白い花たち

 雪国育ちの私には冬は雪が降り、白色の風景が当たり前だった。冬の色は白で、それは雪の色だった。その雪の色も千差万別で、環境条件次第で色は変化し、3月には古く、年老いた雪を見ることができた。雪の色に似て、いやそれ以上に花にも白の色が多い。やはり白の花が冬に似合うと思うのは私の偏見でしかないが、そんな白色の花がキク科のマーガレットとアブラナ科イベリス

 マーガレットとイベリスは共に白の単色ではなく、黄色や緑色を一部に含み、花の形状も違っている。幾何学的なマーガレットに対して、ボリュームで勝負するのがイベリス。そこで、白色だけのバラ(ファビュラス、2000年作出)を見比べてみよう。別の色のアクセントがないファビュラスは一重のマーガレットと違って八重であり、その八重の多さでボリュームを出している。つまり、複雑な形態美をもった白が私たちを惹きつけるという訳である。

 雪の白さの多様さに似て、花の白さも多士済々で、私たちが自然に対して眼を通じて「感じる」楽しみや驚きを提供してくれている。

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マーガレット

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マーガレット

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イベリス

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イベリス

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ファビュラス

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ファビュラス