トキワハゼ(常盤黄櫨)

 以前載せたツタバウンランかと思って近づくと、どこか違う。遠目には花がよく似ているように見えたのだが、近づけば図柄が違う。そこで調べてみると、トキワハゼで、実がはぜることからこの名前がついた。乾きに強く、乾いた空地や道端でもよく見られ、地面に平らに這うように生えていることも多い。
 葉は浅い鋸歯があり、根もとに集まり、長さ2~5㎝の卵形、茎の中上部の葉は少なく、小さい。花は総状花序につき、長さ約1㎝と小さい。上唇は紫色~淡紫色、先端が白っぽく、小さく2裂する。下唇は白色~淡紫色、黄色と赤褐色の斑紋がある。萼は先が5裂し、花後も果実を包んで残る。花柄や萼に腺毛が多く、萼片の内側や花冠にも腺毛がある。果実はやや扁平な球形、熟すと先が2つに裂開すると言うが、私は見たことがない。白花のものはシロバナトキワハゼ。

 トキワハゼは日本各地、朝鮮・中国・東南アジア・インドなどに分布する一年草田圃の畦道、草原、畑などに生育する。花は4月から秋まで咲き続け、「ときわ」の名前の由来となっている。サギゴケに比べて花の大きさは随分と小さい。近くの工場の植え込みの隙間に植物が生育していて、その中の一つがこのトキワハゼ。狭い隙間で、人の世の喧騒とは無縁の生活を送っている。

f:id:huukyou:20200426052126j:plain

f:id:huukyou:20200426052150j:plain