感覚は信用できない

 同じ木の枝に二色の花が咲き、紅白が競うように咲くと、「源平咲き」と呼ばれ、それはウメだけでなく、モモ、ツバキ、ツツジ、ボケの仲間にもあります。本来は赤い花の木なのに、赤い花に必要な酵素が働かなくなることで白い花になってしまうのです。こんな説明の後で、最初のウメの画像を見ると、成程と納得してしまいます。

 では、紫と白や、赤と白の花について「どうして一つの木に色の違う花が咲くのか」という疑問への「源平咲き」の答えの応用でいいのか、それとも他に可能性がないのか、慎重な人なら考え出すのではないでしょうか。「どうして花の色は時間の経過とともに変わるのか」という疑問をもつ人もいる筈です。画像をいくら丁寧に眺めてもこれら二つの疑問への答えはわかりませんし、いずれの疑問が適切なのかもわかりません。それぞれの花を愛でるには感覚が不可欠ですが、その感覚は二つの疑問に答えようとすると、信用できないことがわかり、それが昔から感覚への信頼を低くしてきた理由なのです。

*二番目のボタンなど、一つの花が複数の色をもつことは誰も不思議とも思いません。なぜ当たり前のように思うのか、これもまた疑問の一つなのです。

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