赤とんぼ

 シオカラトンボは何となく夏のとんぼで、赤とんぼは秋のとんぼというのが一般的な理解。ところで、「赤とんぼ」は、三木露風作詞、山田耕筰作曲による、日本の代表的な童謡の一つ。また、「赤とんぼ」は秋の季語だが、気になるのは「山の畑の桑の実を 小かごに摘んだは まぼろしか〜」の歌詞。この歌詞でいつも思うのは,季節感のズレ。狭義の赤とんぼであるアキアカネが大挙して現れるのは秋。でも、羽化するのはちょうど桑の実の6月頃で、アキアカネは羽化した後,高い山で夏を過ごし,大挙して稲刈りの終わった里の田んぼなどに降りてくる。
 専門知識なしにアキアカネと他のアカネ属のトンボを区別するのは難しい。アカネ属、いわゆる「赤とんぼ」は、日本に22種もいる。ナツアカネも6月ごろ羽化するが、夏の間もそこに止まる。だから、アキアカネは平地で炎天下の真夏に見かけることはなく、真夏に平地にいる赤トンボはナツアカネの可能性が高い。それゆえ、画像はアキアカネだろう。

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