ハマボウ(浜朴あるいは黄槿)

 ハマボウは昨日記したムクゲの仲間で、アオイ科フヨウ属の落葉低木。西日本から韓国済州島まで分布し、内湾海岸に自生する塩生植物である。画像は晴海のハマボウで、公園に植栽されたもの。花期は7-8月で、直径7cm程度の、中心が赤褐色の黄色い花を沢山咲かせる。花の形態は同属のハイビスカス、ムクゲ、フヨウに似るが、色だけは独特である。5枚の花びらが螺旋状に並び、雄しべがたくさんあり、雌しべの花柱は5つに裂ける。5枚の花弁は付け根から回旋して伸び、中心の赤褐色部は船のスクリューのように見える。朝開いて夕方には咲き終わる一日花。

 秋には先端が尖った鶏卵形の実をつけ、中には長さ4-5mmの豆のような黒褐色の種子が十数個ほどできる。種子は海水に浸っても死なずに浮遊し、海を通して分布を広げることができる

 和名は「浜辺に生えるホオノキ」から「浜朴」と書くが、牧野富太郎は「ホウ」の意味を不明とし、「フヨウ」の転訛と考えた。さらに、牧野は「黄槿」(黄色のムクゲ)も誤用としているが、「黄槿」は記述的でわかりやすい。

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