2019-10-01から1ヶ月間の記事一覧

生命の変化(1)

小中生のための哲学(16) ‘Nothing in biology makes sense except in the light of evolution’. Dobzhansky(1973) 物理学が20世紀前半に大きく進展したのに対し、20世紀後半に著しい発展を遂げたのが生物学です。それに伴い、現在では生物学の哲学も物理…

モッコク

近くの学校の庭木として数本植えられているモッコク(木斛)は、モッコク科の常緑高木。江戸五木の一つであり、モチノキやマツと並び「庭木の王」と称される。葉が美しく樹形が整うため、庭によく植えられてきた。また、材は堅く美しい赤褐色をおび、床柱の…

変化の歴史(11)

小中生のための哲学(15) [ラマルクの進化論] 1801年からラマルク(Jean Baptiste Pierre Antoine de Monet, Chevalier de Lamarck, 1744-1829)は進化理論の詳細について発表し始めます。ビュフォンが既に生物の進化の可能性を示唆していましたが、彼は…

香るキンモクセイ

キンモクセイ(金木犀)はモクセイ科モクセイ属の常緑樹で、モクセイ(ギンモクセイ、銀木犀)の変種で、英語ではFragrant oliveと叙述的な名前で呼ばれる。日本には雄株しかないため、挿し木で増やす。雄株と雌株を受粉させて種を得なくても、挿し木で簡単…

メドウセージ、あるいはサルビア・ガラニチカ

英名メドウセージはサルビア・プラテンシスを指すのだが、日本ではサルビア・ガラニチカ(Salvia guaranitica)がメドウセージと呼ばれている。これは日本にサルビア・ガラニチカが輸入され始めた頃に流通業者が間違って名づけてしまったためと言われている。…

変化の歴史(10)

小中生のための哲学(14) 生命科学:ギリシャからダーウィンまで [異なる形態を生み出す進化] ギリシャの哲学者アナクシマンドロスは地球が歴史的に変化してきており、それに応じて地上の生命も多くの異なる形態をとったと主張しました。例えば、陸地がな…

変化の歴史(9)

小中生のための哲学(13) [ガリレオ(Galileo Galilei, 1564-1642)] ガリレオの天体観測によって、天体が完全で不変の実体からできているのではないことが次第に明らかになっていきます。特に、ガリレオはコペルニクスの仮説を観測で験証することによっ…

カクレミノの実

カクレミノ(隠蓑)はウコギ科の常緑亜高木。別名は多く、カラミツデ、テングノウチワ、ミツデ、ミツナガシワ、ミソブ等がある。カクレミノという名前は葉の形の特徴が蓑に似ていることから名づけられたという説と、天狗が持ち、この葉を使うと姿を隠すこと…

変化の歴史(8)

小中生のための哲学(12) アリストテレス、プトレマイオス、ビュリダン アリストテレスは天体の運動を支配する法則と地上の運動を支配する法則は異なると考えたのですが、ガリレオはそのような区別をしませんでした。彼の慣性概念はアリストテレスの運動の…

ススキ

ススキ(芒、薄)はイネ科ススキ属の植物で、カヤ(茅)と呼ばれる有用植物の主要な一種。農家で茅葺(かやぶき)屋根の材料に用いたり、家畜の餌として利用することが多かった。そのため集落の近くに定期的に刈り入れをするススキの草原があり、茅場(かや…

変化の歴史(7)

小中生のための哲学(11) (アリストテレスと生物学) 現代の生物学者、そして科学者がアリストテレス的科学を受け入れない理由となれば、多くの点で彼が誤っていたからです。ルネッサンスを通じて、アリストテレスの多くの考えが再吟味されました。例えば…

セイタカアワダチソウ

セイタカアワダチソウ(背高泡立草)はキク科アキノキリンソウ属の多年草。北アメリカ原産で、日本に観賞植物として導入された帰化植物(外来種)。ススキなどの在来種と競合する。河原や空き地などに群生し、高さは1 - 2.5m、11月頃まで花をつける。アキノ…

変化の歴史(6)

小中生のための哲学(10)(アリストテレスの科学とその方法)アリストテレスの経験科学への態度はプラトンとはっきり違っています。人間がもつ最高能力は理性であり、その活動は観想(speculation)だという点では二人は同じです。でも、アリストテレスは「…

ルリマツリ

何とも涼しげなブルーが特徴なのがルリマツリで、学名のプルンバーゴ(Plumbago)で呼ばれる場合もある(花は白色もある)。原産地は南アフリカで、背丈は30㎝から1mを越え、半つる性である。花は初夏から晩秋まで長期間にわたって次々と開花する。寒さにも…

変化の歴史(5)

小中生のための哲学(9)プラトンの哲学 自然主義的な好奇心の次に登場するのはそのような研究の結果である知識や、それを表現する方法に関する好奇心です。その結果、実在、信念、方法等が自然主義的だけでない仕方で考察されることになります。[ソクラテ…

コブシの実

コブシ(辛夷)はモクレン科モクレン属の落葉広葉樹。桜より先に白い花を梢いっぱいに咲かせる。春の季語であり、演歌「北国の春」を思い出す人も多いだろう。秋に入ると、コブシの特徴あるピンクの実が目立つようになる。このグロテスクな実の形状(画像)…

変化の歴史(4)

小中生のための哲学(8)[原子論] 原子論(atomism)はレウキッポスとその弟子デモクリトスによって考えられました。デモクリトスは紀元前460年生まれなので、ソクラテスより10歳若いことになります。彼の主張によれば、原子は不可分で、その部分の間に差…

ダリア(dahlia)

ダリアはキク科ダリア属の総称。和名は、花の形がボタンに似ていることからテンジクボタン(天竺牡丹)。18世紀にメキシコからスペインにもたらされ、その後1842年にオランダから日本に渡来した。メキシコの国花。 園芸植物のなかでも突出した品種数を誇る。…

変化の歴史(3)

小中生のための哲学(7)[ゼノンのパラドクス]ゼノンは師パルメニデスの不変の哲学を擁護するために変化に関わる多くのパラドクスを考えています。いずれも「この世界に運動変化が存在するとすれば、矛盾が生まれる、それゆえ、運動は存在しない」というパ…

観賞用とうがらし

食用の唐辛子ではなく、観賞用の唐辛子の一つが「ブラックパール」。ブラックパールは若葉のときは緑色だが、次第に美しい黒葉になる。黒い葉に紫の花が咲き、やがて真珠のような光沢のある実をつける。その実は紫、黒紫、そして赤へ変わっていく。普通なら…

子供たちに何か話せと言われたら…

「「考える」とは「計算する」ことである」といったタイトルで子供たちに話してみたいものです。その際、大切なのは自然言語(Natural language)と人工言語(Artificial language)に関する次のような事柄で、それらが分かれば、考えることは計算することで…

変化の歴史(2)

小中生のための哲学(6)[変化の自然主義的説明] 哲学史ではターレスの名前がいつも最初に出てくるのですが、アリストテレスは彼が「水がすべてのものの起源(アルケー)である」(『形而上学』、983b18)と主張したと述べています。彼の理論は一般的で、観…

ブッドレア

ブッドレアは中国西部を原産とするフサフジウツギ(房藤空木)を原種とした園芸品種の総称。ブッドレアの仲間は約100種あり、アジア、南北アメリカ、アフリカに分布する。日本では川原などにその同属であるフジウツギ、コフジウツギ、ウラジロフジウツギが自…

変化の歴史(1)

小中生のための哲学(5)ギリシャ哲学から経験科学へ ギリシャ哲学は一見すると科学哲学とは何の関係もないどころか、科学哲学の研究にはそれが思弁だけからなるゆえに何の貢献もしないとさえ考えられてきました。というのも、経験を重視する科学に対し、ギ…

カンナ

カンナはカンナ科カンナ属の総称。多様な種類、園芸品種がある。学名はCanna generalis。開花時期は夏から10月中旬で、画像は夏の終わりを告げるかのような花である。カンナは真夏の炎天下、大きな葉の間から鮮やかな花を元気に咲かせる。現在の品種の多くは…

好奇心を刺激する根本的な謎の追求

「色とは何か」と「これは何色か」という二つの問いのいずれが哲学的な問いか尋ねられるなら、躊躇なく「色とは何か」だと答える人がほとんどではないだろうか。そのように考えられている哲学が「哲学とは何か」と哲学的に問われると、妙に答えに窮してしま…

白いハギ

萩は秋の七草のひとつ。「萩」の字は「秋」に草かんむりなので、まさに秋の花だが、早いものは夏前から咲き出している。日本各地の山野でごく普通に見られる。東京近辺で見られるものは「宮城野萩(みやぎのはぎ)」と「山萩」がほとんど。ミヤギノハギは園…

赤とんぼ

シオカラトンボは何となく夏のとんぼで、赤とんぼは秋のとんぼというのが一般的な理解。ところで、「赤とんぼ」は、三木露風作詞、山田耕筰作曲による、日本の代表的な童謡の一つ。また、「赤とんぼ」は秋の季語だが、気になるのは「山の畑の桑の実を 小かご…

小中生のための哲学(4)

アリストテレスの論理学は自然言語(natural language、彼にはギリシャ語)の文法に基づいており、それゆえ、基本の言明の形は「AはBである」という、AとBの二つの名辞(term、項)が「である」で結ばれた形です。自然言語の文法上の主語は一つであり、一項…

ウバメガシ(姥目樫)

ウバメガシはブナ科コナラ属の常緑広葉樹。4~5月には他のカシ類と同じように花が咲き、その後にできる大きめのドングリは食用になる。ウバメは「姥の目」のことで、ウバメガシの新芽あるいは若葉が茶色いことからきているらしい。秋になると堅い皮におおわ…