2020-04-01から1ヶ月間の記事一覧

ギリシャの哲学と数学のその後

ギリシャ哲学の天才たちについて改めて語るまでもない。ギリシア数学初期の天才はミレトスのターレス(B.C.620?~550?)とサモスのピタゴラス(B.C.580?~500?)。彼らの著作は何一つ残っていないが、その業績はその後のギリシア数学の先駆けとなった。 ロー…

ヒトツバタゴとジューンベリー

ヒトツバタゴは環境省のレッドリストで絶滅危惧II類(VU)。別名はナンジャモンジャの木。なお、名前の由来は、「一つ葉のタゴ(トネリコの別名)」からきている。複葉のトネリコに対し、ヒトツバタゴは単葉。ヒトツバタゴの自生地は、2か所が国の天然記念物…

人間による人間に対する偏見

人間は「理性的で、倫理や道徳をもつ動物である」と伝統的に捉えられてきました。これを言い換えるなら、「人間とは、信念と欲求をもつ、合理的で倫理的なシステムである」というお馴染みの表現になります。そこで、人間の倫理や道徳の萌芽である「利他性(a…

感染症では開発途上国の日本

今日もテレビで国会議員が日本がこれまで新型コロナウイルス感染症対策の柱にしてきたクラスター潰しから、韓国やドイツの「PCR検査の徹底と隔離」の政策へと転換すべきだと主張し、未だにクラスター対策班が中心になっているため、専門家会議にも新しい人々…

ハナミズキ

ハナミズキ(花水木)は、ミズキ科ミズキ属ヤマボウシ亜属の落葉高木。北アメリカ原産のハナミズキの名は、水木の仲間で、花が目立つことから点いた。また、アメリカヤマボウシの名は日本の近縁種のヤマボウシに似ていることから。1912年に当時の東京市長尾…

統計力学とボルツマンの死

熱力学の「エントロピー増大の法則」は20世紀に入る頃には広く知られていたが、「どうしてエントロピーは増大するのか?」 ということは誰にもわからなかった。わからなかったけれども、科学者たちは、「エントロピーは増大する!それは本物の物理学の法則な…

ツバキの花の終わりに

新型コロナウイルス騒ぎの中で、春が過ぎようとしている。冬のツバキは既に咲き終わり、その残滓だけが妙に目につく。ツバキの花はどこか傷ついたものが多く、完全な花弁の花は少ないのだが、画像はそのような花である。赤と白という色だけではなく、形も随…

接触8割減を説明する

なぜ「接触8割削減」の行動変容が求められるのか。その理由がきちんと説明されていないなどと野党の国会議員がテレビで叫び、与党の国会議員がそれに応じるといった場面があり、確かに国民は8割減の理由をきちんと理解しているのか自問してみると、私がこれ…

アシュガとキランソウ

シソ科のキランソウ属は園芸では学名のアジュガで呼ばれます。アジュガはセイヨウキランソウから作出された園芸品種が多く、日本に自生するジュウニヒトエやキランソウもアジュガの仲間です。アジュガの原産地はヨーロッパ、今花が咲いています。普通に出回…

ワクチン、そして薬

病原体に似たものをつくり、少量を人体に投与すると、私たちの免疫系がその病原体を強く記憶し、病原体に暴露されたとき、攻撃を始める。これがワクチン。 ワクチンをつくる最初の方法は、微生物をそのまま弱毒化させる方法(生ワクチン)。病原体をヒト以外…

ミツバツツジ

子供の頃と違って、今はどこでもツツジが煩い程に目につく。そのツツジが早くも花をつけ始めている。花が多すぎて、こちらの方が疲れてしまう。画像のミツバツツジ(三葉躑躅)はツツジ科ツツジ属の落葉低木。関東地方から近畿地方東部の太平洋側に分布し、…

NHKの番組から

NHKスペシャル「新型コロナウイルス瀬戸際の攻防~感染拡大阻止最前線からの報告」(https://www2.nhk.or.jp/hensei/program/p.cgi…) 昨夜のNHKの午後9時からの番組はこれまでの日本の対策がどのように行われてきたかを素直に描いていて、政治家も役人も、…

今咲いているサクラたち

山に咲くヤマザクラも、人里に咲くサトザクラも今年は人々から愛でられること少なく、早々に散っていった。それでも、園芸種の中には今でも咲いているサクラが結構ある。それらの幾つかを画像で愛でてみたい。 ・紅豊(ベニユタカ) 松前紅豊(マツマエベニ…

狐につままれた老人

役所の表現によれば、「緊急事態宣言」とは「全国的かつ急速なまん延の恐れのある新感染症に対する対策の強化を図り、国民の生活と健康を保護し、国民生活や国民経済に及ぼす影響が最小となるために行うもので、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づい…

クサノオウとヘラオオバコ

クサノオウ(瘡の王、草の黄、草の王)はケシ科クサノオウ属の草本植物。全草に約21種のアルカロイド成分を含み、その多くが人間にとって有毒。黄色い汁が皮膚に触れると炎症を起こす場合があり、誤食すると昏睡、呼吸麻痺、感覚末梢神経麻痺などを起こす。 …

新型コロナウイルス感染症対策の行方

既に昨日述べたことと小池知事と西浦教授のYouTubeを再度まとめてみる。 (https://ceron.jp/url/www.youtube.com/watch?v=vflfImmR59g) 「8割」はどこから導き出されたか、あるいは「なぜ8割なのか」 (クラスター対策班のTwitterでの西浦教授の説明の要約…

シキミ(樒)

シキミ(樒)はマツブサ科シキミ属の常緑小高木。有毒で、実の形状は中華料理で多用される八角に似ていて、誤食されやすい。仏事に用いるためよく寺院に植えられている。また、漢字では「櫁」、「梻」と書かれることもある。 梻(しきみ)と榊(さかき)とい…

「8割」はどこから導き出されたか、あるいは「なぜ8割なのか」

(クラスター対策班のTwitterでの説明) 人口の増減と感染者の増減は数に関して同じ振舞いをするため人口に関する基本再生産数R0を感染者の動態モデルにも適用してきました。ヨーロッパでの感染状況から基本再生産数は2.5.再生産とは人間なら出産であり、人…

エニシダ二種

エニシダは原産地が地中海沿岸の低木。開花期は春で、今咲いている。明治期に導入され、湘南地方など海岸沿いの温暖な砂地の庭木や公園用樹として植えられてきた。エニシダの種は成熟すると殻が激しく爆発することで遠くへ飛んでいくことで知られている。時…

接触の8割減

専門者会議の接触8割減によって感染者を減らすという考えが首相によって使われたため、今日はニュースからワイドショーまで広くこの8割減の話が登場した。このシミュレーションをした西浦教授自身がTwitter(https://twitter.com/ClusterJapan、6日に紹介)…

緊急事態宣言を聞きながら

4月3日、在日アメリカ大使館が訪日アメリカ人に帰国準備を促した。(1)日本の検査体制は不十分で、新型コロナウイルスの感染状況が把握できず、(2)感染者が急増中で、日本の医療体制が機能しなくなる恐れがあり、(3)これまでのような医療が受けられなく…

アメリカフウロ(亜米利加風露)

アメリカフウロはフウロソウ科フウロソウ属の雑草。道端のアメリカフウロの葉はヨモギにそっくりで、花はゲンノショウコ(現の証拠)に似ている。だが、花の開花時期はアメリカフウロが春から夏、ゲンノショウコは夏から秋で区別できる。 アメリカフウロは北…

保健所の役割

PCR検査についての政府の立場は、PCR検査をむやみに行うと、それが医療崩壊につながり、死者や重症者を出さないため、高齢者や基礎疾患がある人の受診を優先するという訳のわからないもので、それが繰り返されてきた。PCR検査に関して日本は開発途上国。 感…

専門家会議の戦略

*グラフは4月3日の日経電子版 グラフをつくった西浦教授は数理モデルを使って解析する専門家で、専門家会議のメンバー。その予測によれば、何も対策を講じなければ東京都の感染者数は急増し、1日あたり数千人を超えてさらに増加する。一方、8割程度接触を減…

ハハコグサ(母子草)

ハハコグサは、キク科ハハコグサ属の越年草。春の七草の一つとして御形(ごぎょう、おぎょう)と呼ばれ、茎葉の若いものを食べる。開花時期は4月から5月末まで。柔らかい薄緑色の葉の先に、黄色の花がつぶつぶになってかたまって咲く。 ハハコグサは春の田圃…

際限ない欲望の制限

人気絶頂と評されるラーメン店の前には長い行列ができる。そして、医療崩壊寸前と案じられる病院に患者が殺到し、長い行列ができる。ラーメン店も病院も設備や人手を増やし、対応しようとする。その後、ラーメンの味が飽きられ、流行がおさまると、増やした…

ツタバウンランとアカバナユウゲショウ

オオバコ科のツタバウンラン(蔦葉海蘭)の「ウンラン」は、開花した花の姿がウンラン(海蘭)に、葉っぱの様子がツタ(蔦)に似ていたので、その二つを合わせて「ツタバウンラン」と呼ばれるようになった。別名は「海蘭葛(うんらんかずら)」、「蔦唐草(…

私がコロナウイルスに関心をもった理由の一つ

誰も奇妙に思うのは、いつも世間離れした哲学にしか関心をもたない私が新型コロナウイルスに関心をもったこと。その理由の一つは感染症流行の数理モデル。集団遺伝学は遺伝学でありながら、統計的な数理モデルの研究がもっぱらであるが、それによく似て、疫…

ワスレナグサとキュウリグサ

勿忘草 (わすれなぐさ)と言えば、忘れらない歌が抒情的な「忘れな草をあなたに」。ドナウ川の岸に咲くこの花を恋人ベルタに贈ろうとして、誤って川に落ちて死んでしまった騎士ルドルフ。「Vergiss mein nicht、Forget me not、私を忘れないでください」と…

東京はどうなる?

PCR検査は相変わらず議論が続いている。新型コロナウイルスに対する検査には、このPCR検査に加えて、抗体検査(血清検査)がある。PCR検査は鼻腔や喉を綿棒でこすって採取した粘液を使ってウイルスの有無を検査する。粘液の採取は専門家が行うが、感染の危険…