陽光(ヨウコウ)

 新型コロナウイルスの流行で花見どころではなくなっている。花見の主役ソメイヨシノに先駆けて、淡い赤紫色の一重咲きのヨウコウが既に満開を迎えている。豊洲有明に意外に多いのが「陽光」という桜である。ヨウコウは日本原産の交雑種で、高岡正明がアマギヨシノ(天城吉野)とカンヒザクラ(寒緋桜)を交雑させて生み出した園芸品種。戦前教員だった高岡は戦死した生徒たちの冥福を祈って各地に桜を贈ることを思い立ち、寒さに強いアマギヨシノと台湾原産の暑さに強いカンヒザクラを交雑させ、ヨウコウを誕生させた。ヨウコウについては2015年に「陽光桜」、2017年「陽光の木の下で」という二本の映画がつくられている。

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