木全体についた赤い実には驚くばかりなのだが、満開の花もまた見事で、これほど花をつけて重くはないのか、弱ってしまわないかと逆に気を揉んでしまう。そんなピアカンサスの和名は橘擬(たちばなもどき)、常盤山樝子(ときわさんざし)で、開花時期は5月の中、下旬。秋の「実」も目立つためか、中国名は「火棘(かきょく)」。
花は小さい5弁の白花で、やや大きめの花序。実はやや潰れたような球形で晩秋に赤く色づく。葉は長楕円形の濃緑色で実の色とのコントラストが美しい。
ピラカンサスは南ヨーロッパ及び西アジアを原産とするバラ科ピラカンサ属の常緑樹。明治時代の中期に日本へ渡来した。花や実がサンザシに似ていること、常緑であることから「トキワサンザシ」と名づけられた。枝にはトゲが多く、防犯を兼ねた垣根に利用されることがある。