リョウブ

 リョウブ(令法)はリョウブ科の落葉小高木で、今は庭木としても植えられる。昔、飢饉に備え、若葉を食料にするため、令法(りょうぼう)によって植えさせたのが名前の由来。別名の畑積り(ハタツモリ)も事前に収穫量を見積もって植えたことに由来する。平安時代以来、新葉を湯掻いて乾燥させ、救荒食物として貯蔵させたと言われる。食用となるのは芽吹いてすぐの若菜。アクがなく、生のまま食べることもできるが、一般的には湯通しし、乾燥させたものを御飯や団子に混ぜて食べたり、天婦羅にして食べる。飯や穀物に混ぜて炊いたものはリョウブ飯と呼ばれる。今風には山菜である。
 日本全国の山間に見られる落葉樹で、6月から8月にかけて穂状の白い花を咲かせる(画像)。一つ一つの花はよく見ればウメに似ていて、おびただしい数の蝶や蜂が蜜を求めて集まる。

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