ホトケノザとヒメオドリコソウは、ともにシソ科の植物で、遠目からだと区別がつきにくく、人の観察眼のいい加減さをためすには格好の例です。勿論、画像を見比べれば、その違いは一目瞭然です。この陽気のせいで両方とも既に花が咲いています。
ホトケノザ(仏の座)はシソ科オドリコソウ属の一年草または越年草。別名はサンガイグサ。その葉の形が仏様の台座のように見えるというがホトケノザの名前の由来。かつては道端や田んぼの畦道など、どこにも生えていました。ホトケノザの群生を憶えているのですが、身近過ぎてじっくり観察することはありませんでした。
ところで、春の七草に含まれる「ホトケノザ」は、同じ名前の別な植物です。道端のホトケノザは食用になりません。春の七草のホトケノザは「コオニタビラコ」という植物で、昔は同じホトケノザという名前で呼ばれていました。
ヒメオドリコソウ(姫踊り子草)はヨーロッパ原産で、やはり道端や庭などによく生えています。明治の中期に帰化した外来種。同じオドリコソウ属にオドリコソウがありますが、こちらは在来種。このオドリコソウに似ていて、小振りなので「姫」がつきました。ヒメオドリコソウは独特の形と優しい色合いに癒される草花なのですが、極めて繁殖力が高く、厄介な雑草です。
湾岸地域ではホトケノザもヒメオドリコソウも最初から少なく、植栽を気にした公園などでは見ることができませんが、それでも雑草の多い場所に強かに生えています。