」は「しゅうそう」と読み、「秋の草」のことです。妙高市の「艸原祭」の「艸」は「茅」の…

ジャノメエリカ(エリカ・カナリクラータ)

ジャノメエリカは南アフリカ原産で、大正9年に渡来。高さ50㎝を越え、葉は長さ4-6㎜で厚みがあります。花期は12-4月と長く、枝の先端に花径3㎜ほどの小さなピンク色の釣鐘型の花を3-6個つけます。花茎は赤色で細毛が生え、萼は白く4裂し、雄しべは8本、花…

雑件二つから

(1)偶然と因縁 会津八一が1881年8月1日に生まれ、そこには1と8だけが登場するため、「一八」ではなく、「八一」と命名されたというのは偶然のことの筈だが、運命めいたものを感じる人は少なくない。 その八一が1881年生まれ、1882年に生まれたのが上越の小…

カネノナルキの花

観葉植物の代表の一つがカネノナルキ(金のなる木)で、ベンケイソウ科クラッスス属の南アフリカに分布する多肉植物です。正式には、クラッスラ・ポルツラケア( Crassula portulacea)。園芸名はカゲツ(花月)、和名はフチベニベンケイ(縁紅弁慶)。カネ…

えちご妙高にかかわる俳人たちを想う(5)

良寛の宗派は禅宗なのか、それとも浄土真宗なのか、判然としません。禅僧である良寛の和歌には念仏が当たり前のように登場します。 良寛に 辞世あるかと 人問わば 南無阿弥陀仏と 言ふと答えよ 草の庵(いお)に 寝ても覚めても 申すこと 南無阿弥陀仏 南無…

マサキ

近くの公園にマサキの木がたくさんあり、それらがほぼどれも橙赤色の種子を見せている。マサキ(柾、正木)は、ニシキギ科ニシキギ属の常緑低木で、全国に分布する。丈夫で成長が早く、刈り込みにも強いため、垣根に利用されてきた。そのため、園芸品種が多…

正月風景

コロナ禍で正月気分にもなれないが、湾岸地域は晴天で、青空に凧が舞っていた。江戸時代は一般的に「イカ揚げ」として親しまれていたらしい。幕府はそれを禁止しようとしたが、庶民は「イカ揚げ」ではなく「タコ揚げ」だと言って続けたようである。浮世絵に…

えちご妙高にかかわる俳人たちを想う(4)

<えちごの良寛> 越後には詩人が多い。実際、後述する会津八一も相馬御風も、そして西脇順三郎も越後生まれの詩人。越後出身だが、その文学が 越後的、越後風などということはない。彼らが求めた詩や歌の精神は人間の生存や自然に根ざした普遍的なもので、…

青雲丸

新春の有明西埠頭に青雲丸が停泊している。昨年の正月は海王丸が停泊していた。よく似た正月風景がダブる。青雲丸も海王丸も独立行政法人海技教育機構の航海練習船。銀河丸とよく似た青雲丸、日本丸とよく似た海王丸と、それぞれ高速練習船と大型帆船である…

えちご妙高にかかわる俳人たちを想う(3)

<詠まれた風景は事実を写生したものではなく、事実を再構成したもの> 芭蕉は『おくのほそ道』本文の中で、越後の北国街道については出来事を記さず、「暑湿の労に、神(しん)をなやまし病おこりて、事をしるさず」と述べるのみで、その段の最後に二句だけ…

エリカ・コロランス

エリカ・コロランスは南アフリカ原産で、エリカ・コロランス 'ホワイト・デライト' (Erica colorans 'White delight') はその園芸品種(画像)。ツツジ科エリカ属の半耐寒性常緑小低木で、エリカの一品種。 筒形をした花は長さが14-16㎜で、咲き始めは純…

えちご妙高にかかわる俳人たちを想う(2)

『おくのほそ道』では、江戸深川を3月に出発し、日光、松島、平泉まで行き、山形を通って新潟から金沢に入り、その後、敦賀に行き、8月に大垣に到着、さらに伊勢に向けて出発するまでが述べられている。深川の仙台堀川橋のたもとにある採茶庵(さいとあん)…

新年

新年おめでとうございます。 紅白は白黒にあらず、めでたきかな。