野原の雑草の多くは春に小さな花をつける。そんな花には老眼泣かせのものが多い。それを2回に分けて眺めてみたい。既にアメリカフウロ、コメツブツメグサ、キュウリグサ、ヒメオドリコソウなど、とても小さい花をつける野生の花々を紹介したが、どの名前も園芸種の洒落た、横文字擬きの名前と違って、風情というより生活の匂いのようなものを感じるのである。
二回目はカスマグサとスズメノエンドウ。私たちが野原でよく見るのはカラスノエンドウで、これは今があちこちで花盛り。「カスマ」はそのカラスノエンドウとスズメノエンドウの間の大きさであることから、「カ」と「ス」の間で「カスマ」、命名もこうなると駄洒落に近い。
カスマグサ(かす間草)はソラマメ属のつる性の越年草。田畑や空地などに生える雑草。カスマグサはユーラシア大陸の暖温帯に広く分布。スズメノエンドウとよく似ていて、道端などに生育する点も同様で、画像の場所では両者が混生していた。カスマグサの小葉は8~12枚あり、スズメノエンドウよりも少ない。小葉の先端が円頭でやや尖ることはよい区別点である。花弁には紫色の紋様があり、花は1~3つで、少し離れてつく。
スズメノエンドウの葉は12〜14個の小葉からなり、先は巻きひげになる。花は葉腋からのびた柄の先に4個つくのが普通。「スズメノエンドウ」は白だが、「カスマグサ」の花びらには薄い赤紫色のラインが何本かある。花のつき方は両者とも同じで、茎から伸びた「花柄」の先にうなだれるような形でついている。
画像はピンボケ気味だが、カスマグサ、スズメノエンドウ、カラスノエンドウの三つを載せたので、読者にはいずれなのか判別してほしい。