2019-09-01から1ヶ月間の記事一覧

色々な秋

先日赤いヒガンバナ(彼岸花)を載せた。マンジュシャゲ(曼珠沙華、マンジュシャカ)では「天上の花」という意味で、葉のあるときに花はなく、花のあるときに葉がないと書いた。今あちこちにヒガンバナを見ることができる。その花の色も色々で、花だけで眼…

意識と感覚経験

私たちの周りには色んな性質をもった対象が溢れている。どんな性質があるか、性質の範囲を眺めてみよう。幾つかは机、岩といったものに共通の性質である。サイズ、重さ、形態がそれら共通のものであり、要するに物質的な性質と呼ばれているものである。他の…

イヌツゲ

豊洲の新市場も静かになり、「新」が取れ、豊洲市場になっての日常の生活が続いている。開場までは大変だったが、今は誰も話題にしない。市場の周りも空地が目立ったが、それも徐々になくなりつつある。市場の東京寄りの対岸は晴海で、タワーマンションが立…

固い決定論、柔らかい決定論、そして非決定論

自由と決定に関して、ここでは伝統的な三つの立場を解説し、自由と決定が難問の一つであることを強調してみよう。まず、それら三つの立場を分類しておこう。 1. 固い決定論:スキナー、フロイト、ローレンツが主張し、哲学者の多くは否定する。2. 柔らかい…

ダリア

ダリアは、キク科ダリア属の多年生植物。天竺牡丹(テンジクボタン)が和名で、花の形が牡丹に似ているため。開花時期は初夏から秋。メキシコが原産で、メキシコの国花。メキシコの高原地帯に自生していたが、18世紀にメキシコからスペインに送られ、広まっ…

人口減少の中での地方都市の将来計画

第3次妙高市総合計画(案)は2020-2024の5年計画案で、人口減少が主要な事柄で、気が滅入る内容になっています。妙高市の試算でも2060年17,944人です。人口減少、少子高齢化、過疎化に対してICT(Information and Communication Technology)を活用して、持…

ナデシコ

カワラナデシコは日本原産で、深い切込みの花びらが特徴で、ピンクや紫などがあり、繊細で凛とした印象のナデシコ。ナデシコは、ナデシコ科ナデシコ属の草花ですが、ナデシコという特定の種があるわけではなく、園芸的には、単にナデシコと言うとナデシコ属…

「dialectic」の想い出

1980年頃私はある学会の事務仕事をしていて、各理事の専門分野等どうでもいいことが記憶に残っている。今では考えられないことだが、政党の党員、弁証法的唯物論やカント主義の専門家が多くを占め、私が高校時代に想像したものと大差なく、私が大学で論理学…

花と蝶

演歌のタイトルではなく、文字通りの花と蝶。画像を整理していたら、花と蝶が目についたのだ。秋に入り、キバナコスモスの花にとまるチョウが目立つ。画像はヒメアカタテハ。湾岸地域ではオオハルシャギク(コスモス、アキザクラ(秋桜))より、キバナコス…

指示の本性

[ラッセル, 指示について]Bertrand Russell, On Denoting, Mind 114 (456):873 – 887.『現代哲学基本論文集』第I巻、「指示について」清水義夫訳 勁草書房、1986年、pp.47-78.意味についての素朴な理論は、単称名辞「t」の意味はその指示である、という主張…

秋の赤

ヒガンバナ(彼岸花)は、ヒガンバナ科ヒガンバナ属の多年草。別名はマンジュシャゲ(曼珠沙華、マンジュシャカ)で、「天上の花」という意味。仏典によれば、おめでたい事が起こる兆しに、赤い花が天からふってくるという。 有毒の球根性で、群生し、9月中…

意味の本性(3)

[タルスキ:真理の意味論的観点と意味論の基礎](真理の定義)私たちは日常生活の中で信念、文、言明の真偽を区別せずに語るが、タルスキ(Alfred Tarski, 1901- 1983)が関心をもつのは文の真理である。ある文が真か偽かがタルスキの関心である。それゆえ、…

エノキ

エノキ(榎)はニレ科エノキ属の落葉高木。「榎」という漢字は道の脇の大樹が木陰を作るので、夏の木の意味の和字。秋には直径5-6mmの球形の実をつける。熟すと橙褐色になり、食べることができる。味は甘く、昔は子供のおやつだった(画像)。名前の由来は諸…

意味の本性(2)

[クワイン、経験主義の二つのドグマ](W. V. Quine (1951), Two dogmas of Empiricism , Philosophical Review 60 (1):20-43. From a Logical Point of View: 9 Logico-Philosophical Essays, (Harvard University Press, 1953). 中山浩二郎・持丸悦朗訳『論…

クサギ

クサギ(臭木)はビックリ仰天の名前だが、日当たりのよい野原によく見られるシソ科の落葉小高木。葉に異臭があることからこの名がついた。錠剤のビタミンB剤の匂いに似ている。葉は大きく、長い葉柄を含めて30cmにもなり、柔らかくて薄く、柔らかな毛を密生…

意味の本性(1)

[フレーゲ:思想、論理的探求] すべての数学的真理が論理的な規則と定義だけから証明できるという意味で、数学が論理の一分野であることを示すことがフレーゲ(Friedrich Ludwig Gottlob Frege, 1848-1925)の研究の目的だった。これが、数学は論理学に還元…

エノコグサ

エノコグサ(狗尾草)はイネ科エノコログサ属の植物。夏から秋につける花穂が犬の尾に似ていることから、犬っころ草(いぬっころくさ)と呼ばれ、それが転じてエノコログサになったとされ、「狗(犬)の尾の草」と記される。俗称はネコジャラシで、これは花…

農薬への二つの立場

団塊世代の私はほんの僅かな期間だが、農薬が本格的に使われなかった時代を経験している。私が10歳近くまでは田畑には生き物が溢れていた。オタマジャクシ、ドジョウ、タニシなどがどこでも見ることができた。その後、DDTを頭にかけられ、農薬散布中は田んぼ…

集団の美?

生き物の爆発的な発生、誕生は珍しいことではない。大量のバッタが空を舞い、魚の大群が海の色を変える。圧倒的な数量はある種の美しさを生み出し、私たちは集団や全体のもつ美しさに驚嘆する。一面のトウモロコシやラベンダーの畑、シバザクラの丘陵、コス…

野生生物を絶滅に追い込む犯人は…

地球の年齢は45億歳ほどだが、これまでに生物種の大半が絶滅することが何度もあった。有名な一つは今から約6,500万年前(白亜期)に起きた恐竜の絶滅。巨大隕石の衝突によって、地球上の全生物の約75%が絶滅。現在起きている絶滅は、この大絶滅のスピードを…

アキグミの実

子供の頃の記憶に裏庭のグミが登場するのだが、それがナツグミ、アキグミ、ナワシログミのいずれだったのか、残念なことに今ではその木がなくなり、わかる術もない。私の記憶の欠如を埋め合わせるかのように、湾岸地域にはアキグミがたくさん植えられている…

君はカオスを見ることができるのか?

「カオス」という言葉は流行語になったこともあり、今でもあちこちでよく使われている。「ケイオス」と言うと通じないのは、「バイルス」と同じで、「ウィルス」だと通じるのによく似ている。「アプリオリ」だと通じるのだが、「アプライオライ」と英語風に…

コムラサキ(小紫)

江戸や京都の近くには小江戸や小京都があり、蝶にはオオムラサキ、コムラサキがいる。そして、植物の場合も同じような名前が見つかる。 私には気品の塊に見えるのがコムラサキで、クマツヅラ(熊葛)科に属する。開花時期は夏から秋にかけてで、紫色の綺麗な…

キムチ、カレー、タコス

「反日、嫌韓」といった言葉が毎日飛び交い、世界情勢が波立つ中で不安が先立つ昨今、何とものんびりしたタイトルである。タイトルから連想される国となれば、韓国、インド、メキシコ。そこに北朝鮮、パキスタン、バングラデシュ、そして日本を加えても構わ…

ダンギク(段菊)

夏の終わりから秋にかけて、紫色の花が段々になって咲くのでダンギク。ダンギクは、日本、中国、朝鮮半島、台湾に分布するシソ科の多年草。日本では、九州の長崎、鹿児島、対馬に分布し、日当たりの良い岩場や斜面で、群落をつくっている。今では環境の変化…

人口問題を斜めから見る

人口が増えたり減ったりするのは自然の摂理に反することではなく、それゆえ、人口増減自体は科学的な問題ではない。この科学者の公式見解に対して、異論や反論がすぐに噴出する。絶滅種や絶滅危惧種、例えば、トキやライチョウに関して、極端に個体数の少な…

柿や林檎

子供の頃はどの家にも柿の木があって、今頃は甘い柿や渋い柿の実がたくさん色づき始めていた。そのためか、栗の実とは違って、柿の実はわざわざ木から採って食べたいとは思わなかった。今では柿は立派な果物で、スーパーで売られているが、少なくても子供の…

老人の特権「忘れること」について

私のように70歳を越えると、「知る」こと以上に「忘れる」ことが気になる。というのも、人やものの名前を始終忘れるからである。何かを忘れたことに気づくと、それを懸命に思い出そうとする。「忘れ、気づき、思い出す」という心の中の一連の作業を繰り返す…

敬老の日、あるいは高齢者3,588万人に寄せて

まずは、日本医師会の「地域医療情報システム」を検索し、読者の住む地域のデータを見ていただきたい。そこには人口動態、医療施設、介護施設に関する統計データと経年変化が載っています。当たり前のことですが、この種の統計資料には冷静に対処しなければ…

フイリヤブラン(斑入り藪蘭)

日本には「ヤブラン」、「ヒメヤブラン」、「コヤブラン」の三種があり、斑入りのヤブランは園芸品種。フイリヤブランは葉の縁に黄や白い縞が入り、通常のヤブランに比べて明るくさわやかな雰囲気がある。名前が示すようにヤブランは山地の藪に自生している…