ガマ(蒲)

 ガマはガマ科ガマ属の多年草抽水植物(比較的浅い水中に生え、根は水底の土壌の中にあり、葉や茎が水面から出ている植物で、アシ、コウホネスイレン、ハスなどもその仲間)。円柱状の穂が「蒲の穂」である。ソーセージのような形をした不思議なガマの穂は実は雌花の集まりである。どう見ても、花には見えないが、れっきとした花で、開花時期は6月から8月。
 「蒲鉾、蒲団、蒲焼」と書くが、どれにも「蒲(ガマ)」の字が入っている。では、ガマの穂が由来なのだろうか。かつては現在で言う「ちくわ」のことを「かまぼこ」と呼んでいた。ちくわに棒が刺さっている姿はガマの穂にそっくりで、そこから同じ練り製品で板付きのもののことも、かまぼこと呼ぶようになった。私の故郷では蒲鉾を「板付き」と呼んでいた(丁寧には「板付き蒲鉾」)。また、「蒲団(ふとん)」の「蒲」の字は、昔、ガマの綿毛を寝具に入れたことから。「蒲焼(かばやき)」は、うなぎを筒状に切って焼いていた形がガマの花穂に似ていたことから。

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