2020-03-01から1ヶ月間の記事一覧

キクモモ

キクモモ(菊桃)はバラ科サクラ属の落葉小高木。ハナモモの一品種で、名前は花弁が細長くキクに似ていることに由来。別名はゲンジグルマ(源氏車)。濃い紅色の八重咲き。花期は3月下旬から1か月ほど。ハナモモの品種である「照手桃」、「源平枝垂れ」など…

緊急記者会見

昨夜は小池都知事の記者会見に専門家会議の西浦北大教授、国際感染症センター長の大曲先生が同席した。小池知事は感染拡大を押さえられるかどうかの重大局面だと強調し、クラスター対策班の立場から西浦教授が、感染経路が不明な症例のうち、夜間から早朝に…

流行のピークをなだらかにすることの意味

アメリカで最初の感染者が見つかったのは1月21日。3月10日に感染者が1000人を超えた頃から急激に増加。2週間前は日本と感染者数がほとんど変わらなかったのに、今では全米の感染者数は13万6千人を越え、ニューヨーク市の死者は678名。専門家会議は既に3月19…

ニオイトサミズキ、そしてヒュウガミズキとトサミズキ

ニオイトサミズキ(匂土佐水木)、またはシナミズキ(支那水木)はマンサク科トサミズキ属で、原産地は中国西南部。花期は3月半ば~4月半ば。大型の房咲きの花で花つきがよく花色も濃い。花には清らかな東洋蘭、あるいはバニラのような香りがある。花びらは…

自粛して日曜に家に閉じこもる人の退屈しのぎのために

次のAとBについて子供たちと一緒に考えてみてほしい。 A日本とドイツの対策がPCR検査に関して正反対で、いずれが正しいのか相変わらず議論が続いている。できるだけ多くの人に検査を実施し、感染状況のデータを重視するドイツに対し、重症者に対する検査を中…

社会距離を置く(social distancing)

ワクチンがまだなく、薬も試行錯誤の状態では実効再生産数Rを1未満にするための方策は、R=(1-e)R0ですから、eは感染しないための私たちの工夫を数値したものということになります。 無免疫者数の変化=-感染する比率×発症者数×感染者数 感染者数の変化=感…

カラクサケマンとハマダイコン

ケシ科のカラクサケマンはヨーロッパ原産の帰化植物で、明治時代末期に渡来した。ムラサキケマンに似た花をつけるがずっと小型で、よく枝分かれし、日当たりの良い場所などで地面を這うように伸び、群落を作る。空き地や道端でみられる一年草または越年草で…

集団免疫と集団免疫率

生命科学の分野には集団遺伝学や感染症疫学のように数理モデル(統計モデルや非線形モデル)を使う数学的分野がある。感染症は社会に深刻な影響を与えるが、感染症の数理モデルが開発され、研究が進められてきた。数理モデルは実証的なモデルとは違って、数…

ハナズオウ(花蘇芳)二種

ハナズオウは中国原産のマメ科の落葉樹で、春に画像のような見事な花が咲く。別名が蘇芳花(スオウバナ)。高さは2-3mになり、早春に枝に花芽をたくさんつけ、葉が出る前に開花する。花には花柄がなく、枝から直接に花がついている。花は紅色から赤紫で長さ1…

和子さんの小さな講義

基本的な事柄の二つを考えてみましょう。まずは名前のこと。「新型コロナウイルス」は「妙高の新生児」と同じようなもので、きちんとした名前とは言えません。正式名はSARS-CoV-2、そして、そのウイルスが引き起こす「新形コロナウイルス感染症」がCOVID-19…

レンギョウ(連翹)

湾岸地域の公園や道筋にはあちこちにレンギョウが植えられ、それが今一斉に花をつけている。レンギョウはモクセイ科レンギョウ属の総称。古名は「鼬草」(いたちぐさ)。レンギョウは中国原産で、江戸時代に渡来。当時は主に観賞用として栽培されていた。 レ…

「感染爆発重大局面」

レトリックに敏感な小池都知事の会見でのキーワードが「感染爆発(オーバーシュート)重大局面」。東京都の今の状況をこのように呼び、都民に訴えた。その訴えは、このままでは「In a nutshell, the current situation is a serious phase of an infection e…

マツバウンランとオオアラセイトウの紫の花

葉の形が松葉、花がウンランに似ていることからこの名がついた越年草で、北アメリカ原産の帰化植物。意外に新しく、1941年に京都市で初めて採集された。現在では北関東、北陸地方以西に普通に見られる。何とも弱々しい茎だが、ウンランに似た花は薄紫色で美…

新型コロナウイルス感染症についての老人の杞憂

感染症の対策で重要なのは、感染しない、感染させないこと。感染者は時間の経過で、免疫が働き、ウイルスが駆逐され、回復し、ウイルスは感染力を失う。また、感染者が亡くなっても感染力を失う。だが、感染すると、別の感染者を生み出す危険がある。既に何…

歴史について哲学しよう

(1) もし釈迦ではなくキリストがインドに生まれていたら、もし科学革命が中国で起こっていたら、もしプラトンが日本に生まれていたら、といった仮定を真面目に考えるならば、そのような仮定を置いた歴史はそれでも同じ現代を生み出していただろうか、と必…

ヒカゲツツジ

ヒカゲツツジ(日陰躑躅)は、ツツジ科ツツジ属の常緑低木。別名が、「サワテラシ」。山地、川岸の岩場などに生える。5月頃までにクリーム色ないしは淡黄緑色の花を付ける。シャクナゲに近い形だが、ツツジの名がつく。関東以西の本州、四国及び九州に分布す…

沈黙する数字(和夫君と和子さんのレポート)

日曜の日テレの朝8時からの番組に大阪府知事が登場し、厚労省の文書を自らの政治判断で公表したとし、それなりの出席者が全員厚労省のデータ隠しを非難したのだ。確かに具体的に対策を打たない場合の患者数や重篤者数が文書に書いてあったが、それは提案内容…

マメナシ(豆梨)

マメナシはアメリカハナナシとも呼ばれるハナナシの園芸品種。秋に紅葉し、バラ科ナシ属の落葉高木。別名がイヌナシ。花びらは白色、雄しべの先端(葯)が紫色で、白と紫のコントラストが美しい。花は径2.5cmほどの5弁花で、葉が出る前か、同時に咲く。雄し…

和夫君と和子さんの共同レポート

二人でそれぞれのレポートを読み、現状への認識と対策を次のようにまとめた。 Global Virome Projectはスケールが大きい計画である。Science(Vol 359, Issue 6378, 23, Feb., 2018)の論文によれば、ウイルスには111の「科」があり、うち25系統はヒトに感染…

キランソウ

金瘡小草(きらんそう)、金襴草(きらんそう)、いずれもフリガナがないと読めない。別名が地獄の釜の蓋(じごくのかまのふた)、弘法草(こうぼうそう)で、どれもこれも一筋縄ではいかない名前である。「金襴草」の名の由来は、草むらに咲き広がる様子が…

集団感染とクラスター

専門家会議は「これまで集団感染が確認された場に共通するのは、①換気の悪い密閉空間であった、②多くの人が密集していた、③近距離(互いに手を伸ばしたら届く距離)での会話や発声が行われたという 3 つの条件が同時に重なった場です。」と述べています。こ…

スノーフレーク

和名が鈴蘭水仙(すずらんずいせん)のスノーフレークは、ヒガンバナ科・スノーフレーク属の球根植物。花がスズランに、葉がスイセンに似ていることから、鈴蘭水仙。全草にリコリンやガランタミンといったアルカロイドをもつ有毒植物。葉っぱがニラに似てい…

オーバーシュート(爆発的な感染拡大)

このタイトルは英語なのだが、迷うにしても何となくわかってしまう。今は株価もオーバーシュートしている。医学用語とは違い、公衆衛生学や感染症学の用語は自然言語で、直感的なのだ。リンクが追えない市中感染者からのR>1の感染によって、感染者数の爆発…

和夫君の新型コロナウイルス感染症

3月17日に「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第1版」が、19日に「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言」が出されたとニュースで聞いた和夫君は休校の退屈まぎれに厚労省のホームページで探してみた。中学2年の和夫君にはその手…

イワニガナ(岩苦菜)

「イワニガナ」とは何とも発音しにくいが、キク科ニガナ属の多年草。別名ジシバリ(地縛り)も異様な名前である。ところが、その名前とは違って、山野の日当たりの良いところに生え、一見するとタンポポのような黄色い花。だが、葉の形がタンポポのようなギ…

新型コロナウイルス感染症への日本の対策

3月19日専門家会議が「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言」を公表(全文は厚労省のホームページ参照)。日本国内の感染状況について、引き続き持ちこたえているが、一部の地域では感染拡大が見られ、今後感染源の分からない患者数が継続的に増加…

モクレンの木

モクレン(木蓮、木蘭)は、モクレン属の落葉低木。花が紫色であることから、シモクレン(紫木蓮)の別名もある。昔は「木蘭(もくらん)」と呼ばれていたこともあるが、これは花がランに似ているため。だが、今ではランよりもハスの花に似ているとして「木…

実在、感覚、そして、言葉の間で(4)

<第二性質は感覚的なのか、あるいは色は主観的なのか> 私たちが住む物理世界は数学によって表現され、信頼できる仕方で説明や予測ができます。これが科学革命の目標で、その実現をスタートさせた一人がガリレオ・ガリレイでした。数学が嫌いな人は物理学も…

満開のコブシ

新型コロナウイルスで騒然となっている世界でも、サクラが淡々と開花し、コブシが満開となっている。ウイルスの危険の横で、コブシの満開は地球温暖化を知らせるサインかも知れないと思うと、花見などと浮かれている場合ではない気になる。とはいえ、真っ白…

国ごとの対策

英政府の首席科学顧問、サー・パトリック・ヴァランスと、イングランド主任医務官のクリス・ウィッティーは現時点で厳しい行動制限を導入するのは時期尚早と判断。イギリスの対策は、感染拡大のピークを夏まで遅らせるという戦略。夏には医療機関への圧迫は…